2013年8月9日金曜日

p-divisible groups その3



* p-divisible group
- p-divisible groupの定義
- 完全体上での性質
- p:locally nilpotentの底空間上のp-divisible groupの変形と持ち上げ
- 一般の底空間上のp-divisible groupの分類のための、display, window, frame, 
- Grothendieck-Messing crystal
- universal vector space
- Dieudonne加群、Crystalとの対応

* p-divisible groupの一つの定義
p-divisible groupの一つの定義
- formal group Gが次の3つの条件をみたすこと
a)p倍写像が全射(p-divisible)
b)p倍写像の核が有限群スキーム
c)p-torsion

* formal groupに対する操作
- nilpotent algebra上の関手としての表現
formal schemeとしての表現
- 原点におけるcompletion
nilpotent idealで割った値がzero-sectionになるような表現関手として定義される。
原点におけるcompletionは常にformal Lie groupになる。
- hyper algebra
R上のp-divisible group G=Spf(C)に対して、
hyper algebraを H_{G}=Hom(C, R)と定義すると、これはaugmented algebraの構造が入る。
N->(GmH_{G})^(N)という関手が定まり、formal groupになる。
- hyper algebraのGroup-like elementからのGの値点の復元
G=Spf(C)として、
G(N)=Hom_{continuous algebra)(Cのaugmented ideal, N)
により、
G(N)->(GmH_{G})^
という単射が定まる。
この中でgroup-like elementsがGの値点になる。
- Lie代数
nilpotent algebra Nに対して、N^{2}=0をいれたalgebra上の値を対応させる関手として、
Lie代数が定義される。
- exponential map
Q上の代数に対しては、形式的にexponential mapが定義でき、nilpotent algebra上では有限和となる。
G(N)->(GmH_{G})^という埋め込みにより、写像の定義はGmH_{G}上で定めれば良い。
- divided power
pが可逆でないような代数に対しては、
nilpotent divided power付きのnilpotent algebra上でexponential mapを定義することができる。
- Grothendieck-Messing exponential
G:strictly pro-representableなformal groupに対しては、
LieG(N)とG(N)はexponential mapを通してisomorphism。

* p-divisible formal groupとconnected p-divislble group
- これは同値
- p-divisible groupに対して、原点でのformal completionによりconnected partを取り出せる
- connected p-divisible groupにはLie groupの構造が入る
     formally smooth

* p-divisible groupに対する操作
- 順像(?)
f:S->R, 環準同型によって、
S上のp-divisible groupをR上のp-divisible groupに制限することができる。
- 持ち上げ
R上のp-divisible groupをS上に持ち上げることができるか?
持ち上げ方にどの程度の任意性があるか?
という点が問題になる。
そのため、
Step1. 完全体上でp-divisible groupを線形的なデータで記述できることを見る
Step2. universal vector extensionを構成する
Step3. (Dieudonne) Crystalを構成する
Step4. nilpotent crystalline site上からcrystalline site上にcrystalが拡張できることを見る
(Step5. Frobenius射が全射となっている環上でA_{cris}を構成し、その上でcrystalからDiuedonne加群を構成する)
という手順がとられる。

* 完全体k上のp-divisible group
- W(k):kのWitt環に対して、F,Vの作用が入ったDieudonne加群が定義される
- G->M(G): Dieudonne加群の対応はp-divisible groupと有限自由Dieudonne加群との(反)同値
- 高さhのp-divisible groupはrank hのDieudonne加群に対応する
- Gの余接空間はM(G)/FM(G)とk-vector spaceとして同型
     (smoothな場合は)Gの次元は、length(M/FM)と同じ。
- G:connectedとFがtopologically nilpotentであることは同値
- G:etaleとF:bijectiveは同値
- Mはkのbase changeと可換

* Witt covector
0->Z_{p}->Q_{p}->Q_{p}/Z_{p}->0
という完全系列は、
Z/p^{n}Zの逆極限と順極限それぞれを取ってのextention。
その拡張として、finite Witt group schemeの逆極限、順極限を取ってのextensionとして、
Witt vectors, Witt bivectors, Witt covectorsのなす、
0->W(A)->BW(A)->CW(A)->0
という完全系列がある。
- M(G):=Hom(G,CW)
として、完全体上のDiuedonne加群の拡張が得られる。

* display
- display
完全体上のMに対して、pM⊂FM⊂M、VMに対応する性質を抜き出して、
(P,Q,F,F1)という4つ組として、displayが定義される。
displayに対して、height, dimension, Lie代数が定義される。
- nilpotent displayという概念が定義される
p:nilpotentを満たす環の上でnilpotent displayからformal p-divisible groupへの関手が定義され、同値。

LECTURES ON p-DIVISIBLE GROUP

TRAVAUX DE ZINK

15 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

クソ暑いですね。ワタスも9月末に東京に逝くことにしますた。その際はよろしく。

==========
P.S.
この路線は表現論の鬼であるaka氏的にはどうですか?

Geometric RSK and the Toda lattice,
Neil O'Connell
http://arxiv.org/abs/1308.4631

aka さんのコメント...

こちらこそよろしくお願いします。
>表現論の鬼
誰ですか、これ?
私は表現論の論文は読んだことないですよ。

>Geometric RSK and the Toda lattice
classical Toda + noise = quantum Toda
この考え方、好きです。
ここで、noiseと書いているものを、
nilpotentな圏での持ち上げとして解釈したい、
という思いがあります。
すなわち、
クリスタリンな考え方と、確率解析の類似ですね。
Hodge構造をラプラシアンの固有値を探す、
という形で捉えると、上記の類似もむべなるかな、
と思えます。
根源的な圏があって、その上でコホモロジーまでいってしまうと表に出てこないのだけれど、
途中に付随する構造として捉えられるもの、
という認識です。
今の場合、
戸田はアファインな場合のフラグ多様体
の話だと思うので、背後にはDG圏がいますね。

匿名 さんのコメント...

http://poll.pollcode.com/p6es9_result?v

2014 Fields Medal

あなたのご意見は?

aka さんのコメント...

