2011年1月16日日曜日

直線束の大域切断から得られる確率変数の大偏差原理

LARGE DEVIATIONS OF EMPIRICAL ZERO POINT MEASURES ON RIEMANN SURFACES, I: g = 0
(http://arxiv.org/abs/0904.4271)
Large deviations of empirical measures of zeros on Riemann surfaces
(http://arxiv.org/abs/1101.0417)
に、リーマン面上の直線束をとり、その大域切断から得られる
RandomPolynomial
について、零点の位置からなる測度についての大偏差原理
が示されていた。
種数0の場合は、多項式空間にガウス分布からなる基底を入れて話をすることで、
ほとんどユニタリー群に対するランダム行列の場合の、
n-Fekete setのcounting measureが平衡測度に収束する場合の議論
(ex. Orthogonal Polynomials and Random Matrices(Deift)の6章の議論)
と同様の話を行える。

種数一般の場合は、零点をdiviserに置き換えて、Abel-Jacobiの定理によりリーマン面の対称積上に引き戻した上で、
種数0の場合に座標を用いて書かれていた箇所をPrime formsで書き直すことにより、
大偏差原理のレート関数を書き表すことができる。

Heights and measures on analytic spaces. A survey of recent results, and some remarks
(http://arxiv.org/abs/1001.2517)
では、計量付き直線束の議論をp進体上でも行っているので、
ガウス分布に対応するものが何か?
といった話を考えるのも興味深い。

27 件のコメント:

aka さんのコメント...

http://mekentosj.com/papers/
は論文の管理に便利ですね。

匿名 さんのコメント...

info:このジャーナルはなんとYoutubeにチャンネルを持っている!!

The hyperring of adele classes,
A. Connes & C. Consani;
Journal Number Theory 131 (2011) 159--194;

http://www.youtube.com/profile?user=JournalNumberTheory#p/u/0/3LSKD_PfJyc

匿名 さんのコメント...

2回ほど投稿したんだけど、消えていますな。あたりさわりのない内容なので、削除ではなく、システムの不具合だと思うんですが。

aka さんのコメント...

どんなコメントでしょうか?
変ですね。

aka さんのコメント...

JNTのyoutube、
リンク見ていたら、
物理の女性(美人)が虚数乗法の話をしていたのですが、
いよいよ、
志村多様体も物理で扱われるようになるんでしょうか?

匿名 さんのコメント...

個人的な備忘録としてこれを貼りつけた。
http://www.youtube.com/profile?user=JournalNumberTheory#p/u/29/dsVvo7s8BYU


それから、ゼルちゃんの路線の将来性をあなかにうかがった。

匿名 さんのコメント...

どうやらこれのようですね。
http://arxiv.org/abs/0801.0023


ポス毒さんのようだ。R. Hainとかの系統らしいな。Hainはこのブログで前にとりあげてたっけ?

aka さんのコメント...

>それから、ゼルちゃんの路線の将来性をあなかにうかがった。

一つは直線束ではなくベクトル束にしてみる、
というもの。
これはベクトル束のモジュライが絡んでくるので、
より幾何が難しくなります。
Higgs束を考えてみるのも、面白そうです。

また、退化したリーマン面も考慮に入れて、
変形によるLDPの変化を記述する、というのも必要でしょうか?

さらに、
Local fields, Gaussian measures, and Brownian motions
(http://arxiv.org/abs/math/9803046)
あたりの話をもとに、p進で大偏差原理をみてみる、
というものも、まず射影直線からやってみると面白そうです。

aka さんのコメント...

>Hainはこのブログで前にとりあげてたっけ?

有理ホモトピーをきちんと勉強していないのと、
regulator関係はまだ時期尚早な感があるので、
上げていません。

http://pcmi.ias.edu/summer-program/
はそうそうたるメンバーなので、
講義録が楽しみです。

匿名 さんのコメント...

うーーん、相変わらず冴えていますね。私が素朴に疑問に思ったのは、LDPあるところに、LDPの精密評価(= Laplace's method = Laplace approximation= Laplace-type asymptotics)ありだから、この枠組みでは、そういう路線はないのかな? ってことだったんですが。

ちょっと、調べてみるか。いづれにせよ、解析的すぎて、貴殿の趣味からははずれてそうですな。

幾何学的な方向に拡張については、感心しました。同世代で同僚の某氏に聞いてみます。

Evansの論文は知らなかった。情報どうも。こういうのがあったとは、世の中広いですね。

匿名 さんのコメント...

"Gaussian Zero"面白そうですね、バンバンつきすすんでください。

BMといっても、定義域も値域もQ_pチャンなのね。時間は実数の区間でないわけだ。だから、「連続関数」というのがありうるわけですか、そうですか。

ところで、最近ArXivの調子がおかしくないですか?特に"Front"の方。"No paper"とかいう表示が出て、ダウンロードできないんですけど。

匿名 さんのコメント...

あら、aka氏をもしのぐ、世界最強の数学ブロガー、terence田尾について投稿したのに、きえとる。

また出版するみたい。
http://terrytao.wordpress.com/2010/12/21/an-epsilon-of-room-vol-i-now-published/


最近はRMTに殴りこんできて、バリバリやっとるようです。the zeroes of a random Laurent series with Gaussian coefficients と関係あるらしい。(読んでないけど。)

Outliers in the spectrum of iid matrices with bounded rank perturbations
http://arxiv.org/abs/1012.4818

RMTを愛するあなたにささげます。

匿名 さんのコメント...

R上の正規分布はCLTの極限という特徴がるよね。K上の正規分布に関してだけど、中心極限定理的な視点はないのかな?

KAtz- Sarnakとかがやっていたらしい、p進RMTというのは、各成分にこのK上の正規分布を入れて考えるのでしょうか?

匿名 さんのコメント...

あら、また消えた?今投稿したばかりなのに、、、私の操作方法が間違っているのかな?

*****

aka氏は、Marcolliのこの本読んだんでしたっけ?

http://www.amazon.co.jp/Feynman-Motives-Matilde-Marcolli/dp/9814271209/ref=ntt_at_ep_dpt_11

わずか2000円!! 良心的。シンガポールはいいねえ。

aka さんのコメント...

>R上の正規分布はCLTの極限という特徴がるよね。K上の正規分布に関してだけど、中心極限定理的な視点はないのかな?

まず、実の場合との相違点として、
p進の場合には、Haar測度に相当するものがない、
という点があります。
(http://www.math.jussieu.fr/~colmez/Distributions.pdf のRemark2.9にあるように、
分布の畳込みのAmice変換は、Amice変換の積になります。よって、平行移動=デルタ関数の畳み込みから、
Amice変換をみることで、平行移動不変な測度は存在しません。)
その意味で、p進の場合は、よりWiener空間に似ている、と思えます。
(では、Cameron-Martin空間は何?という話になりますが、どうもまだしっくりきませんね。個人的には、special fiberの空間をCMと見なすようにしたいのですが。)

CLTの一つの証明法は、特性関数をみて、
テイラー展開による近似をする、
というFourier変換の性質に依存するものがあります。
では、p進の場合にFourier変換はあるか?
というと、
http://www.math.uiuc.edu/documenta/vol-06/18.pdf
があります。
(Th2.2 )
が、これとiidの和とをどう組み合わせればよいか、は
(私には)よくわかっていません。

aka さんのコメント...

>KAtz- Sarnakとかがやっていたらしい、p進RMTというのは、各成分にこのK上の正規分布を入れて考えるのでしょうか?
この部分は、まだ本を買う前に想像で書いていた部分をもとにして、と思いますが、
すいません。全然内容が違いました。

著者による解説
(http://www.ams.org/journals/bull/1999-36-01/S0273-0979-99-00766-1/S0273-0979-99-00766-1.pdf)
がありますが、

1.(p.7 table1にある)Lie群の固有値の隣接測度は、largeN極限でGUEにより近似できる
2.(p.11 式37)有限体上の完備曲線の一次元コホモロジー群へのFrobenius作用素の固有値を正規化したものは、
その隣接測度が、GUEに近づく

が主要な結果で、
RMTを使用するのはあくまで実の世界でした。

aka さんのコメント...

