4つの講義があったが、
クリスタルと箱玉系の話、および団代数の話は、
背景には、量子群とベーテ仮説があるようだ。
物理サイドでは、2次元CFTと4次元ゲージ理論を弦理論の観点から結びつけているが、
数学サイドでは、それは代数曲線の連接層の導来圏の情報から作られる代数の表現と、
代数曲面の同変コホモロジー上に実現される代数の対応と理解したい。
個別に理解したいポイントを列挙しておく。
* クリスタルと箱玉系
ログ構造を持った代数曲線のspecial fiberの配位のdual graphとトロピカル幾何の対応を理解したい。
とくに講義中で、トロピカル曲線のsmoothnessの定義が出てきたが、
これは、おそらくsemi-stableグラフの性質と、トーリック多様体の特異点の記述を元にすれば、
理解できるはずだ。
また、もともと、有限周期のスペクトル曲線を退化させて有理曲線にした場合が周期なしの場合だった。
箱玉の周期Lと玉の数Mの比を保って無限大に飛ばした場合が周期なしに対応して、その場合は、実トーラスも実直線に退化する、
と思える。
なので、理解の仕方は、具体的に、
punctured disc上にtotally degenerateな超楕円曲線を作り、そのspecial fiber上にKP系を実現すること、
それをBerkovich空間の意味でanalitificationして、有限グラフ部分を見ること、
ということになる。
この時の有限グラフの長さは、代数曲線をトーラスの直積に埋め込む仕方で指定されるはず。
周期箱玉系の周期の現れ方も理解できるはずだ。
* Ding-Iohara代数
講義は徹頭徹尾理解できなかったので、予稿集と参考文献を元に理解を深めたい。
すくなくとも、講義の最初で出てきたelliptic Hall algebraについては、
代数曲線の連接層の導来圏の話と、不分岐保型形式の話を元にしていて、
量子群の半分を作成する話と繋がっているので理解する価値はある。
講義では、目標は、代数系の上に可換な作用素族を構成すること、
ということになっていて、一見すると保型形式のヘッケ環の構成に見えなくもない。
AGT予想で代数曲線と代数曲面を結びつけていたので、
ここで出てくるヘッケ環(もどき)は、Cherednik代数やその親戚たちと関係するだろうから、
その観点で理解してみよう。
さらに、Hall algebraで二つのパラメータが出てくる理由は、
Poincare-Hilbert級数を見ているから、というものだった。
講義では、
3パラメータを持つ代数を探したい、
量子KdVの作用素を実現したい、
というものだったので、もう一つのパラメータはどこからくるのが自然か、妄想できたら嬉しい。
* 4次元ゲージ理論と2次元共形場理論の関係
Nekrasovのpre potentialの話と、ALEインスタントンの話、
という基本的なところから理解したい。
* 共形場理論と団代数
団代数の理論で、
potential付きQuiverに関する話
を理解したい。
講義のハイライトは、dilogarithmの関係式だが、
もともとdilogarithmの関係式については、
matsumotoの定理によってMilnorのK2の具体的な表示の形と結びついていた。
(ex.
http://users.ictp.it/~pub_off/lectures/lns023/Rehmann/Rehmann.pdf)
団代数において、話がトロピカル幾何に帰着する部分というのは、
有理関数体のK2の中で、変形に鈍感な部分から来ていると解釈できないか?
というのが疑問になる。
0 件のコメント:
コメントを投稿