局所体の絶対Galois群
[Weinstein]では、局所体の絶対Galois群を、ある幾何的対象の幾何学的基本群と見なせることを示している。
(この幾何的対象は、Fargues-Fontaine曲線となる。)
幾何学的基本群であるから、base pointをひとつ決める必要があるが、
その決め方は、局所体の代数的閉包に依存している。
局所体E/Qp に対して、
(この幾何的対象は、Fargues-Fontaine曲線となる。)
幾何学的基本群であるから、base pointをひとつ決める必要があるが、
その決め方は、局所体の代数的閉包に依存している。
局所体
- 代数的閉包を取る。そのp進完備化を
C とする。 OE の素元π を取り、対応するLubin-Tate拡大E∞ を取る。この時点で、GalE∞/E⋍O×E が定まる。(local class field theory)SpfOE 上のformal group、Lubin-Tate formalOE -moduleH=HE を定める。SpfOE 上のformal schemeH に対して、そのπ の乗法に関するinverse limitとしてのuniversal coverH~E=limπHE をSpfOE 上のformal schemeにおけるE -vector space objectとして定める。OC に引き戻しadic generic fiberをとり、perfectoid space(Prop3.2.2)H~adE,C を定める。
すると、H~adE,C∖{0} 上のE× -equivariant finite etale coversとfinite etale E-algebrasが対応する。(Th4.0.10)
π に対する依存性は途中のFrobenius作用素への分解で吸収される。- tiltingはperfectionなので、canonical。
π に対する依存性は消える。 - perfectoidにおいてFrobenius作用素はisomorphism。(lem4.0.9)
なので、open unit discをE に依らない普遍的な対象と思うと、
- open unit disc
H~adC にSpfOE 上のE -vector spaceの構造を定める E 上のmodelH~adE を定める(Prop4.2.1)
を前提として、
上の手順は、
上の手順は、
E× -equivariant finite etale coversの圏を定める
という部分と、
GalE∞/E⋍O×E という同型をひとつ定める
という部分に分解される。
E× 作用とGalois群のO×E を通しての作用に整合性がある、ということが、最初に代数閉体を固定し手順を進めることに対応する。
この整合性は、Galois群の同型からgeometricityを導く条件と同等になる、
という意味で、局所体の絶対Galois群に対する正則構造を定めている、
と思える。
この整合性は、Galois群の同型からgeometricityを導く条件と同等になる、
という意味で、局所体の絶対Galois群に対する正則構造を定めている、
と思える。
geometricity
局所体の1次元Galois表現、すなわち指標について、
- inertially equivalentの定義
- 円分指標の定義
- 体の埋め込み
σ:E⊂k に対して、Ok の素元π を取り、対応するLubin-Tate拡大k∞ に対応する指標をNorm mapで落とすことにより、χσ,π:Gk→E× が定まる。 - 指標がof qLT-typeという定義
- 指標がof 01-typeという定義
がある。([TopⅠ]Def3.1)
名前 | 定義 | 引用 |
---|---|---|
HT-preserving | Hodge-Tate表現の引き戻しがHodge-Tate | [absLoc]Def1.3 |
of HT-qLT-type | 拡大体に対応する開部分群の引き戻しがLT指標を保つ | [absLoc]Def1.3 |
geometric | 同型が体の同型から得られる | [TopⅠ]Def3.1 |
of qLT-type | of qLT-typeの指標の引き戻しがof qLT-type | [TopⅠ]Def3.1 |
of 01-qLT-type | of qLT-typeの指標の引き戻しがof 01-type | [TopⅠ]Def3.1 |
of HT-type | 代数閉体のp進完備化への群作用のHodge-Tateを保つ | [TopⅠ]Def3.1 |
of CHT-type | of HT=typeかつ円分指標を保つ | [TopⅠ]Def3.1 |
RF-preserving | 上付き分岐群を保つ | [TopⅠ]Def3.6 |
uniformly toral | toral portionのp進logでの位置がp進付値内で一様に有限の誤差となる | [TopⅠ]Def3.6 |
使用される性質は、
- 有限次元ベクトル空間では開部分空間=全体([pLoc]lem4.1)
- Hodge-Tate表現か否かおよびその重みは群論的に導出できる
- inertially compatible([absLoc]Def3.1)な体の同型は同じ([absLoc]lem3.2)
疑問
- p進局所体におけるFrobenioidは、Fargues-Fontaine曲線を幾何学的実現として持つ、と理解することができるか?
- そうであれば、大域化して、局所体上の双曲的曲線におけるFrobenioidの幾何学的実現を定義できるか?
- Lubin-Tate拡大をnon-abelian Lubin-Tate拡大に一般化して、正則構造の一般化(あるいは、hyper-Kahler構造)を定義できるか?
- 複素数体上では、Anguloidにおける
S1 作用と複素数体内のS1 との整合性が対応すると思える。そうすると、複素数体上でのFargues-Fontaine曲線の対応物が存在するような気がしてくる。頂点作用素代数を作用素環的に見る見方とAngurloidの関係はあるのか?
参考文献
- [absLoc]absolute_galois_groups_of_p-adic_local_fields
- [pLoc]A Version of the Grothendieck Conjecture for p-adic Local Fields
- [TopⅠ]Topics in Absolute Anabelian Geometry I
- [Weinsten][
Gal(Q¯¯¯¯p/Qp) as a geometric fundamental group] (http://arxiv.org/abs/1404.7192v1)
Written with StackEdit.
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