2011年6月20日月曜日

トーリック多様体

* トーリック多様体上の直線束の計量
Arithmetic geometry of toric varieties. Metrics, measures and heights
(http://arxiv.org/abs/1105.5584)
に、トーリック多様体上の直線束の計量と、
Legendre変換の話がまとまっている。
とくに有限素点の場合も書かれている。

* トーリック多様体の特異点解消
トーリックの世界
(http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~fujino/TW-HP.pdf)
に特異点解消のコンパクトな説明があった。

* 疑問点
- トーリック多様体上のトーラス作用同変なリーマン計量から定まるブラウン運動
、あるいはラプラシアン、を扇の言葉で書くこと。
- 特異点を持つ場合にブラウン運動が定義できるか?
その場合、同変ブローアップ上のブラウン運動との違いはなにか?

- LDPの話をトーリック多様体上で展開できるか?
まずは、random gaussian analytic function
が定義できることをみなくてはならない。
Random zeros on complex manifolds: conditional expectations
(http://arxiv.org/abs/1005.4166)
次に、ケーラー計量、Bergman核について知っていないといけない。
BERGMAN METRICS AND GEODESICS IN THE SPACE OF KA ̈HLER METRICS ON TORIC VARIETIES
(http://mathnt.mat.jhu.edu/zelditch/Preprints/geotoricrevMar1.pdf)

2011年5月23日月曜日

Witt環とBC系

* On the arithmetic of the BC-system
(http://arxiv.org/abs/1103.4672)
では、
BC系の話を、Witt環とからめている。

KMS条件は、C*環でのformulationでは、
実時間での条件になるが、(境界値を与えた正則関数の話)
p進整数環での条件として定式化し直している。

* 連続極限
イジング模型にせよ、ランダムウォークにせよ、
連続極限を取るときは、実素点での距離に関する連続極限を取っている。

KMS条件にでてくるのは、実軸が時間で、虚軸が温度であったが、
それをp進素点に関する距離で考える、というのは、
時間、空間、温度、のどれに関しての話と見なせばいいのだろうか?

Lubin-Tate空間

* Lubin-Tate空間
The Geometry of Lubin-Tate spaces (Weinstein)
(http://www.math.ias.edu/~jaredw/FRGLecture.pdf)
にLubin-Tate空間について簡潔にまとめられていた。
p-divisible groupとDieudonne加群とは、完全体の上では、
圏同値になるが、
とくに、1次元形式群に着目する。
special fiberを固定して、
Witt環上への持ち上げに対する変形のmoduliは、
高さをhとするとき、h-1次元の開球になる。
level構造を込みにして、quasi-isogenyで同一したmoduliは、
開球のetale coveringになる。

B_{cris}^{+}の一部分は、height1の形式群則を固定して、記述することができる。

では、p-divisible groupの次元を上げて、
B_{cris}^{+}の別の部分を記述できないか?
となるが、
これは、
http://www.math.u-psud.fr/~fargues/Courbe.pdf
に記述されている、一般化リーマン球面
の話になる。
(Proposition 7.17., Teoreme 12.7.)

2011年5月9日月曜日

有限空間

* 有限空間
FINITE TOPOLOGICAL SPACES
(http://www.math.uchicago.edu/~may/MISC/FiniteSpaces.pdf)
および
Finite spaceやそれに類する空間
(http://pantodon.shinshu-u.ac.jp/topology/literature/finite_space.html)
では、有限個の点からなる集合に、必ずしもHaussdorfとは限らない位相を入れて、議論をしている。
そこでの観点は、partially orderと対応をつけること、
だった。
ここで気になってくるのは、finite space上の確率測度の集合、
およびその上の大偏差原理、である。
開基についてレート関数の性質をみることになる。
(ex. Dembo-Zeitouni Th4.1.11)
離散位相では、単純に個数次元の実ベクトル空間内の和が1の超平面についての話、
密着位相では、レート関数は恒等的に0
となる。

FINITE GROUPS AND FINITE SPACES
(http://www.math.uchicago.edu/~may/MISC/finitegroups.pdf)
では、有限群について、その部分群全体の集合に包含関係で部分順序を入れて、
群の代数的な性質を、対応する有限空間の幾何学的性質と関係づけようとしている。
とくにQuillen予想、という形で、
正規p-部分群の存在を有限空間の弱可縮性
と関係づけている。

有限群として、局所体上の絶対ガロア群の商群を取ったときに、
有限空間の射影極限から得られる大偏差原理と、
p-部分群の持ち上げの性質について、
何か関係がつくようなうまい確率測度の列が存在しないだろうか?

2011年4月24日日曜日

解析的曲線とトロピカル化

有限語の上の確率測度と大偏差原理は、
レート関数が相対エントロピーという形で奇麗に表される。
有限語を点とみて、語間の遷移確率を指定したマルコフ過程は、
有限グラフの辺に長さの構造が入ったものと見なせる。

有限語に対する重みを与えることを、
重みのパラメータを次元とするトーラス作用を与えることと思うと、
有限グラフとトロイダル多様体との間に何か関係が欲しくなるが、
これをBerkovich空間の言葉で表すことができる。
Berkovichの意味での解析的曲線は、
有限グラフへの変形レトラクトを持ち、
有限グラフと解析的曲線のsemi-stable modelとの関係がつく。


* トーリック多様体とトロピカル埋め込み
Analytification is the limit of all tropicalizations
(http://arxiv.org/abs/0805.1916)

Nonarchimedean geometry, tropicalization, and metrics on curves
(http://arxiv.org/abs/1104.0320)

