2010年9月20日月曜日

サマースクール復習その6

* right limit
Natural Boundaries and Spectral Theory
(http://arxiv.org/abs/1002.0823)

単位円D上のL^2正則関数fからDおよび∞を中心とする円D'上のL^2正則関数(f+,f-)
を作る操作として、right limitがある。
すなわち、
f=Σa_{n}z^nにたいして、|a_{n}|は有界であることから、
部分列n_{j}をとって、b_{n}:=lim {n->∞}{a_{n+n_{j}}}と定める。
f+(z)がDを超えて解析接続できる部分を見ると、
f+(z)+f-(z) = 0が成り立つ。
すなわち、reflectionless potentialの類似が成り立つ。
これは、(f+,f-)が表す∂D上の佐藤超関数のマイクロ関数の意味での特異スペクトルが、reflectionlessでない点、と言い換えられることを意味する。

有界Jacobi行列についても、{a_{n},b_{n}}から、同様にright limitをとることにより、a.c.スペクトルを見ることができる。
right limitのとり方はn_{j}の任意性から一意ではないが、
元のJacobi行列のa.c.スペクトルはright limitのa.c.スペクトルに含まれる。

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