2015年10月7日水曜日

サマースクール復習(2015)その5

ThetaⅢ(Mumford)

Tata3 
では、テータ関数について、
  • アーベル多様体の普遍非覆面と周期に関する正則関数の側面(Cor2.6)
  • Heisenberg群とMetaplectic群の(既約)表現の行列要素という表現論的側面(Cor2.4,Prop8.8,Cor8.9)
  • ample line bundleのsectionとして、射影空間への埋め込み、特に2次超曲面の共通零点としてテータ零値を用いて係数が書けるという代数幾何的側面(Prop3.2,Prop5.11,Th10.6,Cor10.13,Th10.14)
が説明されている。
Heisenberg群の表現としては、Stone-Von Neumann-Mackeyによる既約ユニタリ表現の一意性が、局所コンパクトアーベル群の中心拡大に対して成立する。また、アーベル群を実、有限、有限アデールとして、アーベル群の埋め込みと表現が整合する。 
これから、テータ関数のシンプレクティック的側面、複素解析的側面、代数幾何的側面を、Heisenberg群の表現の行列要素の観点から、統一的に見ることが出来る。(p89, AppendixⅡ)

量子化

テータ関数の性質を、幾何学的量子化の観点で見ると、 
物事が透明になる。 
(Pre BRST)量子化は、 
シンプレクティック多様体(M,ω)から、 
- ヒルベルト空間H 
C(M)Op(H)という作用素の対応 
を行うもの(1.1 The Framework)。

偏極

Hの与え方として、
  • 前量子化データ:M上の複素直線束Lとユニタリ接続の組で曲率がシンプレクティック形式と整合しているもの
  • 偏極F
からQ(M)=HF={sΓ(L)|F(s)=0}(1.12)として定める。 
偏極の与え方としては、 
- 実偏極 
- 複素偏極 
がある。

実偏極にまつわる概念(1.2)

  • Bohr-Sommerfeld Lgrangian cycle(Def1,2)
  • Lagrangian fibration π:MB
  • Hの射影化は(M,ω)のみに依存し、Lagrangian fibrationに依らない

複素偏極にまつわる概念(1.3)

  • 複素構造IとKahler計量
  • 射影空間への写像ϕ:MIPH0(M,L)(1.26)
  • ϕの像をcohemrent statesと呼ぶ
  • 複素構造に対する依存性は射影平坦接続の存在の有無で測ることが出来る(1.29)
  • extended Kodaira-Spencer theoryにより、H0(MI,T1,0)=H1(MI,O)(1.47)の下でWelter’s tensor(1.40)があると、正則射影接続が存在する(1.74,1.80,1.86)(cohomological heat equation)

perfect quantization(1.6)

  • (1.100)を満たす時、perfect qunatizationと呼ぶ
  • 実偏極、複素構造に依存せずにHilbert空間が定まる
  • canonicalに基底(Bohr-Sommerfeld basis)が定まる

U(1) 直線束のmoduliの場合

手順としては、2.6 Perfect quantizationにあるように、 
リーマン面のJacobian、あるいはより一般化して、 
主偏極アーベル多様体Aに対して、
  1. U(1)gと基点0によりπ:ATgのzero-fiberと同一視する
  2. δ関数θR0をFourier級数として定める(ThetaⅢにおけるeZ)
  3. 周期ΩによりCST(coherent state transform)を定める。これは熱方程式となる。
  4. CSTにより、θR0を境界値とする熱方程式の解を求めると、これがテータ関数で、U(1)gの複素化Cg上の関数となる
  5. 周期Ωから被覆、CgAを構成し、直線束O(kΘ)の切断をCg上の(保型)関数と解釈する
  6. テータ関数を直線束の切断とみなす
として、直線束の切断を構成している。 
(複素構造の変形と直線束の変形の関係を結びつけるのは熱方程式だが、 
CSTとして理解できる。)
  • CST(coherent state transform) (2.48),(2.49)
  • 主偏極アーベル多様体はテータ関数によるperfect quantizationを許す(2.6 Th1)
  • Bohr-Sommefeld wave spaceは実偏極によらない(2.6 Prop4)

SU(2) rank2 ベクトル束の場合

  • Hitchin’s connection(3.8)
  • WZW-connection(5.2)
  • Kahler量子化はsuccessful(3.8 Th2)
  • Delzant model(4.4)
non-abelian テータ関数の場合も、abelianと同様の手順を踏んで(7.2)、 
Schottki空間上のテータ関数を構成できる。(Prop25, 7.23, 7.25, 7.26)
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2015年9月8日火曜日

