SLEについて、現行のformulationをみると、
- 等角写像を擬等角写像に変えてみる
という点が思い当たる。
Cauchy-Riemann方程式が成り立つ、ということと質量が0が対応するから、
擬等角写像を考えるということは、質量が正の場合に迂回する、ということに対応するだろう。
また、擬等角写像によりHausdorff次元は変化するので、
SLEのパラメータκに対応するものも、擬等角写像を許すと一定ではない。
また、
- 連続性が真に必要になる部分はどこか?
という問題意識がある。
これについては、
DISCRETE COMPLEX ANALYSIS ON ISORADIAL GRAPHS
http://arxiv.org/abs/0810.2188
がある。
いずれにせよ、
SLEそのままのformulationではCFTを再構築する上で制限が在りすぎる。
- 共形次元が任意に取れない。したがって、minimal modelですら相関関数を計算できない
という点がもっとも気になる点で、
共形次元の計算はマルチンゲール性を満たすSLE測度ということでなされるので、
単連結領域内の一つの曲線、というモデルだけでは足りない。
Conformal loop ensembles and the stress-energy tensor. I. Fundamental notions of CLE
http://arxiv.org/abs/0903.0372
Conformal loop ensembles and the stress-energy tensor. II. Construction of the stress-energy tensor
http://arxiv.org/abs/0908.1511
において、
minimal modelを含めたlocal fieldを構築しようとしている。
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三角格子において、気になるのは、
http://www.unige.ch/~smirnov/papers/percras-j.pdf
のlemma1。
ここで、120度の角をなす方向微分の値が等しいことから正則性を導く議論があるが、
もし、非ユークリッド幾何における双曲三角形で格子を作っても同様の議論が成り立つだろうか?
成り立つのであれば、双曲6角形、すなわち3重連結領域における細分を考えることができる。
6 件のコメント:
いや、もうあんた天才。
このあいだの講師のK先生が言っていた
「最近あつい方向」のうち、loop soup
に関してですが。
ようするに、Friedrich-Werner で
SLE_{8/3} のrestriction propertyを使って、Virasoroのhighest weight repを作った、とかいう話があったと思うが、そうなると、restriction propertyが重要なんじゃないか、という話になったようです。
すると、1パラメター(a > 0) の分だけrestriction measureというパス空間の測度があることがわかったようです。SLEとは違う。インターセクションは、(\kappa = 8/3 i.e., a=5/8)のただ一点。
それで、SLEを「加工」して、restriction measure を作ろう、という研究が Lawler-Wernerの
"Brownian loop soup"
これは、poisson random measureという
確率論独特のものを使うためか、あまりしられていないようです。
話がそれるけど、パス空間をstate space にした、 poisson random measureが, poisson point processであって、Jump process の「素」になります。Karatzas-Shreveは連続なもののみ扱うので、ポアソンはでてこない。
最近のWernerとかは、これを研究しているみたいですな。
Lawler のページに行けば、10ページのサーベイで、
The restriction property for conformally covariant measures
というのがある。
これが短くていい気がします。
なるほど。
restricton propertyということにこだわるとすると、
連続極限の前のモデルは相当制限が強そうですね。
でも、1-parameterということは、
結局0<1c<1(とくにc=1/2)
におけるminimal model
に相当する共形次元のprimary fields
の完全系をつくるには足りないんでしょうか?
そのaが
central charge c
conformal dimension(前の記号ではb)
とどう対応づくのか、
興味深いところです。
タイヒミュラーの勉強が一段落したところでみてみることにします。
情報ありがとうございました。
講師のK先生が言っていた
「最近あつい方向」のうち、
離散数学をいじる、のは
ここにリンクをはったもののことかもしれませんが、Lawlerがやっている
Laplacian b-walk
があやしいとにらんでいます。
が、怠惰な私はまだ読んでいないので、内容について、なんの保証もしません。
Doyonを読んでみたが、これはまさに貴殿が望んでいた方向性では。どうも、
0< c \le 1
のようですな。
CFTがわかってないので、よくわからんが
これで、Doyonは一つの構成を完成したのでしょうか、それとも完成途上なのでしょうか。(なんか、Stress-energy Tensor を複数挿入せねば、、、とか書いてあるけど。 )
うーーん、これからはCLEの時代でしょうか? しかも、CLEがloop soupから作れるようだね。
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