2010年10月5日火曜日

サマースクール復習その9

* x(z)=z+(1/z)による引き戻し
I=I_{1}∪I_{2}と二つの閉区間の和の場合に、
平行移動とスケーリングを施して、
I_{1}=[a1=-2,b1=2cos(θ1)], I_{2}=[a2=2cos(θ2),2]
となっている場合を考える。
さらに簡単のために、a2+b1=0の場合、すなわち、θ1+θ2=π
とする。
この場合、x(z)によるIの持ち上げは、
単位円周∂D上を、e(z)=exp(2πi(z))として、
A1_{+}=e([0, θ2])

C1=e([θ2,θ1])

A2_{+}=e([θ1, π])
A2_{-}=e([π, π+θ2])

C2=e([π+θ2,π+θ1])

A1_{-}=e([2π-θ2, 2π])

と分割する。
B1,B2をそれぞれC1,C2の端点を通って、∂Dと直交するD内の円弧、
R=[-1,1]
とする。
円弧四辺形A1_{+},B1,A2_{+},R
で囲まれた部分は、適当な等角変形により、長方形に移る。
円弧四辺形A1_{-},B2,A2_{-},R
も同様である。

区間Iに対する、スペクトル曲線の半分部分のフックス群一意化は、
上記の円弧四辺形で得られる。
だから、実際には、{i,-i}を不動点に持つ、Schottky一意化になる。

円弧四辺形のユークリッド座標系のとり方は、{i-i}にそれぞれ、
電荷1,-1をおいたときの複素ポテンシャルをみて、
等ポテンシャルと流線をみる、
ということに対応する。
実際、円弧四辺形を長方形に移す等角写像は、
U={z|0 < Im(z)<π}
H:上半平面
exp:U->H
w(z)=(z-i)/(z+i):H->D
として、w(exp(z)):U->D
の逆写像を考えればよい。
すなわち、主値を決めて、
p(z)=log((1/i)(z+1)/(z-1)):D->U
によって、写像を定める。
p(0)=(π/2)i
p(-i)=log((1/i)i)=0
p(i)=log((1/i)(-i))=log(-1)=πi
となる。
p(x+yi)=log{(-2y+(x^2+y^2 -1)i)/((x-1)^2+y^2)}
であり、
単位円上の円弧は直線に移る。
円弧B1は、
(x^2+y^2 -1)/2y=constを解いて得られる円周上にあるので、
直線に移る。

12 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Info:

春の学校: 調和写像と可積分系理論から量子コホモロジーへ 2010/03/09-11
講義録
http://www.math.tohoku.ac.jp/coeharu/2010.03/

aka さんのコメント...

情報ありがとうございます。

大仁田さんの調和写像の講義が興味深いです。

匿名 さんのコメント...

Info2:

Witt vectors, foliations, and absolute de Rham cohomology

http://www.math.nagoya-u.ac.jp/ja/research/conference/2010/wvfaadrc.html

aka さんのコメント...

これはすごい、豪華キャストですね。
行きたいけど、有休を固めて取るのは難しそうです。

動画配信があれば便利ですが、そうした試みはないでしょうか?

匿名 さんのコメント...

日本ではよっぽどの例外以外はまだです。

aka さんのコメント...

何とか有休取れそうです。

匿名 さんのコメント...

まぢですか? 意外な展開。

まあ、私ものぞいてみるつもりなので、お茶ぐらいはおごるよ。

あと安い宿を探していますか。それとも、別に普通のビジネスホテルで問題ないですか。

aka さんのコメント...

安宿希望です。
名古屋は不案内なので、
どこか良いところあれば教えてくださると嬉しいです。

匿名 さんのコメント...

ちょっと待ってくださいね。来週に問い合わせてみませう。

匿名 さんのコメント...

変わり種情報:

1)
"relativistic" diffusion process

Nonholonomic Relativistic Diffusion and Exact Solutions for Stochastic Einstein Spaces
Sergiu I. Vacaru

http://uk.arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/1010/1010.0647v1.pdf

2) RP theory + some kind of renormalization

A renormalized rough path over fractional Brownian motion. Jeremie Unterberger

http://front.math.ucdavis.edu/1006.5604

匿名 さんのコメント...

この sergiu i. vacaru という人物は初めて見るんですが、これを眺めるかぎり、恐ろしい勢いで量産してる。しかも守備範囲が広いみたいで、使っている数学的道具が多彩です。

タイトルしか見てないが、相対論が本職のようで、さらに微分幾何と確率論を自由に使いこなしているカンジ。

http://front.math.ucdavis.edu/author/S.Vacaru

ほんとにできのいい人で、ただ物理学者なので、私が知らなかっただけなのか、それともときどき数理物理業界いる「ハッタリ系」の人なのか、、、

aka氏はどう思います?

aka さんのコメント...

>>aka氏はどう思います?
ごめん、分からない。
ツイスターとか相対論と可積分系のつながりを勉強したあとで、
みてみます。
当分先の話しです。