歴史研究の単位、
という問題がある。
もし歴史が、
木星に流れている渦模様の観察であったならば、
- 渦の分離し、観察対象に分ける
- それぞれの渦の生成、消滅の観察
- 渦の統合の観察
- 個別の渦の性質調査
- 渦を創出する木星という環境の調査
といった項目が調査項目になるだろう。
ここで、個別の渦に対応するものが、
歴史研究の単位であって、
おのおのの興味の対象によって、
文明、文化、社会
といった単語により分別されてきた。
村上氏の著作においては、
トインビーの
「それだけを単独にとりあげて理解できる」範囲、
「世界の他の部分をひきあいに出さなくとも、だいたい理解できる」ような範囲
を「文明」とする、
という定義を引き合いに出して、
「 つまり、「文明」とは、因果関係の連鎖がそれ自身の中に納まっているような空間的・時間的範囲」
としている。
さらに、
「 親から生まれた子が突然変異であるかぎりにおいて、先行社会と後続社会とを異文明とすべきだ、と私は考えたい。つまり、文明の起点は、創発的な根本的大革新なのである。」
として、文明の起点を明確にしている。
その上で、あらゆる種類の歴史上の変化は、
(1) 文明創発的革新
(2)文明間接触
(3)文明内進化(ただし、進化は表現上の便宜で退化、衰退を含む)
に分類され、それぞれの場合に応じて、提示できる法則のレベルが異なる、と述べている。
上記の革新と言う言葉は、何の革新か、によって、起点もかわってくるが、
村上氏の著作では、
- 生産技術の大革新
- 社会組織の大革新
があげられている。
すでに主体システムのレベルでの話しになっているわけである。
0 件のコメント:
コメントを投稿