サマースクール復習(2015) その4

一般相対性理論

相対性理論(佐藤勝彦)によると、
  • 物理法則がローレンツ変換で不変であることを特殊相対性原理と呼ぶ
  • 座標変換で不変であることの要請から物理法則は共変形式で記述されなければならない
  • 運動方程式は変分原理から求めることが出来る(場合が多い)
  • 重力はチャージに働く力と異なり、”質量”を持つあらゆるものに働く
  • 一般の座標変換では、平行移動によりアフィン接続係数のお釣りが来る
  • アフィン接続係数の物理的な意味付けが等価原理で、アフィン接続係数が局所的に消える座標系が局所慣性座標系
  • 物理法則が一般の座標変換で不変であることを一般相対性原理と呼ぶ
  • 特殊相対性原理を満たす共変形式の物理法則は一般相対性原理を満たすように書きなおすことが出来る
  • 変分原理も共変微分などを用いて書きなおすことができる
  • 重力が満たすべき、物質との相互作用の方程式、重力場方程式は、左辺が計量から計算される量、右辺がエネルギー運動量テンソルの形として記述される
  • 左辺は、2階微分を含むテンソルを含み、発散が消える必要があり、その中で一番単純なものがEinsteinテンソル
  • 時空の曲率が0でない場合も記述するために宇宙項も含めて重力場の方程式が導出される
  • Einstein-Hilbert作用を元に変分原理を用いて重力場の方程式を導出することも出来る

1+1次元の場合

2015年9月3日木曜日

サマースクール復習(2015)その3

内容

Area law - a mathematical and QIT perspective

よく分からなかった。
d次元の格子有限系、もしくは周期系で、 
local operatorを用いてHamiltonianを定める。
  • 1次元の場合 
    An Area Law for One Dimensional Quantum Systems 
    では、 
    Lieb-Robinson velocityを用いて、作用素の時間発展の交換子に制限を与えることが出来る。 
    特にHamiltonianにuniform gapがある場合、部分系のエントロピーを定数で抑えることが出来る。
  • MPS(行列積状態)の場合 
    MPSは、基底状態を近似するように選ぶことが出来る 
    MPSの部分系はarea-lawを満たす
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2015年9月1日火曜日

サマースクール復習(2015) その2


内容

場の量子論におけるテンソル積変分法

  • Hilbert空間にはテンソル積がある
  • 特異値分解によりユニタリ行列の自由度を除いて複合系の量子状態を部分系の量子状態の直積の和に分解できる
  • 部分系の量子状態の直積に分解できる時がセパラブル状態、そうでない時がエンタングルメント状態
  • エンタングルメント状態をスカラーを非可換に係数拡大する自由度を加えて形式的に直積で表すことが出来、これをMPS(行列積状態)と呼ぶ
  • 係数拡大の行列の(仮想)自由度χはエンタングルメントエントロピーと関係する
  • 近接相互作用の数が増えると行列ではなくテンソルによる自由度が必要になり、TPS(テンソル積状態)、あるいはTNS(テンソル積ネットワーク状態)と呼ばれる
  • 模型が有限系か周期系かで記述に多少の違いはあるが、境界作用素を用いて係数拡大のベクトル空間を記述することが出来る
  • 係数を変分最適化により求めることで波動関数が近似できる
  • さらに、テンソル積を階層化することを考え、TTN(ツリーテンソルネットワーク)と呼ぶ
  • これはホログラフィック繰り込み群と形式的に類似していて、スケールパラメータの次元が階層化の段数に対応する
  • しかし、木構造では相関の取り込みが不十分なので、適度に木の頂点間をユニタリ変換でつなぐ必要があり、これをMERA(マルチスケールエンタングルメント繰り込み群)と呼ぶ
  • つないだユニタリ変換を(dis)entanglerと呼ぶ
  • (enntanngler込みで)木構造の頂点から葉への部分木を因果円錐だと思うと、ブラックホールのイベント・ホライゾンの類似は、1つのMERAを鏡像で接合することに対応する
  • 物理的にはTFD(熱場ダイナミクス)の、Hilbert空間の双対コピーとテンソル積を取ることに対応する
  • 仮想的に自由度を増大させて自由度に繰り込むという意味で座標的Behte仮説法と行列積は同値である
  • Ads/CFT対応における、バルクエッジ対応との類似は、AdS計量を離散化した計量をMERAネットワークに導入したと考えることで得られる
Q: non-archimedian距離で見ると、上半平面は木構造であり、entanglerを入れるということは、special fiberでの(node)退化を導入する、ということに対応する。形式的な類似は本質的類似、という別講義のモットーに則れば、non-archimedianな空間がMERAの背後に隠れているべき、ということになる? 
Q: 深層学習におけるAuto-encoderは入力と出力を鏡像でつなげるというももので、ネットワークとしてはMERAの類似とみなせる。ということは、多層パーセプトロンの性能を、MERAの類似の手法で解析できるのでは?特に、特異構造をentanglerと対応させれば、離散構造との対応がわかりやすくなる 
Q: 宇宙際幾何における、etale構造、Frobenius構造を、Ads/CFTの枠組みで、etale構造がCFTに対応し、Frobenius構造がAdsに対応し、スケール方向の次元がFrobenioidのモノイド構造に対応する、ということになれば意味がわかりやすい。特に、代数曲線上の因子は直線束として加法が乗法へと変換されていて、それがモノイド構造を構成しているので、ある意味、エンタングルメントを見ているとも言える。

