2012年9月24日月曜日

サマースクール 復習 その13

* Calabi-Yau代数

Calabi-Yau algebras
http://arxiv.org/abs/math/0612139v3

多様体上の関数に対して、そのcritical pointsは、
余接空間上の2つのLagrangian、0-sectionと関数の微分のグラフ、
の交わりとなるので、genericには次元は0となる。
そのため、numericalな値が定義できる。
Counting invariants for Calabi-Yau threefolds
http://www.math.ubc.ca/~behrend/talks/edmonton11.pdf
にあるように、
3次元Calabi-Yau多様体上の安定層(イデアル層)のモジュライ空間が平滑な場合には、
モジュライ空間上のEuler類の積分として、Gauss-Bonnet-Chernの定理からEuler数が不変量として出てくるが、
これは、Poincare-Hopfの定理より、関数の微分として出てくるベクトル場が有限個の横断的な零点を持っている場合、
零点におけるベクトル場の向きを考慮に入れた足しあわせたものだった。
実際には、モジュライ空間はほとんど平滑にならないので、平滑な空間に埋め込んで、
特異な場合にも成り立つGauss-Bonnetの定理を利用して不変量が定義される。
ここで、特異な場合のGauss-Bonnetの定理の成り立つ根拠は、
Donaldson-Thomas invariants via microlocal geometry
http://arxiv.org/abs/math/0507523v2
にあるようにSymmetric Obstruction Theoryの存在だった。

さて、3次元Calabi-Yau圏として、3次元Calabi−Yau多様体の性質を抜きだして、
DT-invariantsが定義できるような圏を構成したい。
特に有限次元代数の加群の圏として非可換代数から構成したい。
その典型例として、
自由代数にポテンシャル関数を与えて、そのJacobi環として定義される代数、
がある。
この代数は、
- dg代数によるresolutionを持つ。とくに3次元Calabi-Yau代数の場合にQuasi-isoになる。(Th5.3.1)
- contangent complexの類似が定義でき、変形理論が展開できる。(Prop2.4.2)
- 幾何の場合のモジュライ空間の対応物として有限次元表現の空間を取ることができる。
ポテンシャル関数のcritical locusが定義でき(2.3.1)、vanishing cyclesのEuler数を定義できる。(Prop2.10.4)
- DG代数としてRHomによる良い記述がある。(Prop2.9.5)
がある。
Calabi-Yau代数として、Symplectic DG dataというものにより、universalな構成が存在する。(Th3.6.4)
Calabi-Yau代数の例として3次元MacKay Quiverのpath algebraにポテンシャルをつけたものがあり、
これは3次元Calabi-Yau代数となる。(Th4.4.6)

0 件のコメント: