2009年8月8日土曜日

サマースクール予習(SLE)

[1] Stochastic geometry of critical curves, Schramm-Loewner evolutions, and conformal field theory(http://arxiv1.library.cornell.edu/abs/math-ph/0607046v2)
[2] The Global Geometry of Stochastic Lœwner Evolutions(http://arxiv.org/abs/0906.5328)
[3] Loewner equations, Hirota equations and reductions of universal Whitham hierarchy(http://arxiv.org/abs/0808.1444)

興味の対象はSLEが可積分系と関わる部分。
[2]ではまだRiemann面上のKrichever mapときちんと対応付けられてはいないようだが、
univalent関数との関係が気になる。
[3]においては、遅いパラメータによって変調を可視化するWhithamの手法とLoewner方程式とを関連付けていた。[2]と[3]とがどう対応するのか理解したい。

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Friedrich先生はサーベイを書く腕があがっていますね。まえより、親切になっている。
内容はぶっ飛びすぎていて、あいかわらず私にはわからんので、プレプリント[15]の出版を待つしかなさそうです。

わたすとしては、21ページに一行でまとめてある文章が非常に気になってます。

aka先生的には、とってもど真ん中にストライクな論文でしょうが、どの辺がいちばんわくわくしますか?

ちなみに、 F先生は去年夏の京都のシンポで、"Takasaki-Takebe, Oh yes, that's nice" とのご託宣。私は意味がわかりませんでしたが、こういうことでしたか。

aka さんのコメント...

rough pathですね。
ど真ん中ですね。

今度教えてください。

aka さんのコメント...

rough pathに関して、
それがなんであるかは全然知らないのですが、
私が興味深いと思っているのは、
反復積分の幾何学(河野俊文)

命題4.3.4で、
"2次のホモロジー接続を持つ単連結多様体は、
元の多様体のコホモロジーからループ空間のコホモロジーが定まる"
というものがあります。

2次までの汎関数に注目する、
というのはどれほど普遍性を持つものなのか?
というものが興味の中心です。
SLEの場合でいえば、L-1,L-2ですね。

いろいろ教えていただいたおかげで、
SLEが
- 確率論からの空間把握
- 調和解析からの空間把握
- 量子可積分系の代数的構造
- 共形場理論の代数的構造
がからんだ魅惑的な話題であることがなんとなくわかり始めてきました。

aka さんのコメント...

このサーベイに関して、
いちばんわくわくしたのは、
Aut(O)のもつ内容の豊富さですね。

C((z))から定まる非常に代数的な群でありながら、
その中にVirasoro代数の作用が入っていて、
さらにJordan arcという極めて幾何的な圏を中に含んでいる。

これは、
pathという概念が、代数的に適切に抽象化できる可能性を秘めている、
ということの証左だと思います。
2次元の局所体の豊富さですが、
これを如何に(コホモロジーや淡中圏の言葉で)線形代数に帰着できるか、
という部分が興味深深ですね。
それで、複素数体上の話ではなく、
数体上の構造を抜き出せれば万々歳です。

とくに、
モチーフ積分のような道具立てが
現行の確率論に応用できると嬉しいですね。