2012年9月25日火曜日

サマースクール 復習 その14

* Riemann-Roch
三角圏に安定性条件を入れて、条件を固定するごとに様々なアーベル圏が出てくるとすると、
その内の一つがたまたま代数多様体の連接層のなすアーベル圏であった場合、
そこで使用出来るRiemann-Rochの定理のような公式は、
他のt-構造からアーベル圏を構成した際にどの程度反映されるものなのだろうか?
たとえば、Calabi-Yau圏に対して、Quiver with potentialから定まるアーベル圏が
t-構造のcoreとして取られた場合に、
- Riemann-Rochの定理は存在するのか?
- 接バンドル、余接バンドルに対応する対象は何か?
- 特性類が存在するコホモロジーは何か?
- とくにEuler数はどのような特性類を用いて与えられるのか?
- Todd類はどのように特徴づけられるか?
といった点が疑問になってくる。

Lectures on D-modules
http://www.math.columbia.edu/~scautis/dmodules/ginzburg.pdf

2.6. Application: Riemann-Roch Theorem for curves.
において、Atiyah代数を用いて記述をしている。

The Atiyah class, Hochschild cohomology and the Riemann-Roch theorem
http://arxiv.org/abs/math/0610553v3
平滑(固有)代数多様体において、
余接バンドルのAtiyah類から、接バンドルにLie代数の構造が入る。(Prop1)
Hochshild cochain complexに接バンドルのLie代数の構造と整合する積構造が入り、(Th1)
(アフィンの場合はHochshild-Kostant-Rosenberg同型により)接バンドルの外積代数とcochain complexは同型となる。(Prop2)
Serre-dualityの存在とcanonical extentionの存在。(Th3)
Chern指標の定義(Def5)
Todd類の定義(Prop6)
Riemann-Roch(Th4)
が示されている。

Hirzebruch-Riemann-Roch theorem for DG algebras
http://arxiv.org/abs/0710.1937v3
DG代数に対して、PerfectDG加群の圏を定義する。
DG圏に対して、Hochshild chain complexおよびHochshild homologyを定義する。
DG代数のDG加群の圏とPerfectDG加群の圏はQuasi iso。(Th2.6)
bimoduleによるテンソル積のPerfectonessに関する関手性(Cor2.3, Prop2.4)
複体のレベルでのKunneth Quasi-iso(Th2.8)
Euler characterの定義(3.1)
Trace射の定義(Prop3.3)
テンソル積のEuler数をEuler characterのpairingで表示(Th3.5)
なお、ここではTodd類は現れていない。

A variant of the Mukai pairing via deformation quantization
http://arxiv.org/abs/1103.5312v1

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