2012年9月16日日曜日

サマースクール 復習 その6

* 虚2次体上の保形型式
有理数体上のGL(2)保形型式は、
複素上半平面上の関数で算術群に対する保形性を持つ関数で表される。
とくに、正則保形型式が存在して、楕円曲線のモジュライ上の直線束の切断を与えていた。
ここで、複素上半平面がでてきたのはSL(2,R)/SO(2)が対応していたためだった。
では、虚2次体上のGL(2)保型形式はどうだろうか?[
SL(2,C)/SU(2)が3次元上半平面に対応するが、
正則保型形式は存在しない。
また、保型形式はSU(2)の有限既約表現の存在により、ベクトル値になる。

Some Applications of Number Theory to 3-Manifold Theory
http://arxiv.org/abs/1203.1428v1
算術群として、arithmetic Klein群、とくにBianchi群と呼ばれるものに注目する。
ただし、結び目の補空間の基本群として現れるのは、figure-8に対応する場合だけである。
Eichler-Shimura同型に対応するBettiコホモロジーと算術群のコホモロジーの同型対応、
およびその保型形式としての解釈、
cusp型式、Hecke対応については、定義が存在する。
(これらは保型表現としてみたほうが分かり易いかも知れない。)

また、虚2次体のゼータ関数のs=2での値と、虚2次体のorderのPSL2による商の体積との関係が存在する。
(もし結び目補空間がいっぱい対応していてくれれば、これは体積予想とも関連したはずであるが、
上記の通り1つしかないので、結び目の観点からはあまり興味はない。)

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