http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/schedule.html
における興味深かった講義内容。
*p-adic Hodge theory
http://www.math.u-psud.fr/~fargues/Courbe.pdf
に記述されている、generalized Riemann sphereを用いた、
weakly admissible representationがadmissibleであることの証明。
射影直線の連接層のなす導来圏には、t構造として、クロネッカー代数の表現が入る。
それを少し複雑にして、Harder-Narasimhan filtrationとして、
各有理数に対して、rankとdegreeが対応するベクトル束が存在するような
"曲線"を構築している。
この場合、Witt vectorが自然に絡んできて、基礎体について、仮定が必要になる。
* Analytic spaces over F_1
http://www.diffusion.ens.fr/index.php?res=conf&idconf=2843#
の講義の内容を前提としての話。
F1代数の上で、スキーム論と解析空間論を平行に話をしていた。
代数的な話は、Spec,Zariski Specを定義し、
アファイン空間を定義していた。
局所化や、貼り合わせの話はよく掴めなかった。
解析的な話は、rational domainやWeierstrass domainを定義して、
解析空間の定義をしていた。
* The arithmetic curve, Witt vectors and zeta
http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/slidesnagoyacolloq.pdf
BCシステムとWitt環の関係を述べている。
アデールクラスをmonoidとして、幾何学的にとらえて、
跡公式を通してゼータ関数と関係づけようという話。
(http://www.alainconnes.org/docs/HyperJ.pdf)
Witt環を無限素点上でも定義できるようにしようとすると、
フロベニウス作用素を拡大解釈する必要があるが、
hyper fieldおよびsemi fieldを考えることで、
拡張ができる、ということが示されている。
(http://www.alainconnes.org/docs/henri65.pdf)
* Foliated spaces
(http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/slidesnagoyafoliation.pdf)
アデールクラスに値をとる射影直線をF1上に定義しようとして、
そのために非可換幾何の枠組みを使用している。
同値類とleavesを対応させているため、
葉層構造上の不変測度の存在を測るGodbillon-Vey類が重要。
* 感想
上記、p進表現もアデールクラスも、射影直線に話を帰着させて計算を行っている点が興味深い。
15 件のコメント:
info; これはあなたの好み?
Zeta Functions of Graphs: A Stroll through the Garden,
Audrey Terras
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=mp_s_a_2?qid=1291602921&a=0521113679&sr=8-2
サイモソの本も、もうでとるな。
http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d.html/ref=mp_s_a_7?qid=1291603083&a=0691147043&sr=1-7
>Audrey Terras
http://www.math.ucsd.edu/~aterras/mywinpaper.pdf
をみてみました。
数論の観点からすると、
ここでも挙げられている、
Katz-Sarnakの結果を、
Q_{p}上の曲線で考える、ということが自然だと思います。
すなわち、equidisitributionの話と、
curveのmoduliについての話を結びつけ、
ランダム行列の話にもっていく、
という展開ですね。
そのため、分岐グラフについての話が必要になると思います。
ゼータ関数ということで、
Ruelleのゼータ関数のような力学系に起因するゼータ関数との関係が気になってくるところですが、
これは、
やはり、イジング模型のような可積分系の話を、
局所体上で構築する必要があると思います。
そのために、モノドロミーのある体上での理論展開が必要で、
p進周期環に値をとる積分、
を考えて、複素数体上での、楕円積分をp進で置き換えてみる、ということが必要になります。
路線としては、
Notes on motives in finite characteristic
(http://arxiv.org/abs/math/0702206)
の方向になると思います。
>サイモソの本も、もうでとるな。
すでに10月の時点で予約しているので、
もう発送済みで、来年までには届くと思います。
ただ、
目次をみる限り、書かれている内容の概略(あくまでおおざっぱな概略)は理解できたと思っているので、
手元において時々眺める使い方になると思います。
この方面は、
- SL2のコホモロジーと結びつけるAvilaの理論による概周期性の話
- Cherednik代数やCalogero-Sutherland模型とあわせて、高次元のSchlodinger作用素について、Lame方程式の類似物を探す(->まずは超楕円曲線のペー関数でかけるもの、もしくはその退化バージョンをみる)
- やっぱりp進。グリーン関数によるリーマン面上の関数の存在をBakerやChambert-Loir流の議論で行えるかどうか追求する
- 無限種数のリーマン面の話の追求
とくに、laminationと、非可換微分が出てくる部分の追求。
- テータ関数、すなわちタウ関数の直交多項式との関係を
Eynardの論文に従って追求する
- テータ関数を直線束の切断とみることから、gerbe上の切断では、一意化の理論の拡張があるのかどうか?
