2010年3月8日月曜日

変形ベッセル関数

"Brownian Motion and Stochastic Calculus 2nd edition"(Karatzas & Shreve)
の4.4 The formulas of Feynman and Kac
に、Δu=0の解から、(Δ-α)u=0の解(αは定数)をラプラス変換を使用して形式的に求めるやり方が載っていた。(αが定数でなく非負値関数の場合は、5.7.10にあるkillingの考え方が必要になる。)

実2次元Euclid平面の場合、Δu=0は、変数分離をして、極座標(r,θ)に直してみると、
D=r*d/drとして、各νごとに、D^2f(r) = ν^2 * f(r) を解くことになる。
すなわち、r^(ν),r^(-ν) (ν != 0) 1,log(r) (ν=0)
により解の基底が定まるので、この組み合わせを係数に持つθに関するFourier級数が解になる。

Δu=m^2*u(m>0は定数)について同様の事を行うと、
D^2f(r) = (ν^2 + (m*r)^2)* f(r)を解くことになり、
これは、
D{r^(ν)*exp(m*r)}=(ν+m*r)*r^(ν)*exp(m*r)
D{r^(ν)*exp(-m*r)}=(ν-m*r)*r^(ν)*exp(-m*r)
D{r^(-ν)*exp(m*r)}=(-ν+m*r)*r^(-ν)*exp(m*r)
D{r^(-ν)*exp(-m*r)}=(-ν-m*r)*r^(-ν)*exp(-m*r)
を組み合わせることになる。
でてくるのは、変形ベッセル関数になるのだけれど、
mによる変形が、r^(ν)をr^(ν)*exp(m*r)に移すことに対応する。

ホロノミック量子場(4章)に、Dirac方程式としてνがZ+1/2の場合に解を求めているが、
そのからくりが少し理解できた気がする。

さて、
ホロノミック量子場で、mがでてくるのは、
m=0がCritical、すなわちイジング模型の格子が退化して有理曲線になっている場合、
m>0がイジング模型の格子が楕円曲線になっている場合
であって、
閉リーマン面の変形を
a)擬等角写像によるsmoothな変形
b)退化
に分けると、b)に対応している。

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