2011年12月26日月曜日

タウ関数と行列積分

Matrix Models, Complex Geometry and Integrable Systems
http://arxiv.org/abs/hep-th/0601212v2

最初に直交多項式とToda-flowの関係を1-matrixの記述で説明している。
この記述は解り易い。

Matrix integrals, Toda symmetries, Virasoro constraints and orthogonal polynomials
http://arxiv.org/abs/solv-int/9706010v1

Toda-flowを用いて、簡単な場合の直交多項式について、
佐藤グラスマン多様体における流れを具体的に記述している。
とくに、Virasoro constraintsの導出を行っている。
また、タウ関数を行列積分の形で書いている。

パンルヴェ方程式(野海)
アファインルート系から、有理関数体の双有理変換群として、
対応する拡大アファインワイル群の作用が実現できる。
その中で並進に対応する部分はアーベル群であり、
一つのタウ関数の軌道がルート格子におけるタウ関数となっている。
とくに、A_1^{1},A_1^{2}型の場合が、
パンルヴェ方程式の2、4型に対応する。

Application of the τ-Function Theory of Painlev ́e Equations to Random Matrices: PIV, PII and the GUE
http://arxiv.org/abs/math-ph/0103025v1

Painleveの2,4型の場合の対称性についての記述。
A型のアファインワイル群の対称性を持ち、4型はHermite関数、2型はAiry関数を解に持つ。
U(N)の固有値の存在しない区間の確率をタウ関数を用いて表し、
極限がパンルベ方程式の解を用いて記述できることを示している。

RANDOM MATRICES AND PERMUTATIONS, MATRIX INTEGRALS AND INTEGRABLE SYSTEMS
http://www-math.univ-poitiers.fr/~vanhaeck/Pierre/art/29.Bourbaki_random.pdf
行列積分と戸田階層、ランダム行列についての2000年前後のサーベイ。

結局、タウ関数といった時に、
Boson-Fermion対応を通して、Boson側で見た時間の関数としてのタウ関数と、
それをHilbert空間の基底として、(もしくはformalにfiltered vector spaceの代表元)
時間の流れがKP階層なりToda階層なりに従っている場合に
代表元の関係式を表して全体としてタウ関数という場合の
二通りがあって、
意味が分かりにくくなっていたと理解した。
やっと、モノドロミー保存変形ででてくるタウ関数と、
テータ関数の親玉として出てくるタウ関数が、意味合い的には同じであることが納得できた。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Info: こんなのは、どう?

Double Aztec Diamonds and the Tacnode Process
Mark Adler, Kurt Johansson, Pierre van Moerbeke

http://arxiv.org/abs/1112.5532

匿名 さんのコメント...

Info2:

Random Riesz energies on compact Kähler manifolds
Renjie Feng, Steve Zelditch

http://arxiv.org/abs/1112.3993

aka さんのコメント...

Airy Processとかの方は、まだ勉強していないので何とも。
よい入門用の文献あれば教えて下さい。