2007年9月3日月曜日

歴史観についてその6

歴史から学び、自らの問題に引きなおして考えるためには、
- 個別の事象が偶然によるものなのか必然によるものなのか、
- 必然の事象はいかなる理由の元にそれが引き起こされたのか
ということが、何らかの形で明瞭化される必要がある。

偶然か必然かの判定には、時間に対する遅早の観点がなければならないが、
この点についてはブローデルの地中海の目次をみると、
1)環境の役割
2)集団の運命と全体の動き
3)出来事、政治、人間
と三分冊に分かれての記述がなされている。
これは、それぞれ、
物理システム、生体システム、主体システム
に焦点を当てた、とみるべきだろう。

個人が集団に埋没してしまい統計的な動きしかなさなくなるようなスケールでの観測は、
確かに"運命"という言葉の不可避性を際立たせる。
いかなる警告も、いかなる物語も、いかなる経験も、集団には通じない。

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