2008年12月8日月曜日

くりこみとEuler系

connesの非可換幾何学とmotivesについての本に、
Bost-Connesシステムの説明があった。
そこでは、ゼータ関数を分配関数とするような量子統計場(あるいはC*環とKMS条件を満たす時間発展の組)
が定義されていた。
定義中に出てくる条件が、スケール変換にみえるので、
くりこみによる不動点が、おそらくアーベル拡大になるのだろう。

Connesの本では、非可換幾何的な対象、すなわちC*環を用いて、等分点からアーベル拡大を具体的に構成する(ManinのReal-Multiplication)という目的が述べられていた。

ここで、当然気になる疑問は、
Euler系(あるいはKolyvagin系)のcompatibilityに関する条件、
は、くりこみにおけるスケール変換とみなせるのでは?
というもの。
繰りこみ変換群によって、最終的に不動点にたどり着く、
すなわち臨界値の詳細がわかる、
という対応を夢想すれば、
例えば岩澤理論やゼータの特殊値の説明に使われるEuler系はすべて、C*環におけるくりこみの条件として説明がつくのではないだろうか?

真面目にやろうとすると、
1)まずは関数体でのC*環をみる
2)Drinfel'dのElliplic-modulesによりC*環を構成する
3)Drinfel'd modular varietyのEuler系を構成する
4)両者の対応を確かめる
5)非可換幾何の対応物が何かを確かめる
6)くりこみに使用するべき理論の摂動に対応するものが何かを確かめる
7)くりこみ理論を関数体の場合に確立する(まずはアーベル、次にGL2、それからboundaryへの極限操作を類推して一般論)

があって、
ここから、数体の場合、あるいはp-adic、Λ-adicな場合の類似を探す、
ということになるのだろうか?

数体の場合は、Gl1,Gl2はともかく、そこから帰納的に作成していくべき非可換幾何の対応物がなさそうなので、どうなるのだろうか?

0 件のコメント: