2014年9月3日水曜日

サマースクール復習 その1


内容

 トポロジカル相の物理

固体中の電子の運動について基本的な、
  • Blochの定理
  • Brillouinゾーン
について説明があった後、 
Avron-Seiler-Simonのトポロジカル数としてTKNN数以外には存在しない、 
という結果についての物理サイドからの考察が紹介された。 
超伝導体においては、BdG(Bogoliubov-de Gennes)ハミルトニアンを用いて、 
対称性が増えた結果として、TKNN数以外のトポロジカル数が存在することが、
  • スピンレス超伝導体
  • スピン3重項超伝導体 
    を用いて説明された。 
    対応する物理現象として、バルク-境界対応がある。

トポロジカル相からK理論へ

Twisted equivariant matter 
の内容の紹介。 
同変K理論、捻れK理論について、説明がされた後、 
捻れ同変K理論を導入して、 
トポロジカル相の分類を数学サイドから説明しようとしている。 
ただし、実際の結晶の対称性の仮定と、導入したK理論とのつながりは、 
時間の関係で全く説明がなかった。 
元論文のCor10.25.,Cor10.28.の表と、K群の背景的な説明があると嬉しかった。
個人的には、同変K群は、Affine Hecke環の表現を幾何学的に構成するのに用いられるので、 
捻れ同変K群が幾何学的に表現を構成するのにどう用いられるのか気になる。 
(特に、上記の結晶の対称性が、Springer filberのような状況になる場合はどうだろうか?) 
これについては、 
The Verlinde algebra is twisted equivariant K-theory 
に、Verlinde代数との対応が説明されていた。 
3次元の位相的場の理論、Double Affine Hecke環と何かつながりは付くのだろうか?
1次元量子系は、スペクトルの2重被覆をリーマン面のcycleとみなしたい。 
スペクトル保存変形の場合は、リーマン面が変わらず、 
そうでない場合は、リーマン面が変形する。 
良い場合には、佐藤Grassmann多様体に写像ができるだろうが、 
上記のLoop群を用いた捻れ同変K群の記述は、 
佐藤Grassmann多様体の記述に落とせるのだろうか?

量子ホール効果の数学的研究の現状

  • ホール伝導度の関数解析的な導出
  • relative indexを用いた量子化の説明
  • バルクコンダクタンスとエッジコンダクタンスの差異の記述
  • トポロジカル絶縁体の説明 
    がなされた。 
    個人的には関数解析はどうしても馴染めない。

多様な粒子系におけるトポロジカル相

  • ベリー曲率
  • ホール伝導率
  • チャーン数とバルクエッジ対応 
    といった今回の話題の基本的な部分の物理サイドからの説明。 
    後半は聞き逃した。
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