2012年1月8日日曜日

無限積を持つ保型形式とテータ積分

Enriques surfaces and root systems
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~mukai/paper/Kinosaki_proc3.pdf

エンリケス曲面はTorelli型の定理が成り立つので、
偏極Hodge構造で同型類が定まる。

エンリケス曲面でE7の対称性を持つもののモヂュライと
Siegel3-foldとの幾何的対応が、
genus2の曲線->curveのJacobianで定まるアーベル曲面->対合を取ってblow-upによる楕円K3曲面->対合を取ってE7-Enriques曲面
で定まる。
モジュライに適当なレベル構造が入ったとして、保型形式を具体的に作る方法として、
ひとつはBorcherdsによるΦ関数がある。
これは、analytic torsionと見なせる。

On the value of Borcherds Φ-function
http://www.fields.utoronto.ca/programs/scientific/11-12/CalabiYau/Yoshikawa.pdf
Singularities and Analytic Torsion
http://www.las.osakafu-u.ac.jp/~kazuko/kyoto2011/PDF/Yoshikawa.pdf

* theta liftingにより無限積を持つ保型形式を作る
Infinite products in number theory and geometry
http://arxiv.org/abs/math/0404427v1

Chow群に値を取るHeegner divisorのgenerating functionを定義して、
それが、Eisenstein seriesとなることを説明している。
主要な手法は、theta積分で、この部分を、どのように解釈すればいいのかがよくわからない。
表現論的には、Howeのdual reductive pairの話になる。

Picard groups of Siegel modular threefolds and theta lifting
https://www.math.lsu.edu/~hoffman/tex/toronto/siegelthetalift.pdf
では、Siegel threefoldのPicard群の生成元をLefshetz classとtheta liftingからくる部分に分けて、
後者に対応する因子が、Humbert surfacesとなることを主張している。


* theta lifting
Introduction to theta liftings
http://www.math.mcgill.ca/goren/Montreal-Toronto/Getz.pdf

* geometric theta lifting
Moduli of metaplectic bundles on curves and Theta-sheaves
http://arxiv.org/abs/math/0405021v5

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テータ積分がでてくるところを理解するためのキーワードとして、
BPS状態、壁越え、
があるようだ。
(
BPS states and algebras from quivers
http://arxiv.org/abs/hep-th/0006189v3
では、“correspondence product.”
という概念があって、それはほとんどRingel-Hall algebraと書かれている。とりあえず、そのまま受け入れてみる。

Quiver varieties, affine Lie algebras, algebras of BPS states, and semicanonical basis
http://arxiv.org/abs/math-ph/0206012v1
では、クライン型特異点を持つ2次元orbifoldの連接層の安定性の話とBPS状態をみていて、root系の言葉で記述している。

BPS states, crystals and matrices
http://arxiv.org/abs/1106.4873v1
では、トーリックCalabi-Yauの場合に、
行列積分の中にテータ関数をいれてユニタリ群上でテータ関数を積分している。(5.2)
これは、フェルミオンの期待値を計算することに相当する。

BruinierのLNM1780の設定では、
1次元上半平面*格子のGrassmann多様体の上の関数を核関数
として、テータ積分を作っていたが、Grassmannのほうは、
壁越えのおこる空間で、BPS状態がHeegner divisorに対応するのだろう。
一方で、アーベル曲面のmoduliとしては、Heegner divisorは自己同型が能う限り大きくなる部分であるから、
多分、BPS状態のcoherent性と見て納得がいくのだろう。
ただ、Heegner divisorが算術的Chow群の元と見ても整合的なのは、数論性がさらに深い意味を持つということなのだろう。

色々な概念が絡み合っているようだが、
どこに重点を置いて整理、理解すればよいだろうか?
)

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