2010年3月8日月曜日

ちょっとした疑問

単連結領域Xに離散群Γが不連続に作用しているとして、
F=X/Γの基本領域内に、点pを固定し、
各点q∈Fに対してpとqを結ぶF内の可縮なpath γ(q)を用意する。

(X/Γ,p)に対してブラウン運動B_tが定義できるとすると、
ω(t)をγ(w(t))で結んでできるclosed pathのホモトピー類をとることにより、
X/Γの基本群(i.e.Γ)の上にμ_t:確率測度の族
が定義される。(基本領域の境界についてはとりあえず無視)

* 単純にΓの基本生成元の集合に確率測度をいれて乱歩をおこなうと、
時間が小さいとき原点から離れていることはないが、
ブラウン運動から来る場合は、微小時間でも遠くにいる場合がある。
この違いは、中心極限定理の形で理解できるのだろうか?

* ドリフト項を持つ伊藤拡散過程で同様のことを行うと、
離散群上にドリフト項を持つ拡散過程が定義できることになるのか?
* そのさい、ギルサノフの定理のような変換は離散群上でもおこなえるのか?

上記の対応を、
たとえばBerkovich空間の数論的基本群の上で展開できたとすると、
空間の基本群上の測度で割ることによりガロア群上の拡散過程が定義できないか?
というのが疑問。
そもそも数論的基本群にどう拡散過程を定義するか?が問題なので、そのままでは数学になっていない。

9 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

これだけだと、何を想定しているのか正確にはわからないけど、R^2 をZ^2で割った場合なんかはどんな気配でしょうか。やっぱ、γの取り方には依存しないんだよね。

離散的な集合上なので、拡散過程(i.e., マルコフ過程であり、連続な物)という言い方はちょっとなんだが、マルコフ的な何かができているのか?ということでしょうか?

aka さんのコメント...

幾何学的群論を標語的に見ると、
"多様体と基本群は擬等長の意味でほぼ同等"
というものなので、
なら、拡散過程も基本群の上にあるんじゃないの?
というのが、素朴な疑問。
R^1の場合、円周上のブラウン運動をR^1に持ち上げると、これは、R^1のブラウン運動で、一方、Z上の乱歩がR^1上のブラウン運動に収束するのは、極限定理ですよね。
そのためには、Z上のメッシュを細かくする必要があって、それが可能だったのは、
分割しても自己相似系だからですよね。
R^nの場合、すくなくとも直交格子であれば、座標分解して同様の話になると思います。

でも、これらはアーベル群を基本群とする場合ですね。
では、冪零群になるとどうか?
と疑問がわきますが、この辺はまずは、積読のままのWoessの本を読んでからのほうがいいかな、
と思っています。

>離散的な集合上なので、拡散過程(i.e., マルコフ過程であり、連続な物)という言い方はちょっとなんだが
これが、まさに気になっている点です。
KGMでやっていたことは、離散的な集合を密に含む弧状連結集合をつくってそのうえの拡散過程を作る、というものですよね。
それが、離散群の極限集合として捉えられて
いるわけですね。

aka さんのコメント...

Berkovich空間でみれば、境界は代数閉体の閉包上の点を含んでいるので、空間上の拡散過程から数論的基本群上の"連続"な拡散過程ができないか?
と素朴に思ってしまうわけです。ま、基本群上の"連続"がはっきりしないので数学になっていませんが。

匿名 さんのコメント...

Takhhajan-Teoを読んだけど、非常に勉強になりました。前にも紹介されたような気がするんですが、記憶が定かでないです。たぶんそのときは、こっちの脳みそができてなかったので、何一つわからず
記憶にものこらなかったのでせう。

このTeoという人にはaka氏は注目しとるんですか。なんかおもしろそうなタイトルの論文をいろいろ書いているみたいですが、、、

匿名 さんのコメント...

数論の知識は0なのでよくわからんが、Green functionというのは、ポテンシャル論や確率論によくでてくるあれなのかな。てことは、この人たちは貴殿と似た発想、路線てわけでしょうか。
(本人がみてるやもしれん。笑)

Nonarchimedean Green functions and dynamics on projective space
http://www.springerlink.com/content/t482mr072k516176/

aka さんのコメント...

>Green functionというのは、ポテンシャル論や確率論によくでてくるあれなのかな。てことは、この人たちは貴殿と似た発想、路線てわけでしょうか。

比べるのもおこがましいです。

Silvermannの力学系の本は、基本を学ぶのに良い本ですね。書き方が上手です。
高次元の力学系は面白そうですが、ややこしいですね。
頑張っていますね。
1次元の場合は、Berkovich空間もそれほど複雑ではないですが、
高次元になると、なんだかわけわかんなさそうだし。
(本人見てないですよね?)

できれば、p-adicな世界の擬等角写像を確立して、Sullivanの議論をp-adicで何が成り立つか見てもらえると嬉しいんですが。

匿名 さんのコメント...

いや、みてるかも知れないよ、マジで。

おーーい、銀男さん、見てまかぁぁぁぁ

aka さんのコメント...

じゃ、ついでに。
銀男さん、
お弟子さんの、
"Galois Martingales and the Hyperbolic Subset of the p-adic Mandelbrot Set."
は、
力学系から得られる分解体のガロア理論と、
離散群上の確率過程を結ぶ、
と言う方向で、
どういった展望をお持ちですか?

匿名 さんのコメント...

キーワードを拾い読みしただけなのでよくわからんが、つかっとる確率論は初歩的な離散的なもののようでんな。

全体としては結局なにをやっとるんですか?