といった問題意識があると思います。
↑ これコメント欄にうもれてしまうんじゃ、もったいないので、ぜひ独立した記事にしてください。
本当にいろいろご存知で、、、、参りますた。
Off topic;
忘年会はどんな感じでした。
>これコメント欄にうもれてしまうんじゃ、もったいないので、ぜひ独立した記事にしてください。
週末、まとめようかと思っていたら、風邪でダウンしてしまいました。
なので、まだまとまっていません。
>忘年会はどんな感じでした。
和気あいあいと、いい感じでした。
新たに平成15年入学という人もいて、時代を感じました。
表現論だけに特化した、えらいマニアックそうなシリーズがでたぞ。売れるんでしょうか?
数学の杜1
指数型可解リー群のユニタリ表現─軌道の方法
http://www.sugakushobo.co.jp/index.shtml#90334251
備忘録。年末になるとすごそうな論文がバンバン発表されるよね。これからはシェフィールドの時代かなぁ。
(全く読んでいないので、責任はとりません。とくに最後のはかなりマニアックなので、気にせんといて)
Schramm Loewner Evolution and Liouville Quantum Gravity, Bertrand Duplantier, Scott Sheffield
http://front.math.ucdavis.edu/1012.4800
Conformal weldings of random surfaces: SLE and the quantum gravity zipper, Scott Sheffield
http://front.math.ucdavis.edu/1012.4797
From constructive field theory to fractional stochastic calculus. (I) An introduction: rough path theory and perturbative heuristics, Jacques Magnen, Jérémie Unterberger
http://front.math.ucdavis.edu/1012.3873
Rough Burgers-like equations with multiplicative noise, Martin Hairer, Hendrik Weber
http://front.math.ucdavis.edu/1012.1236
この本の内容とメンツ、あなた的にはどうよ。
http://www.ems-ph.org/books/book.php?proj_nr=106
Renormalization and Galois Theories;
Alain Connes, Frédéric Fauvet, Jean-Pierre Ramis
>http://www.ems-ph.org/books/book.php?proj_nr=106
Galois theory, motives and transcendental numbers
(http://arxiv.org/abs/0805.2569)
Feynman integrals and multiple polylogarithms
(http://arxiv.org/abs/0705.0900)
The combinatorics of Bogoliubov's recursion in renormalization
(http://arxiv.org/abs/0710.3675)
(Non)Commutative Hopf algebras of trees and (quasi)symmetric functions
(http://arxiv4.library.cornell.edu/abs/0710.3739)
ですね。
興味は、
Andreさんの概説
が面白そうですね。
情報どうもありがとうございました。
12月は風邪でほとんど何もできなかったので、
これからぼちぼち勘を取り戻していきたいと思います。
咳のし過ぎで、腹筋がいたいのと、
クリスマスずっと寝ていて何か取り残された感があるのが、
どうも残念です。
今年もよろしく。
>咳のし過ぎで、腹筋がいたいのと、
そんなに重症でしたか。知らないうちに年をとっているので、ご自愛ください。
バリーの本はいかがでしたか。12月中旬にあなたの母校にいったときには、生協においてあるのを見つけて、うほほーい、と思った記憶があります。
ところで、この講演はあなたの心にラブ注入、って感じでしょうか。
A fractal theoretic approach to Dirichlet forms on the ring of p-adic integers
http://stoc-proc.com/sympo/2011/Markov.htm
これとか、意味わかる?内容はわからんけど、Zelditchとか超一流だし、面白いかも、と思ったんだけど、、、
Large deviations of empirical measures of zeros on Riemann surfaces, S. Zelditch
http://front.math.ucdavis.edu/1101.0417
http://www.springerlink.com/content/r22tw2t628785l53/
Introductionをみると面白そうですね。
気になるのは、
複素数値関数かP進値関数か、
です。
これによって、解析的な性質がガラッと変わるので。
>Large deviations of empirical measures of zeros on Riemann surfaces, S. Zelditch
これ、興味深いですね。
ちゃんと読んで見たいです。
情報ありがとうございます。
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