2012年11月6日火曜日

サマースクール 復習 その21

SERRE-TATE LOCAL MODULI
https://web.math.princeton.edu/~nmk/old/serretatelocmod.pdf

標数pの世界から標数0の世界に持ち上げる、ということを問題にする。
一番簡単な場合は、group schemeであるが、
変形を持たないschemeの場合は面白くない。
そこで、abelian schemeの持ち上げが問題となる。
標数pの完全体k上のabelian schemeと
W(k)上のabelian schemeの比較を行うことが目的となる。

そのために、
Th1.2.1(Serre-Tate)で、
R: pがnilpotentな環
I:Rのイデアル
R0=R/I
に対して、
R上のabelian schemeの圏と、
R0上のabelian scheme + R上のBarsotti-Tate group + R0上でのabelian schemeとBT groupの同型写像のなす圏、
を定義して、両者が圏同値であることを示している。

この圏同値が有効に利用できるのは、標数pの体k上のordinary abelian varietyの場合で、
- dual abelian varietyの存在
- etale partのunique lifting
- troidal partとetale partのdualityによる対応
を用いて、
Th2.1が示される。
すなわち、formal deformation spaceにはformal torusの構造が入り、
W(k)上、その原点に対応するcanonical liftingが存在する。
さらに、
canonical liftingのEndomorphismsはreductionのEndomorphismsとbijectiveになる。

背後にあるのは、複素数体上では、アーベル多様体の複素Lie群の構造から、
1-jet(あるいはAtiyah-class)をとると、
不変微分型式のなすベクトル空間によるextensionが存在し、
Hodge構造によるcohomologyの分解となっている、
そして、それはGauss-Manin connectionに対応している、ということ。
Barsotti-Tate groupの場合は、接続に対応してCrystalが構成でき、
さらにCrystalline cohomologyに入るp進Hodge分解によるFiltration
が対応する。

それを、Kodaira-Spencer mapとして具体的に記述しているのが、
Th3.7.1。
deformation space上のformal abelian schemeの1次元de-Rham cohomology
のHodge分解と、Frobenius写像の持ち上げの作用をみる。


http://math.stanford.edu/~conrad/papers/notes.pdf
12. Applications to p-divisible groups and finite group schemes
Theorem 12.1.5 (Grothendieck-Messing)


"The Crystals Associated to Barsotti-Tate Groups"(Messing)
http://math.arizona.edu/~cais/scans/Messing-The_crystals_associated_to_Barsotti-Tate_groups/5.pdf
では、Appendix Prop3.2,3.3で
ordinary elliptic curveの場合の議論をしている。

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