8/21 八丈島3日目
八丈富士への登山と、B&Bでのライブ鑑賞の予定。
八丈富士は八丈島の北側にそびえる火山で、標高約800メートル。
途中にふれあい牧場という乳牛を飼っている牧場があり、
牛乳目当ての観光客も多い。
ということで、自転車で牧場まで行ってみようとした。
8:00に民宿を出て登山道を登り始めたのだが、
当然自転車をひきづり徒歩で登ることになった。
足ががくがくとし、いけどもいけども道は続いていた。
水分補給に、とスポーツドリンクを持っていったのだけれど、
途中ですべて飲み果たし、
5合目くらいで息も絶え絶え、
ガードレールにつかまって10分に一回、5分の休憩。
何台か車がらくらくと追い抜いていった。
その中には、民宿で顔をあわせていた家族連れ、社会人組の姿もあり、
エールを送ってくれたようだが、とてもそれを受け取る余裕はなかった。
9:30、ようやくふれあい牧場に着いた。
早速スポーツドリンク、牛乳を飲み、タオルを水で浸して頭からかぶせた。
ここで飼われている牛は名札に名前が書いてあって、
観光客は名前を呼んで楽しんでいた。
江戸時代、飢饉の折には牛食いといって、牛を食べることもあったようだが、
その頃までの日本における獣食に対するタブーが何故存在していたのか、
不思議でならなかった。
30分ほど、和やかな牛たちを眺めていると、
恐ろしいことに頂上まで行ってみようか、という心がめらめらと湧いてきた。
頂上はここからさらに1280段、階段を登ったところに火口があり、
そこからさらに山稜をめぐるとたどり着ける。
らくらくウォーキングコースということで、
行くべきか行かざるべきか悩んでいたのだが、
そもそも、自転車でここまで来る人は私のほかに誰もいなかった。
皆自動車でらくらくとここまでやってきて、その後登山をしているのだから、
肉体疲労は比較もできなかった。
10:30、スポーツドリンクを手に持って、自転車を牧場において火口に向かった。
階段を100段ほど登った所で後から来たグループに追い抜かれた。
私はプレッシャーに弱いので、後ろに人がいると気持ち悪い、
だから先に行ってもらったほうが好都合、
と自分に納得できる理由をつけてみるが、
体力不足を露呈しているようで恥ずかしかった。
だが、幸いなことに追い抜いたグループは女性3人組。
その後を追っていると、不思議なことに遅れないようについていけるのだった。
登山道はコンクリで固めた階段とてすりがあり、
最初は木々に囲まれているが、途中から高山植物に変わり、
眺めが非常に良かった。
青い羽の蝶、七色のカナブンが飛び回り、
下には八丈の真っ青な海が広がっていた。
11:30、なんとか火口がみえるところまできた。
遠くに山頂を示す印が見えたが、そこに至る道は山稜の荒涼とした道だった。
うっすらと霧が拡がり視界が狭くなった。
前方の女性組は元気に山頂に向かっているが、
私は途中で断念し、しばし休憩。
女性組が元気に帰還するのを尻目に、私はへろへろになりながら、
後を追うようにして下山したのだった。
ふれあい牧場からは自転車。
行きは上り坂のみだったので、帰りは下り坂のみ。
ブレーキを握る左手が疲れた。
700メートルを10分くらいで滑降し、
降りてきたらすでに13:00を大分過ぎていた。
近所の食堂で、刺身定食とくさやを食べた。
くさやは、
年貢として米の代わりに塩を納めていたために島内での塩の利用は制限され、
魚をつける塩汁をくり返し使用したことに由来するそうだ。
この話を聞くと、農民が白米を食べることが出来なかった、という話とオーバーラップし、
商品経済、ということに感慨を持つ。
現在も八丈島にフェニックスは多数生えているが、島内で実際に観葉植物として利用しているところはない。
午後、海水浴。
底土港のほうにいくと、家族連れ、カップル、女性客、
思い思いの人たちが楽しんでいて、
私も火照った体を覚まして目の保養。
夜、B&Bでライブ。
堀江真美、という人が歌う。
http://books.yahoo.co.jp/book_detail/31893725
という著書もあるそうだが、釣りの関係で八丈島にしばしば来島するようになったとのこと。
人口8000人の島で100人の大人が参加するイベントは少ない、
と同じテーブルに誘ってくださった方が感慨深げに語っていた。
半月が薄雲に隠れ、八丈島にスタンダードナンバーが鳴り響いた。
私も含め、観客は皆、シャイで、ライブになれておらず、
一緒に歌って、とステージから呼びかけられても反応なし。
歌手も大変だ、と思いながらも、芸達者でない私にはどうすることもできず。
かくして八丈島の夜は更けた。
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