2009年7月27日月曜日

サマースクール予習(情報幾何)

[1] 情報理論の基礎(村田) 3章、6章
[2] 情報幾何の方法(甘利長岡) 1-3章
[3] パターン認識と機械学習(ビショップ)邦訳版 9章、10章

α-接続の概念が直感的に役に立つのは、
EMアルゴリズムにおけるEステップとMステップの意味が、
α=1,-1に対応するα-ダイバージェンスによる射影と捉えられる、
という点。([1])
ただし、(混合ガウス分布における)パラメータと潜在変数の違い、
を幾何的にはっきりさせないと意味がないので、
あくまでKLダイバージェンスを理解しやすくするため、と捉えておく。

[2]の7.1において線形計画法と完全可積分系との関係が言及されていた。
行列のQR分解においては、いったんJacobi行列に変形して、
有限非周期Toda格子として軌道の極限を見ることで対角化する、
という考え方が利用されているが、そこには情報幾何はあらわには現れない。

- 双対接続におけるポテンシャルで計算してみようという気になるものが果たしてあるのか?
- フロベニウス多様体のflat座標に関して、α接続を考えると何かご利益はあるか?
という辺りが気になっているところである。

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ヘッセ多様体はリーマン計量がポテンシャルの座標の2回微分で書かれているものだった。
フロベニウス多様体はスーパーポテンシャルをある変数で微分したものがヘッセ多様体の意味でのポテンシャルになっている。
では、α接続と多様体の上の計量について、何か関係がつくだろうか?
まずはフロベニウス多様体における計量の族を見る必要がある。
Flat pencils of metrics and Frobenius manifolds
http://arxiv.org/abs/math/9803106

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