http://math.arizona.edu/~swc/aws/07/speakers/index.html
をみると、
Berkovich空間においてもポテンシャルやラプラシアンの概念が定義される。
path connectedな空間であるから、ここでブラウン運動を考えたくなる。
genus0の場合空間はfinite R-treeのlimitだから、それほど素性の悪いものではないだろう。
複素+p-adicの調和解析から、
adelicのなかの対角線成分として離散調和解析の性質を抜き出せるのではないだろうか?
という単純な動機。
一方、
Rigid geometryは、Grothendieck位相をいれて、点と開集合を調整していた。
rough pathは、一次のpathを制限し2次のpathを膨らませることによってえられるが、
代数的に抽象化できないものだろうか?
まずは、formal arc+formal Heisenberg groupのような形で
infinitesimalに定式化できないかみてみたい。
16 件のコメント:
could be a neat idea!
確かに、ポテンシャル論(ラプラシアン)あるところに、ブラウン運動(or random walk)ありだからねえ。
だれもやっていないという理由で、確率過程がないのであれば、「定義+基本性質の証明(+ポテンシャル論の定理の確率論的再証明)」ぐらいででネタになるかもね。
遠大なねらいがあればいいし、なくても将来運良くこの分野が勃興すれば、引用されまくりだ(藁)。
いつも、壮大な夢を語る傾向のあるaka氏にしては、今回は比較的着地可能そうなネタかもです。
ただ、私はリンク先の論文をちらっと一読しただけで、基本的にはRとC意外の体を理解してない人ですので、ここでの内容は責任持ちません。
したの、C-K Hopf algebraについてだが、、、
前回の投稿についてですが。
これは、rough path を検索してて、CK Hopf alg. にたどりついたのかい?
それとも、逆に先にC-K Hopf alg.を知っていたのでしょうか?
多分、後者だと推測しますが、、、
まあ、この路線は私も注目してますので、小ネタでもなんかあれば、情報おねがいします。
現時点の私ときたら、rooted tree を理解せねば、、、とか思って、ルンゲクッタって、「チンゲ食った」に似ているな、と思いながら、
「微分方程式の数値解法 I」三井斌友, 岩波講座応用数学
を、ひいひい言いながら読んでみている、という情けない状況です。
あと、このマニンの論文はおもしろそうですが、マニンを尊敬している(であろう)あなたの感想はどんなもんですっか? 一見、本気系の論文に見えますが。
>いつも、壮大な夢を語る傾向のあるaka氏にしては、今回は比較的着地可能そうなネタかもです。
秋の夜長の楽しみとして少し遊んでみたいと思います。
>多分、後者だと推測しますが、、、
はい、そうです。
C-Kについては、
motivicな対象で支配されるQFT
というのが、やはり面白そうなポイントですね。
現代数学のもたらした視点
- カテゴリー化
- 数論化
- 組み合わせ論
がいろいろ絡み合ってくるのではないでしょうか?
>あと、このマニンの論文はおもしろそうですが、マニンを尊敬している(であろう)あなたの感想はどんなもんですっか?
まだよくわかっていません。
たとえば、非線形な世界(大野克嗣)
では、世界のモデル化の視点で、
計算論、くりこみについていろいろ書いていますが、
マニンのそれとはまた異なっていますね。
職業プログラマとして日々行う作業は、
コルモグロフ複雑性の定数部分に過ぎないので、
計算論について深入りするつもりは、
実はないです。
例の件のでどころですが、
あやしいのは、このへんか?
ってことは、結構あたらしいネタなんでしょうか?
Kreimer, D.(D-MNZ-DP)
Chen's iterated integral represents the operator product expansion.
Adv. Theor. Math. Phys. 3 (1999), no. 3, 627--670.
Summary: ``The recently discovered formalism underlying renormalization theory, the Hopf algebra of rooted trees, allows one to generalize Chen's lemma. In its generalized form it describes the change of a scale in Green functions, and hence relates to the operator product expansion. Hand in hand with this generalization goes the generalization of the ordinary factorial $n!$ to the tree factorial $t^!$. Various identities on tree factorials are derived which clarify the relation between Connes-Moscovici weights and quantum field theory.''
例の件のでどころですが、
あやしいのは、このへんか?
ってことは、結構あたらしいネタなんでしょうか?
Kreimer, D.(D-MNZ-DP)
Chen's iterated integral represents the operator product expansion.
Adv. Theor. Math. Phys. 3 (1999), no. 3, 627--670.
Summary: ``The recently discovered formalism underlying renormalization theory, the Hopf algebra of rooted trees, allows one to generalize Chen's lemma. In its generalized form it describes the change of a scale in Green functions, and hence relates to the operator product expansion. Hand in hand with this generalization goes the generalization of the ordinary factorial $n!$ to the tree factorial $t^!$. Various identities on tree factorials are derived which clarify the relation between Connes-Moscovici weights and quantum field theory.''
前の投稿にあった Kapranov の論文が急に気になってきて、読んでみたよ。
うーーん、なんか凄そうだね。
これは、基本的に新しいと思っていいのでしょうか?(すなわち、Kapranov先生の独創か?)
かなり、刺激されました。
aka氏が、重複積分の数学に、私とは別個に興味を持っていたことがわかり、ビクーリです。
aka先生のこの論文に対する感想やいかに?
しかも、なんでこの人確率論にもくわしいのよ。まったく。
>Kreimer, D.(D-MNZ-DP)
>Chen's iterated integral represents the operator product expansion.
arXivにもありました。
C-K自体はここ10年くらいの話題ではないでしょうか?
treeの計算は、
統計力学(黒田、樋口)の7章にある
クラスター展開の計算と同様だと思います。
なので、アイデア自体は自然なものです。
Hopf代数という形で、普遍的な代数計算に持ち込んで、
さらにfactorizationと絡めて、
Riemann-Hilbelt問題の視点から眺めることができるようになったことが、
理論を透明にしている要因でしょう。
>しかも、なんでこの人確率論にもくわしいのよ。まったく。
私が、初めてKapranovさんの論文を見たのは、
Eisenstein series and quantum affine algebras
(http://arxiv.org/abs/alg-geom/9604018)
で、
ここで彼は、
有限体上のP1の連接層のなす
アーベル圏からRingel代数を定義して、
それがsl(2)のなす量子群の上半分
と代数として同型であることを示しています。
背景にあるのは、
"代数曲線の連接層から作られるアーベル圏"
が、
- 2次元以上のExtが消える
- serre dualityが存在する
という性質を持っていることです。
同様の性質を持つ、アーベル圏として、
hereditary algebraの有限次元加群のアーベル圏
があります。
すなわち、アーベル圏の代数的K群の0次をみると、Extの次元を見ることで、
自然に内積を入れることができますが、
これをCartan Matrixとみると、
アファインLie代数のCartan Matrixに対応して、
serre dualityあるいはalmost split sequence
が鏡映になります。
P1と対応するhereditary albegraであるkummer代数については、導来圏まで考えると、
同値な三角圏になります。
(面白かったので、これを
weighted projective curveとA1,n型の
hereditary代数の対応づけに拡張して
数論セミナーで話したことがありますが、
説明がうまくなかったためにあまり関心を持ってもらえませんでした)
有限体上の代数曲線として、
楕円曲線や高種数の曲線を見ようとすると、
ベクトル束の同型類の問題が出てきます。
楕円曲線の場合は、
Atiyahによりsemi-stableベクトル束
がrank,degreeを固定すると楕円曲線自体をmoduliにもつ、
と分類されていて、
(たとえば、Polishchukのアーベル多様体の本の14章、Vector bundles on Elliptic Curvesを参照)
対応するRingel代数も計算できます。
実際に、
The elliptic Hall algebra, Cherednick Hecke algebras and Macdonald polynomials
(http://arxiv.org/abs/0802.4001)
および
The elliptic Hall algebra and the equivariant K-theory of the Hilbert scheme of $\mathbb{A}^2$
(http://arxiv.org/abs/0905.2555)
で、詳しい計算と応用がなされています。
高種数の場合、具体的に連接層の生成元などを記述することはできませんが、
unramified automorphic forms
を考えることで、
母関数の計算ができます。
代数曲線の連接層を考える、
というのは、
幾何学的Langlands対応を念頭においているからです。
本来、
有限体上の代数多様体について、
関数と層にはGrothendieckの辞書
という対応があります。
ここでの層は構成可能層を考える必要があるのですが、
ここでは連接層で話をしています。
そのため、unramifiedなGalois表現に対応するautomorphic forms
を考えています。
すなわち、
Eisenstein級数
ということになります。
Rigel代数の生成元として、
Eisenstein級数を考え、
関係式を対応するL-関数の関数等式
として表すことで、Hopf代数の構造を示しています。
この話を、拡張するには、
方向性として2つあって、
1つ目は、
アーベル圏の生成元がはっきりしている代数多様体を考えること。
2つ目は、
Spec(Z)のような環について考えること。
ということになります。
1つ目の問題意識は、
P1がkummer代数と導来圏が同型になる、
ということに端を発します。
射影空間、
グラスマン多様体、
トーリック多様体、
といった、素性のよい部分代数多様体により
cell分割ができる場合が重要です。
アーベル圏の生成元と
Beilinsonの意味での対角成分のresolutionにより、
代数的K群の0次部分は計算可能です。
導来圏において、
本来偏屈層で行うt-構造を
連接層の範囲で定義することにより、
これらに対して、
quiver algebra上の加群のアーベル圏を
部分的に埋め込むことができます。
quiver algebraの表現のモジュライについては、
たとえば、
Moduli of representations of quivers
(http://arxiv.org/abs/0802.2147)
にあるように、
moduliは上記の代数多様体と同様、
トーラスアクションによりcell分割を持つので、
コホモロジー群などは、
原理的には、組み合わせ的に計算できます。
これが、
ホモロジー的ミラー対称性
によりDonaldson-Thomas invariant
と絡んでくる、
というのが、
重要な点です。
ex.