>Outliers in the spectrum of iid matrices with bounded rank perturbations
http://arxiv.org/abs/1012.4818

情報ありがとうございます。
この論文の参考文献に上げられていた、
Zeros of Gaussian Analytic Functions and Determinantal Point Processes
(http://stat-www.berkeley.edu/~peres/GAF_book.pdf)
わかりやすそうなので、基礎知識として眺めてみたいと思います。

匿名 さんのコメント...

そのGaussian0の本は私も眺めてみようと思ってツンドクになっていたとこです。

今日3回投稿したのだが、全て消えた。なんでだろ?
内容はMatilde Marcolliのレクチャーノート"Feynman Motives"について、このブログで
取り上げたことあったっけ?というもの。

匿名 さんのコメント...

CLTは足し算とルートnでの割りざんができれば、
すくなくとも定式化は可能だよ。
るべーぐ(Haar)測度のあるなしなんて、関係なし。
例えば、

"banach central limit theorem"
"functional central limit theorem"

でググッてみそ。多分、いっぱい出てくるから。
Banach space にるべーぐ(Haar)測度ないよね。

Q_pで証明されているかどうか?
可能かどうか、面白いかどうかはワタスは知らない。
(Openだったらラッキーかも。)

aka さんのコメント...

>CLTは足し算とルートnでの割りざんができれば、
すくなくとも定式化は可能だよ。

p進で、pベキの数で割るのは怖いなあ、
と思ったので実験してみました。

まずは、
n=p^kとして、
C(n,1):=n!/(1+n)/2)!((n-1)/2)!
のp進のノルムを計算してみると、
(ex. http://www.maths.gla.ac.uk/~ajb/dvi-ps/padicnotes.pdf Example 2.7の計算)
kになる。よって、
C(n,1)/nはp進単数。

同様に、
m:=((n+1/2)が整数と仮定して、
C(n,m):=n!/((n+m)/2)!((n-m)/2)!
のノルムを計算すると、やっぱりk。
よって、
C(n,m)/nはp進単数。

どうも、このことから、
p進Gaussianである、局所定数関数
に収束してもおかしくないですね。

匿名 さんのコメント...

ほう、計算したんですか。それは偉い。
現在の状況は私にはよくわからないが、手が届きそうならば、
ついでに証明をつけてみたらどうでしょう。
(未解決かどうかは私はもちろん知らない。ググってみないとわからんね。)

通常のCLTの証明方法は複数あると記憶してますが、
やっぱり一番ポピュラーなのは特性関数(=[逆]フーリエ変換)の方法でしょうか。

p進の知識はないので全く感が働かないのですが、
この場合はフーリエで行けそうなんでしょうか?
仮に行くなら、

(i)p進で測度に対してフーリエ変換があることを確認。

(ii)フーリエ変換が単射であることを示す。

(iii)フーリエ変換を通じて収束の構造が保存されるコトを示す。

(iv) ガウス分布のフーリエ変換を具体的に計算しておく。

(v)実際にフーリエ変換の各点収束を見る。

と行った感じでしょうか。
ところで、一番上の「論文の管理に便利」なヤツはいったいなんですか。

匿名 さんのコメント...

ルートnをルートnの整数部分に取り換えたら、楽になるんでしょうか?

匿名 さんのコメント...

えうぅぅぅ、投稿できません!!
ワタスをブロックしてるの(涙)??

匿名 さんのコメント...

さて、特に深い意味もなく、まったくの偶然から、
NL Schr\"odinger の論文を読んだんです。(aka氏は読まんでいいです。)


読んでいると、exponent $p$が特殊な値のときに
この非線形PDEは完全可積分系になると書いてあった。
NL-PDEに興味はないと思いますが、可積分系の観点からして、(たとえばKdVと比較して)これは面白いんでしょうか? あるいは、どれぐらいわかっているのか?

Title: On invariant Gibbs measures conditioned on mass and momentum
Authors: Tadahiro Oh, Jeremy Quastel
http://front.math.ucdavis.edu/1012.3432

aka さんのコメント...

>えうぅぅぅ、投稿できません!!
>ワタスをブロックしてるの(涙)??

なにもしてないけど、
おかしいですね。
第一、このブログの唯一の読者をブロックして、
私に何の得が。。。

匿名 さんのコメント...

実験。

職場からも、家からもなぜかダメなんだ。

匿名 さんのコメント...

いま、長めの文章を試したがダメでした。短い文章ならいいのか?