2010年6月7日月曜日

analytic curveのtau関数

$\tau$-function for analytic curves
(http://arxiv.org/abs/hep-th/0005259)
には、C-単連結領域のグリーン関数の展開から初めて、analytic curveに付随するτ関数と、
Schwarz関数、Symplectic構造が記述されていた。

Free bosons and tau-functions for compact Riemann surfaces and closed smooth Jordan curves I. Current correlation functions
(http://arxiv.org/abs/math/0102164)
では、上記のτ関数を、KNTYのτ関数と比較して、CFTの立場から系統的に記述している。
この論文のIntroductionの内容は、
(代数的整数論からリーマン面、代数曲線という順序で学習した個人的な経緯からも)
しっくりくる内容。
経路積分で記述した内容と、それと等価であるが数学的にきちんと定義した内容が、
併記されている点に、
Diracのδ関数を自由に使えなかった時代と同等のもどかしさ、が現れている。

さらに、C1級のJordan曲線に対して、同様のτ関数を定義しているのが、
Conformal Mappings and Dispersionless Toda hierarchy
(http://arxiv.org/abs/0905.3599)
になる。
2次元戸田場、に制約条件がついたもの、として捉える必要があるようだ。

以上のことから、次のような夢想をして見る。
Higgs束のmoduliはrelative Grassmannianに埋め込むことができ、
KP-flowをこの部分に制限すると、Hitchin-integrable systemになる。
(Hitchin integrable systems, deformations of spectral curves, and KP-type equations(http://arxiv.org/abs/0801.0015))
だから、安直には、universal teichmuller空間におけるKP-flowは、
無限種数のRiemann面のHitchin integrable flowを定める、と思いたく、
そうすると、軌道はJacobian、すなわち、Hilbert空間をlatticeで割ったもの、
ということになるから、これをWiener空間のCameron-Martin空間からの商空間、とみなしたくなる。
すなわち、抽象Wiener空間の族があって、Cameron-Martin空間の入り方が佐藤グラスマン内の超平面の入り方と対応するような状況があってほしい。

--

Whittaker-Hill equation and semifinite-gap Schroedinger operators
(http://arxiv.org/abs/0906.1697)
にsemifinite-gapのHill方程式の計算例があった。
肩のこらない計算で、楽しい。

8 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いやあ勉強熱心ですね。仕事もあるのにたいしたもんです。
次の日本可積分系の丼はaka氏ですね。
 
ふむ、またTaktajanか。やっぱりこの人は偉大なんでしょうか。
私はなんも知らんのですが。このまえふと、大昔に買ってつんどくになっていた
AMSの数学者のための量子力学の本をみたら、氏の御著書ですた。

少し前の話題でもう流れ流れてしまいましたが、

http://english.amt.ac.cn:8080/iam/IGK/2010-May%20Sino-German.htm
Robert Schrader   Brownian Motion on Metric Graphs

という講演があった。 ちょっとググってみたが、その話題では(本人もしくは仲間から)
何本か論文がでているようだが、このSchraderという人はあまり引っかからない。結構、年配みたいなんですが。
もちろん、無限分岐とかは考えていないとは思うんですが(実は何もしらんのです)、
参考になると思ったら、検索してみてください。

Chinese-German Meeting なのに、Malliavin とBismutが来てる。
M先生、残念ながらこれが最後の講演でした。合掌。御年84歳(推定)。

Canonical Brownian Motion on the Space of Jordan Curves of the Complex Plane

について話しています。やはり、この方向性は終わった話題ではなく、
未来があると思っていらっしゃったのでしょうか?

匿名 さんのコメント...

ところで、aka氏の話は20行程度の説明で理解してついて行ける人はほとんどいませんので、ここらで一発akaゼミの立ち上げを希望します。仮案としては、

時間: ビッグクランチまでのいつか
場所: 地球上のある地点
講師: aka氏(本気モード)

などでどうでせうか?参加希望者は名乗りをあげてください。

匿名 さんのコメント...

そうそう、McKeanが来るよ、サインもらうチャンスです。大阪だけどね。

Itô Memorial Lectures
http://stokhos.shinshu-u.ac.jp/SPA2010/ito.html

ちなみに, Lawlerも来るよ。サインもらうチャンスです。これも大阪。

http://stoc-proc.com/sympo/2010/SAA2010.htm

aka さんのコメント...

>M先生、残念ながらこれが最後の講演でした。合掌。御年84歳(推定)。

ご冥福をお祈りします。

>やはり、この方向性は終わった話題ではなく、未来があると思っていらっしゃったのでしょうか?
まだ論文ちゃんと読んでいないのですが、
未来はあると思っています。

aka さんのコメント...
このコメントは投稿者によって削除されました。
aka さんのコメント...

>aka氏の話は20行程度の説明で理解してついて行ける人はほとんどいませんので

書いている本人が理解していないので、
それは当然そうでしょう。

ゼミ、たぶんしどろもどろになって、
ろくに説明できずに、
つっこまれて立ち往生することが、
目に見えています。

(一度系統立てて2008年から学んだことをまとめる必要はあると思っていますが、
それ以上に知らないことが多すぎて、まとまりが悪いです)

匿名 さんのコメント...

あれ、長文の熱のこもった投稿があった気がしたのに?長いので面倒だから明日にしようと思ってたら、いつのまにか消滅してますた。同僚に見つかるとまずいので「自粛」ということでせうか。

匿名 さんのコメント...

こんな研究会が知らんうちにあった。

http://www.ceremade.dauphine.fr/~mgubi/ecru/rpi.html

さすがに数値解析や確率論にはうといとは思うけど、一般的に言ってaka氏は相当物知りだから、ちょっと甘えてきくげどさ、

Loïc Foissy
Algèbres de Hopf et chemins rugueux

Jacques Magnen and Vincent Rivasseau
Constructive field theory

Dominique Manchon
Connected Hopf algebras and renormalization

とかってどういう分野よ。multiple zetaとか書いてあって、私には恐ろしくみえるんですが。