Cohomology of quiver moduli, functional equations, and integrality of Donaldson-Thomas type invariants
(http://arxiv.org/abs/0903.0261)
さて、
高次元の代数多様体について、
Ringel代数を定義しようとすると、
たとえ有限体上の代数多様体であっても、
Extが2次元以上で消えていないので、
うまく定義できません。
また、
有限体に限らない体上で考えたい場合にもRingel代数の定義ができません。
そこで、
Configurations in abelian categories. II. Ringel-Hall algebras
(http://arxiv.org/abs/math/0503029)
で、拡張がされます。
ここで、stability等の概念が見直され、
Stability structures, motivic Donaldson-Thomas invariants and cluster transformations
(http://arxiv.org/abs/0811.2435)
において応用されています。
一つ目の問題意識は、
空間を把握するのではなく導来圏の
普遍量を計算する、
という形で、より洗練された、
といえるでしょう。
しかし、現時点では、もともと主題にあった、
automorphic forms
という言葉はいつの間にか舞台から消えています。
Calabi-Yau圏でのautomorphic formsという言葉
を持ち合わせていないためです。
さて、二つ目の問題意識です。
Spec(Z)は、この上に連接層をうまい形で持つことができません。
Zariski位相は荒すぎます。
数論幾何ではそのためエタール位相をいれて、その上の層を考えるのですが、
エタールコホモロジー的には、
数体は3次元になります。
したがって、何らかの実3次元多様体
があって、それにまつわる代数を考えよう、
という発想になります。
この流れにあるのは、
a) Deningerによる3次元多様体+葉層構造
になります。
Arithmetic Geometry and Analysis on Foliated Spaces
(http://arxiv.org/abs/math/0505354)
Analogies between analysis on foliated spaces and arithmetic geometry
(http://arxiv.org/abs/0709.2801)
3次元多様体を使わず、直接代数を構成するのは
b) Bost-ConnesによるC*環
になります。
The Weil proof and the geometry of the adeles class space
(http://arxiv.org/abs/math/0703392)
いずれも、
Lefshetzのtrace formulaを基にして、
有限体上の代数多様体に作用しているフロベニウス作用素の類似を、
時間発展の作用、
として定義しようとしています。
ここにおいて、
もともとのKapranovの論文、
一つ目の問題の発展の仕方、
上記二つの拡張
のすべてに、
量子場の概念が見え隠れしていることに気づきます。
とくに2つ目の問題意識については、
積極的に量子統計場の言葉を使用しています。
KMS-stateだったり、von Neumann環だったり、C*環だったりします。
数体を与えて、
如何にして量子統計場を構成するか?
そして、そこから普遍量をどのように計算するか?
この問題意識のもと、
数論で応用するために足りないものを補充しよう、
というのが、
(お会いしたこともない人なので、あくまで私の偏見ですが)
Kapranovさんの一連の仕事の動機なのだと思います。
どうも丁寧にありがとう。
圧倒されました。しかも、私には代数がでてくるとまったくついていけません。aka氏の博識にまたもや、圧倒されました。
出張から帰ったtころで、猛烈に眠いので、詳しくは明日よみます。
出張先で某氏からあなたあてに、ことずてを得ました。Berkovich空間に興味を持っている人です。
でも、ここは2chラーにすでに把握されているので、そのうちメールします。
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