昨日三省堂で立ち読みをしていた本の中に、
Fractal Geometry, Complex Dimensions and Zeta Functions
http://www.yurinsha.com/394/p9.htm#1
があった。
カントール集合のような1次元自己相似フラクタルについて、
その領域の長さを大きい順に並べて{l[i]}として、
ζ(s) = Σ(l[i])^(s)
と定義したとき、この関数の振る舞いはどうなるか、
ということを調べている本のようだ。
l[i]=1/iのときはRiemannのゼータ関数になる。
フラクタルの性質と、その図形をもたらす力学系の性質を結びつけ、
さらには、ラプラシアンの固有値と関連付けて、極や零点を解釈しよう、
という試みらしい。
簡単な例として、カントール集合、フィボナッチ数列に対応する集合、黄金率に対応する集合
があった。
ただ、そこで出ている例をみると、
1/(1-2*3^(-s))のような、ある意味局所的な項しかでてこない。
オイラー積のような綺麗な性質を持つfractal stringの例はないので、
途中まで読んで買う気が失せた。
はたして、
因子分解できるゼータ関数をもたらすfractal stringは存在するのだろうか?
感覚的には、自己相似のなかにさらに自己相似が異なるスケールで入っているような図形をつくれば出来そうな気がする。
とりあえず、
有限和の場合だけを考えると、
これは有理数で上下からはさめるので、
分母も払って、
Nとその分割
という形でパラメトライズできる。
でも、有限和ではどうしようもないので、
今度は自己相似をきちんと階層化して、それぞれの階層を記述する必要がある。
カントール集合の場合、テント写像のようなわかりやすい力学系と結びつくが、
力学系の位相同型で不変な性質と、ゼータ関数の性質はちょっと度合いが違いそうな気がする。
なにか手近な例はないだろうか?
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