Area law - a mathematical and QIT perspective

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2015年8月31日月曜日

サマースクール復習

内容

ホログラフィー原理と量子エンタングルメント

講義はサマースクール全体の俯瞰図の位置付けでもあった。
量子論には2体間の相関がある。 
そのため、量子系を2つに分けて片方が観測できない時にどれだけ情報が損失するか、を測る量、が欲しい。 
特に、量子系が空間において定義されている時、 
部分空間への分割はHilbert空間のテンソル積となる。 
密度行列を用いてエンタングルメントエントロピーが定義される。
  • 全体が純粋状態の場合、2体分割のおのおののエントロピーは等しい
  • 強劣加法性がある
  • 量子系の定義される領域が良い領域の場合、面積則が成立する(場合がある)
  • Ads空間においては、バルク境界対応により、境界の2体分割のエンタングルメントエントロピーはバルクの極小曲面の面積で記述される
  • ホログラフィー原理の中でAdS/CFT対応が予想され、2次元CFTの場合は、既存の公式と整合性がある
  • ミクロなエンタングルメントの集合により重力理論の時空を記述したい
  • エンタングルメント繰り込み、テンソルネットワークというアイデアがある
  • 量子多体系の物理、重力理論、量子情報が重なりあったところにホログラフィックエンタングルメントエントロピーが位置する

局所繰り込み群とホログラフィー

  • 物語には容貌が、重大である
講義は、
  • Where is QFT?
  • Where is bulk dynamics?
  • Where is quantum gravity?
を軸に行われた。
線形常微分方程式を繰り込みで解く、 
ということから始めて、
  • 観測量はカットオフに依らないことを要請する、繰り込み群方程式(キャランシマンチック方程式)の定義(場の理論では、ベータ関数と呼ばれる量で方定式はゲルマン-ロウ方程式と呼ばれる)
  • 反ドジッター空間上のスカラー場の作用から運動方程式を求めると、境界1次元分の自由度として常微分方程式が導出される
ということから、 
反ドジッター空間上での運動方程式を双対場の繰り込み群方程式と解釈 
という方針が出る。(Where is QFT?)
繰り込みのパラメータに空間依存性を許して、局所繰り込み群変換を定義する。 
- 局所的なスケール変換として背景計量のワイル変換をとる 
- 粗視化とスケール変換を局所的に定義して分配汎関数を不変にする 
- すると、局所繰り込み群方程式が導出される 
- 一般座標変換不変性を要請すると、運動量拘束条件が出る 
- 繰り込みのスケール方向に対する一般座標変換不変性を要請すると、ハミルトニアン拘束条件が出る
拘束条件の無矛盾性方程式から力学的な方程式を導出したいがまだ足りない。(Where is bulk dynamics?)
Key ideaは(S.S. Leeによる)ラージN極限。 
ラージN極限を用いて、決定論から量子論に移行する。
  • マルチトレース演算子をシングルトレース演算子で記述する
  • 代償として空間依存の結合定数が量子場となった
  • 繰り込みを続けるとd次元の統計模型の分配汎関数をd+1次元の場の量子論の位相空間上での経路積分で書き換えることができる
  • 更に経路積分にはGauss積分しか出てこないので、d+1次元の量子場理論の分配関数として書き換えることができる
量子重力が現れる部分は、保存するエネルギー運動量テンソルで局所繰り込み変換が閉じている状況で導出される。(Where is quantum gravity?)
  • 局所繰り込み群がスキームに依らないという妖精からシフトベクトルとラプス関数が導入できる
  • シフトベクトルとラプス関数を用いてd+1次元空間の計量を再構築できる
Q; 最初の常微分方程式がリーマン面上での確定特異点を持つ方程式であった場合、繰り込み変換がモノドロミー変換と整合性をもつ、という条件はなにか?特に、特異摂動の代数解析学でなされている解析、あるいはそのクラスター代数による記述と、繰り込みの間の関係は付くのか? 
その場合、反ドジッター空間である上半平面において、元のリーマン面を一位化した構造が現れるか? 
そして、上半平面における虚部をスケールパラメータと思うと、繰り込み変換に元の空間の基本群が作用する、という状況になるか? 
Q: 空間を再構築する、という場合、遠アーベル幾何があるが、反ドジッター空間(の時間一定面)の曲率負の対称空間という性質は、(Mostow剛性など)、情報から空間を再構築する上でどの程度必要な性質なのか? 
再構築できる場合、それは柔らかい空間なのか、硬い空間なのか、さらには、モチーフなのか?

場の量子論におけるテンソル積変分法

Area law - amathematical and QIT perspective

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