2010年1月23日土曜日

スペクトル曲線と高さ関数

Canonical height and logarithmic equidistribution on superelliptic curves
http://arxiv.org/abs/0911.1271
では、
hyperelliptic curve(およびその拡張)の場合に、
Theorem A: Neron-Tate heightはGreen関数のlocal積分の和で表せる
Theorem B: Aの積分は、ヤコビアン多様体の等分点での値を用いて、近似できる
ということが示されていた。

TheoremAの根拠となるのは、アラケロフ幾何でのpairingとarithmetic Hodge index theoremで、
Admissible pairing on a curve
(http://www.math.columbia.edu/~szhang/papers/apc.pdf)
が元になっている。

TheoremBは、Krichever mapを使って佐藤グラスマン多様体にヤコビアンを埋め込む手法とほぼ同一の方法で、テータ因子の引き戻しの局所定義イデアルを具体的に書き下し、等分点に関する多項式分の増大度を
打ち消し、
さらに、Faltingsによるdiophantine apploximationを用いて、積分への近似における評価をしている。

TheoremBのほうは、射影直線の分岐被覆として曲線を実現、すなわちスペクトル曲線であれば、
証明が通用すると思われる。

リーマン面上の自由フェルミオン場についてのKNTYの論文では、アラケロフ幾何と自由フェルミオン場の類似が言及されていたが、
Berkovich空間を通して、よりいっそうつながりが認識される。
むしろ、あいまいな疑問として、
- 共形普遍性とは何か?
- 数論性はくりこみの不動点をあたえるのか?
というものが残る。

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