* log-smooth
Lectures on Logarithmic Algebraic Geometry
(http://math.berkeley.edu/~ogus/preprints/log_book/logbook.pdf)
トロイダル多様体への埋め込みや、semi-stable curveという話を、
制限を付けずに扱うためには、ログ多様体の意味でのsmoothnessとしてあつかった方がよいと思われる。
Berkovich空間のログ多様体としての解釈はどうなるのだろうか?
局所環付き空間なので、定義自体はそのまま移行可能だろう。

2011年4月11日月曜日

有限グラフのゼータ関数

有限グラフのゼータ関数
Number theory of Graphs
(http://math.ucsd.edu/~aterras/2010%20newton.pdf)
または、
Zeta Functions of Graphs

* regular graph
多様体は、局所的にすべてEuclid空間に同型な幾何学的対象である。
有限グラフにおいて、局所的、という概念は、各頂点の近傍に対応する。
その位相的な性質は、頂点においてどれだけ辺がでているか、ということになるから、
多様体と同様に局所的にすべて同型という性質を持たせようとすれば、
頂点から出ている辺の数がすべて等しい、
という性質が要請される。この性質を満たすグラフをregularグラフという。
* Weil予想
有限体上の完備代数曲線について、それがsmoothであれば、
そのFrobenius作用素の固有値の絶対値について、purityが成り立つ、
というのが、Weil予想であった。
有限グラフについて、完備、という性質は、次数1の頂点が存在しない、と読み替え、
smoothをregularと読み替える。
グラフの辺に正、負双方の向き付けを与えて、ラベル付けを行い、グラフに従ってpathの集合を作る。
この集合におけるシフト作用素がFrobenius作用素に対応し、ゼータ関数は、
Iharaのゼータ関数として定式化される。
Weil予想に対応する結果は、隣接行列の固有値の性質に読み替えられるが、
すべてのregularグラフに対して成り立つことは言えず、
Weil予想が成り立つグラフをRamanujanグラフと定義している。

* Riemann面に対応するリボングラフ
Riemann面に対しては、ModuliのCell分割によってリボングラフが対応した。
このリボングラフの辺の長さがすべて等しいとき、そのRiemann面は数体上の代数曲線から来る。
(Berliの定理の言い換え)
すなわち、グラフの長さからなる単体と確率測度を対応させると、確率測度のエントロピーが最大になるときが数体上の代数曲線に対応していた。
そこで、次のような疑問が自然に出る。
- Riemann面に対応するリボングラフを有限グラフと見たとき、regularを満たすRiemann面はどのような性質を持つか?
- RIemann面のリボングラフを有限グラフとみたとき、これは何を表すか?
cell分割が、semi-stableな境界を含んでいて、
semi-stableに対応する双対グラフとして意味を持つか?
- Riemann面が数体上定義されるとき、p進でのBerkovich空間でのレトラクションとして有限グラフが得られる。これがtrivialにならないためには、代数曲線のモデルをとって、特異ファイバーが生じるところでみることになるが、この有限グラフと、もとのリボングラフはどのように対応するか?

SEMI-GRAPHS OF ANABELIOIDS
(http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~motizuki/Semi-graphs%20of%20Anabelioids.pdf)
A dual point of view on the ribbon graph decomposition of moduli space
(http://arxiv.org/abs/math/0601130)
を読む必要がありそうだ。

* Brown運動とIharaのゼータ関数
regularグラフのIharaのゼータ関数のBassによる表示は、
det(I-uA+u^2Q)
と2次の形になっている。
そこで、Iharaのゼータ関数とBrown運動の生成作用素に対応がつくか?
という疑問が自然に浮かんでくる。
degree1の頂点が存在しないregularグラフのもとで、
境界条件はどうなるか?
下記の三つ組みがIharaのゼータ関数の2次表示と一致するのは、たとえばすべての辺の長さが1など、
具体的に書けるか?
Brownian Motions on Metric Graphs
(http://arxiv.org/abs/1102.4937)
を読む必要がありそうだ。

* 有限グラフのAbel-Jacobi
Riemann-Roch and Abel-Jacobi theory on a finite graph
(http://arxiv.org/abs/math/0608360)
では、対称積からJacobianを定義している。
そこで、Zelditchの大偏差原理の記述に対応するものを有限グラフで探してみたくなる。

* regularityの摂動
ランダムシュレディンガー作用素については、Anderson局在が成り立ち、
ランダムネスが減少するに従って、固有値の性質が絶対連続性を持っていた。
有限グラフにおいて、regularityは極めて強い条件と思われるが、
有限グラフをものすごく大きな次数で被覆して得られる有限グラフを考え、
その極めて小さい部分のみregularityを変更するように辺を挿入すると、
Iharaのゼータ関数は行列の微小摂動であるから、多項式として微小変動する。
この変動について、どのようなことがいえるか?

2011年3月11日金曜日

雑多な話

* Szegö via Jacobi
(http://arxiv.org/abs/math/0604009)
に、Szegoのstrong limit theorem(http://en.wikipedia.org/wiki/Fredholm_determinant)
の証明があった。

* 有限体上の超楕円曲線のFrobenius写像の固有値の分布で、genusに関する極限を取る話
Traces of high powers of the Frobenius class in the hyperelliptic ensemble
(http://arxiv.org/abs/0811.3649)
有限体の位数ではなく、曲線の種数で極限を取る、
という点で、面白い。
これを、数体(標数を固定して局所体で考えれば十分)上のモデルからreductionによって得られるものとしたとき、
dessin d'enfantの系列はどうなるだろうか?

* 代数曲線と非可換代数
Calogero-Moser Spaces over Algebraic Curves
(http://arxiv.org/abs/0809.4521)
射影直線の導来圏はKronecker代数の導来圏と同型だが、
これを逆にみて、代数曲線上の微分作用素のなす代数を
非可換代数上の加群の言葉で書こうという話。