2012年5月24日木曜日

Faber多項式

LATTICE PATHS AND FABER POLYNOMIALS
http://people.brandeis.edu/~gessel/homepage/papers/faber.pdf
重み付けで解釈することにより、
Faber polynomialをlattice pathの数え上げとして確認している。

Analytic functions and integrable hierarchies-characterization of tau functions
http://arxiv.org/abs/hep-th/0305005v2
Faber多項式、Grunsky行列の整理された記述と、
それを用いて、無分散戸田格子のτ関数の記述を行っている。

Weil-Petersson metric on the universal Teichmuller space II. Kahler potential and period mapping
http://arxiv.org/abs/math/0406408v1

6.2. Embeddings into the Segal-Wilson universal Grassmannian
では、リーマン面からconformal weldingを構成し、
リーマン面の周期をFaber多項式(Grunsky行列)を用いて記述していた。

無分散可積分系と関数論
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1541-12.pdf
にあるように、
Grunsky行列はLowner方程式に関係している。

Q1:
では、スペクトル曲線を与えて、そこからtopological recursionによるinvariantsを計算する際に、
(g,n)=(0,2)ででてくる無分散戸田格子(x=z+1/zの場合)は、どのようにconformal weldingと関係しているのだろうか?
Q2:
スペクトル曲線として実構造を持つ超楕円曲線の場合、判別式からなるFloquet指数が、conformal weldingを生成する。
これは上半平面から固有値に対応するslitを除いたものに対応し、slitを変形して消失させる等角写像が、
Lowner方程式で、それが無分散戸田に対応する、と解釈できるのだろうか?
その場合、topological recursionによる分配関数の計算は高種数の項も含んでいる。
これを全部あわせて、スペクトル曲線に対応するτ関数となり、
(無分散極限は古典極限)
τ関数に対応する佐藤グラスマンへの埋め込みが、conformal weldingから定まるタイヒミュラー空間からの写像となる、
という理解で正しいのだろうか?
Q3:
スペクトル曲線に対応する代数関数のアーベル拡大の極限をとると、代数曲線のmoduli上ではうまく極限が存在しないが、
普遍タイヒミュラー空間においては、極限がlaminationという形で存在する。
(ex. UNIVERSAL HODGE BUNDLE AND MUMFORD ISOMORPHISMS ON THE ABELIAN INDUCTIVE LIMIT OF TEICHMU ̈LLER SPACES
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9406003)
では、この極限のリーマン面の周期を具体的に計算できるか?
Q4:
射影直線の場合に、
The equivariant Gromov-Witten theory of P^1
http://arxiv.org/abs/math/0207233v1
で計算されているGW-invariantsを、
スペクトル曲線のinvariantsとして計算できるか?
Gromov-Witten invariants of $\bp^1$ and Eynard-Orantin invariants
http://arxiv.org/abs/1106.1337v2
では、yがlog(z)の形になっているが、これはどのように理解するべきか?

Q5:
トーリック曲面の場合、ブレーンタイリングは、スペクトル曲線のアーベル拡大の極限に対応するのか?
(ex. http://www.princeton.edu/~masahito/files/2007/Kanazawa070601.pdf)
Q6:
Computation of open Gromov-Witten invariants for toric Calabi-Yau 3-folds by topological recursion, a proof of the BKMP conjecture
http://arxiv.org/abs/1205.1103v1
の、
4.9.2Renormalizing edges
の議論は、無分散極限の話に対応するのか?


Q6:
Ito-Nisioの定理により、Wiener空間のCameron-Martin空間は、普遍タイヒミュラー空間の正規分布によるbase change
とみなすことができる。
では、スペクトル曲線が実構造を持っていて、Floquet指数から定まる等角写像を、
それぞれのslitごとにブラウン運動をおくことによってえられるSLEは、どのような意味があるのだろうか?
また、固有値の区間が分かれているので、non-intersection Brownian motionとも見なせるが、
Macdonald processの場合に、対応するトーリックカラビヤウ3-foldのmirror curveから定まるSLE
を具体的に計算することができ、元のprocessと比較できるか?

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

最近、すごい勢いで書き込んでますね。ちょっと感心してます。

匿名 さんのコメント...

どうせ私にはわからんと思いつつよんだけど、やっぱりわかりませんですた。だた、Q6が何をいっているのか気になるので、教えてちょ。

aka さんのコメント...

>最近、すごい勢いで書き込んでますね。ちょっと感心してます。

これは、
1. 私が社内失業中のため機械学習関連の勉強をしており、
勉強したことを勝手に解釈してまとめた部分
2. 週末や夜に趣味で妄想した部分
の二つが混在しているためです。
1.のほうは社内で何か言っても、「技術的な話はいいから、で、どんな応用あるの?」
と問われて撃沈するだけなので、
特に差し障りもないと思い書いています。

aka さんのコメント...

>だた、Q6が何をいっているのか気になるので、教えてちょ。

私の妄想として、
ホッジ理論のフレームワークでSLEを理解したい、
というものがあります。

ホッジ理論は、特異コホモロジーを複素数に係数拡大すると、de-Rhamコホモロジーと同型対応がある、
というものでした。
p進ホッジ理論は、複素数の代わりにp進周期環に係数拡大すると、de-Rhamコホモロジーと同型対応がある、
というものでした。
そこで、
Wiener空間を周期環もどきと思いたいとすると、
Cameron-Martin空間が何か?
ということになるのですが、
形式的には、Nag-Sullivinの論文に出てくる、
ヒルベルト空間の係数を複素数から正規分布に従う確率変数に変えたものですね。
だから、
普遍タイヒミュラー空間の周期の行き先である1次(特異)コホモロジー空間は、
正規分布に従う確率変数で係数拡大すると、
Cameron-Martin空間になり、
さらにそれを稠密に含むBanach空間としてWiener空間が現れる、これは周期環だった、
という解釈がしたい訳です。
この解釈の元で、
可積分系の駆動関数をブラウン運動に変更する部分を、
係数拡大に対応する、と思いたい訳です。

aka さんのコメント...

http://www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~kazushi/proceedings/msj2007_9.pdf
にある、
"弦理論とは、リーマン面のモジュライ空間が全数学を闇から支配している と信じる宗教である."
というスローガンを文字通り素朴に捉えると、
普遍タイヒミュラー空間に全数学が詰まっている、
ということになりますから、
Wiener空間が詰まっていても問題ないだろう、
という感じです。

もっと過激に妄想するならば、
リーマン面のモジュライは、絶対ガロア群によって支配されているので、
結局数学は絶対ガロア群によって支配されている、
と思いたい訳です。

aka さんのコメント...

さらに蛇足として、
アーベル拡大を考えたい根拠として、
1. 量子化
スペクトル曲線の座標(x,y)について、
スペクトル曲線が量子化可能ということと、
{x,y}の定める大域的類体論によリ対応するアーベル拡大が小さい
2. ブレーンタイリング
トーリック多様体のmirror curveを見る際に、
トーラスの被覆、すなわちmirror curveのアーベル被覆の極限を見る必要がある。
これは普遍アーベル被覆ではないかもしれないが、
普遍アーベル被覆からくる。