2012年9月20日木曜日

サマースクール 復習 その10

* Quantum groupとHall代数

3次元多様体の量子不変量が'量子'である理由は、
- Witten不変量はWZW模型によって幾何学的量子化されたものから計算されている(表現はアファインLie環)
- Reshetikhin-Turaev不変量は量子群の表現を用いて構成されている
というものであり、背後にChern-Simonsゲージ場という量子場があったからだった。

さて、
WZW模型を計算可能にするKZ方程式はモノドロミー保存変形の量子化であり、
モノドロミー保存変形はアーベル圏の安定性条件から導出されていた。
そこで、量子群をアーベル圏の言葉で記述したくなる。
通常は定義関係式を用いて(Quasi)Hopf代数として定義される量子群(量子展開環)は、
Ringelの定理により、Borel部分はアーベル圏の言葉で記述できていた。
展開環全体の記述のためには、2次元球面が上半平面と下半平面の貼り合わせであるように、
アーベル圏が良い性質(Hereditary)を持っていて、さらに複体を用いて記述する必要がある。

Quantum groups via Hall algebras of complexes
http://arxiv.org/abs/1111.0745v1

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