2007年9月27日木曜日

フラクタル境界をもつ領域の熱伝導

フラクタル幾何学の技法(http://www.amazon.co.jp/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%AB%E5%B9%BE%E4%BD%95%E5%AD%A6%E3%81%AE%E6%8A%80%E6%B3%95-K-%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%83%8A%E3%83%BC/dp/4431709932)
に、
Δu(x,t) = ∂u(x,t)/∂t(Δはラプラシアン)
を境界条件
u(x, 0) = 0(x∈D)
u(x,t)=1(x∈∂D)
で解いた場合の熱、
h(t) = ∫u(x,t)dx(Dにおける積分)
についてt->0のときの展開が載っていた。
(古典的な結果)
Dが2次元領域、∂Dが滑らかなときは
(A) h(t) = t^(1/2) * L(∂D) * (2 /√π) + O(t)
(フラクタル領域の場合)
Dをコッホ雪片曲線で囲まれた領域とすると
(B) h(t) = t^a * p(-log t) +O(t^(1/2))
ただし、aは0.369...、pはある連続周期関数

コッホ曲線は長さが無限大だから、(A)の展開は出来ないのは予想できるが、
漸近展開のオーダーまで変わってくるのは驚きだった。

これは、境界をちょっとずらして滑らかからフラクタル曲線にすると、
D内の温まり方ががらりと変わる、ということで、
ぱっとみには曲線をフラクタルに変えるのは微小変形に見えるけれど、
ずいぶんと大きな差があるものだ。

フラクタルの物理(http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-2208-3.htm)
には、
フラクタルクラスターからの光散乱
という項目があるので、次はこれを見て、フラクタルを境界にもつ世界の違いを把握してみる。

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