非可換形式的超スキームとしてのA∞代数
スキームでは、位相空間の上に上部構造として局所環構造を用いて、 圏及び関手の言葉で空間を定義していた。
A∞代数を、1点と、その形式的近傍に上部構造としてhomologicalベクトル場の付加した空間、
とみなして、rough pathとのつながりを見たい。
k:標数0の体として、C=VectZkをZ graded vector spaces/kのなすテンソル圏とする。
この圏に対して、関数環、distibutionに対応するものを定義する。
Cfを有限次元のArtin圏⊂Cとして、 AlgCfをunital有限次元代数の圏とする。
CoalgC、CoalgCfをcoassosive counital coalgebras(resp. 有限次元)の圏とする。
CoalgCはCoalgCfのind-objectsのなす圏とみなせ(Prop2.1.2)、
F:AlgCf→Setsなる有限射影極限と可換な共変関手はCoalgCで表現可能となる。(Th2.1.1)
すなわち、CoalgCfは有限スキームに対応することになる。
B∈Ob(CoalgCf)について、対応する関手をSpc(B)で表しnoncommutative thin schemeと呼ぶ。
X=Spc(B)はdistributionsに対応し、
O(X)=B∗Xは関数環に対応する。
特に、V∈Ob(C)に対して、TV=⊕∞n=0V⊗nをcounital cofree coalgebraとし、
coproductΔを入れ、Vform=Spc(T(V))をnon-commutative formal affine spaceと呼ぶ。(Ex2.1.3)
X=Spc(T(V))の次元をdimkVとして定める。
これは、dim(X)=nの時、O(X)≃k≪x1,…,xn≫ となることから、座標を決めた1点の近傍に対応する。(Def2.1.4)
1点pt:k→BXはO(X)→kに対応する。
(X,pt)をnon-commutative formal pointed manifoldと呼ぶ。(Def2.1.5)
X=Spc(T(V))上のベクトル場はBX=T(V)に対するderivationに対応する。
ベクトル場の全体Vect(X)はgraded Lie環をなす。
d∈Vect(X)が次数1かつ[d,d]=0を満たすとき、homological vector fieldと呼び、
(X,d)をnon-commutative thin differential-graded schemeと呼ぶ。(Def3.1.3)
(X,x0)がnon-commutative formal graded pointed manifoldの時、dがx0で消えるとは、対応するderivationがx0の像を消すこと。
((X,x0),d)がnon-commutative formal pointed dg-manifoldとは、(X,x0)がnon-commutative formal pointed graded manifoldかつdがhomological vecor fieldでx0で消えること。(Def3.1.2)
dのx0におけるTaylor展開をみて、homological vector fieldの条件を書くことで、non-unital A∞代数が定義される。(Def3.1.3)(X,x0)の接空間Tx0XをBXのprimitive elements全体とすると、
BX=T(V)の時、Tx0X≃V[1]となるので、dn=mn:Tx0X⊗n→Tx0X[1],n≥1が定まる。(次元はKoszul規約に合わせるためにずれる)
(V[1]=Tx0X,m1)は複体となる。