曲線のモジュライのコンパクト化に関係して、
- グラフの一つの辺が退化していくことを、Mumford curveの退化として記述できるだろうか?
という疑問がわく。
安直に考えると、
Discrete groups, Mumford curves and Theta functions
(http://archive.numdam.org/ARCHIVE/AFST/AFST_1992_6_1_3/AFST_1992_6_1_3_399_0/AFST_1992_6_1_3_399_0.pdf)
にあるtheta関数をΓから乗法群へのHomをとるだけではなくて、
Γ+から体へ0も許してmonoidのHomをとって、
log構造を考えればよさそうだ、
と想像できる。
では、曲線の退化をlog構造で記述するためのわかりやすい説明はどこかにないだろうか?
まずは、
Logarithmic geometry
(http://folk.uio.no/rognes/yff/ogus.pdf)
で勉強してみることにする。
もしこれができたら、対応してBerkovich空間が構成できるかどうか?という問題が生じる。
また、
curve全体では面倒そうなので、超楕円曲線に限ってモジュライを考えるとすると、
periodの性質を見ないといけない。
"Schottky Groups and Mumford Curves"(Gerritzen & van der Put)p282
にWhittaker groupがtotally split hyper elliptic curveに対応する
という記述があり、
Universal periods of hyperelliptic curves and their applications
(http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1002-9.pdf)
に超楕円曲線の場合の退化が記述されているので、
これをみてみることにする。
また、
Tata lectureⅡ(Mumford)にあるThomae formulaを
EXPLICIT MUMFORD ISOMORPHISM FOR HYPERELLIPTIC. CURVES
(http://www.math.leidenuniv.nl/~rdejong/Mumford2.pdf)
により復習することにする。
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Log smooth deformation and moduli of log smooth curves
http://www.math.kyoto-u.ac.jp/~kato/Data/moduli.pdf
が参考になりそうだ。
Coverings in p-adic analytic geometry and log coverings I: Cospecialization of the (p')-tempered fundamental group for a family of curves
http://arxiv.org/abs/0909.2805
に、log退化を含めた曲線族の話があった。
3 件のコメント:
今日はひさしぶりに生協の本屋に洋書を立ち読みに行った。Wolfgang Woess のRWの本がなぜかおいてあった。
Random Walks on Infinite Graphs and Groups, Wolfgang Woess
http://search.barnesandnoble.com/Random-Walks-on-Infinite-Graphs-and-Groups/Wolfgang-Woess/e/9780521552929/?itm=1&USRI=woess+random
例の論文が念頭にあったので、パラパラとみると、Martin boundary of hyperbolic graphs という章を発見。
どうも、 Anconaという人がそういったことを昔に研究したようだ。
KGM論文をかりにこの場合に拡張したとして、なにか面白みのある意味付け、解釈はあるのだろうか。ってか、そもそもhyperbolic graph のマーチン境界ってどんな集合なんだ?
ちなみに, Fuchs群上のRWみたいなものも書いてあったようだが、立ち読みでよく読んでないので、内容は不明。
Random Walks on Infinite Graphs and Groups, Wolfgang Woess
これ参考文献にあったので買いました。
*Martin境界がどんな集合か?
これは場合によりけりで、いろんな集合になりえます。
ex.
Cantor set(genus 2の8の字グラフをspecial fiberのdual graphにもつMumford curveの場合)
Norm=1の元(shimura curveの場合)
だから、問題意識として、
離散群を与えてその極限集合が何か、
というものがまずあります。
次に、いつ極限集合がMartin境界になるか?
ということが問題になりますが、
KGMの論文8.xの例にあるように、
幾何から来る場合はなりそうです。
Boundary of herperbolic group
by Ilya Kapovich & Nadia Bebakli
というサーベイをネット検索で発見。誰でも落とせると思う。もろもろの境界概念が紹介、整理されている。
Hyperbolic bdry (測地線の同値類から決める)と、Poisson (Martin) bdry (調和関数の概念を抽出して定義)は少なからぬ場合に一致するようではある。
hyperbolic群のbdry の例として,
簡単な場合は、 Cantor set, S^1,
Sierpinski carpet, Menger setなどなどが書いてある。
こういったケーリーグラフの場合に、どこまでKGM流の論法は拡張可能なのか? たとえば、これでMenger set (なんじゃ、そりゃ?)に、ジャンプ型の確率過程を構成したら手柄なのだろうか。または、S^1上に作ったら、やっぱりダグラス積分からでてくるのと、同値なんかいな? もしくは、aka氏が興味を持ちそうな集合が境界として現れる場合に、KGM論法は拡張可能でせうか。
とりあえず、KGM論法をなんでもいいからTreeと同値ではない場合に拡張できるのを示したら、ささやかかもしれないが、論文1本分になりそう。もちろん、それだけで終わってしまったら、こころざしが高いとまでは言えないが。(もっとも、それの難しさもやってみないとわからんので、現時点では余計なことはいえないですね、はい。)
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