>あなたのご意見は?
もう40才超えたし、興味ないです。
といいつつ、
P.Sholtze
さんには頑張って欲しいです。

匿名 さんのコメント...

その人はこのOpen Journalの記念すべき第1号論文を書いた人ですか?

http://journals.cambridge.org/action/displayAbstract?fromPage=online&aid=8920245

aka さんのコメント...

>その人はこのOpen Journalの記念すべき第1号論文を書いた人ですか?

はい、そうです。
すごい人ですね。

匿名 さんのコメント...

http://www.icm2014.org/en/news/notices?menu=notice&mode=view&idx=23&pageNo=1

aka さんのコメント...

>http://www.icm2014.org/en/news/notices?menu=notice&mode=view&idx=23&pageNo=1
情報どうもありがとうございます。

こころなしか、日本人の数が少ないようにみえますね。
英語だからでしょうか。

匿名 さんのコメント...

まあ、それは仕方ないよね。講演者を決めるのはオーガナイザーの一存で、審査があるわけじゃないので、コネによる部分がどうしてもおおくなる。

日本人は世界の数学コミュニティーから孤立しているからね。

匿名 さんのコメント...

最近出たスペクトル幾何の本を眺めていたら、次のサーベイが見つかった。

orbifold and their spectra, by carolyn gordon

http://books.google.co.jp/books?hl=ja&lr=&id=YoLsaUflML4C&oi=fnd&pg=PA49&dq=orbifold+and+their+spectra++carolyn+gordon&ots=VJXRWtZ_X9&sig=Yq-s6P84yeJFtLLCKAhKjSyQQNU#v=onepage&q=orbifold%20and%20their%20spectra%20%20carolyn%20gordon&f=false

オービフォールドなんて解析にはあまり出てこないのでしらないんだけど、aka氏はきっと知ってるよね?

Orbifold上のブラウン運動って聞いたことないのけど、ありうると思う?

aka さんのコメント...

>Orbifold上のブラウン運動って聞いたことないのけど、ありうると思う?

多様体を有限群で割ったつもりになったものがOrbifoldなので、
モジュライを考えるとそれこそ殆ど至るところに現れます。
例えば、楕円曲線のモジュライはアフィン曲線ですが、
これを複素数体上で見ると、上半平面をSL(2,Z)で割ったものになるので、
正方形の楕円曲線、正三角形2つからなる楕円曲線に対応する点は、自己同型群の分だけ、空間が尖っています。

素朴には、Orbifold上のブラウン運動という場合は、
それを表現するモジュライ関手を考えて、
その関手に対して確率的な要素を取り入れるのが、
定式化する分にはよさそうです。
つまり、自己同型の分まで動かす、という部分ですね。

一番単純な例だと、
実直線上のブラウン運動を、
絶対値をとった半直線上での運動とみなすと、
原点のみ分布関数が他と異なっていますね。
これを面白いと見るかどうか。。。

aka さんのコメント...

>carolyn gordon

lectureのslideがありました。
http://www.math.dartmouth.edu/~specgeom/minicourselec2.pdf

さて、私の確率積分に対する興味(といっても殆ど知らないですが)の一因は、

Kapranovの
Formal loops IV: Chiral differential operators
http://arxiv.org/abs/math/0612371
にある、
(0.4) The main change of variables formula of [MSV], [GMS1] which led to (0.2.1), is somehow analogous to the famous Ito formula in the theory of stochastic inte- grals [McK]: in both cases it is the second derivatives of the transformation functions which make their way into the place where one normally expects first derivatives only. In fact, the fields a(t),b(t) are remindful of the Brownian motion, so the problem of constructing sheaves of CDO is analogous to that of constructing the Brownian motion on a curved manifold [E]. One cannot help noticing further simi- larities between the normal ordering used in [GMS1-2] to regularize the meaning of the X-valued a(t),b(t) and the anticipatory choice of the middle point in the Rie- mann sums approximating the Ito integrals [McK]. In both cases a different choice of regularization (say, the symmetric one) is a priori possible but it would change the answer in a not so essential way.

という指摘にあります。
伊藤積分が通常の積分の変換公式と異なる理由が、
Free loop space におけるgerbeとしての変換則とみなせる、という解釈ですね。
FORMAL LOOPS II: A LOCAL RIEMANN-ROCH THEOREM FOR DETERMINANTAL GERBES
http://arxiv.org/abs/math/0509646
で、実際にdeterminant gerbsの変換則をみていますが、
この辺り、確率面積がブラウン運動で重要な値であることと、対応して理解したいです。

gerbesは、
定義からして、
自己同型とか考慮に入れなくてはいけないので、
むしろ、
確率積分を代数的に抽象化して、
free loop spaceに対応概念を翻訳して、
orbifoldもしくはstack上のfree loop spaceを定義して、
対応概念をそのまま移行させたほうが、
楽しそうですね。

匿名 さんのコメント...

ワタスのごく素朴な疑問に、また超高度なご回答ありがとうございますた。カプちゃんの件など、次回会ったときにご教示ください。

aka さんのコメント...

9/28(土)は、毎月恒例の食事会があるので、
サマースクールの後、ご一緒にどうでしょうか?

匿名 さんのコメント...

それはどうもです。他の人たち(誰?)がいやがらないという条件が満たされた場合には、ぜひ参加させてください。