2009年12月29日火曜日

binary treeに対応するcantor setの対応

[1]Dirichlet forms and associated heat kernels on the Cantor set induced by random walks on trees
(http://www-an.acs.i.kyoto-u.ac.jp/~kigami/tree0.pdf)
[2]An introduction to Berkovich analytic spaces andnon-archimedean potential theory on curves
(http://math.arizona.edu/~swc/aws/07/BakerNotesMarch21.pdf)
について、関連することを記述する。
図を参照するために、
[3]Modular Index Invariants of Mumford Curves
(http://arxiv.org/abs/0905.3157)
も引用する。

[1]で記述されているCantor setをMartin boundaryにもつtree、
は、Mumford curveにおけるtreeとして解釈される。
K:p-adic field
P1:project line
Γ:g個の元γ_i(i=1,.,g)で生成されるShottky group
Γ+:γ_i(i=1,.,g)で生成されるモノイド
P1において、{0,1,∞}を固定する。
(reference pointΦを指定することに対応)

Λ_Γ:Γの極限集合⊆P1(K)
Λ_Γ+:Γ+の極限集合⊆P1(O_K)
ただし、γ_iは双曲元として、∞とP1(O_K)の元を固定点に持つようにとる。

[1]におけるΣがΛ_Γ+に対応するもので、
ΦのΓ+による軌道を結んで得られるtreeが[1]におけるTとなる。

Ω_Γ=P1-Λ_Γ,
X=Ω_Γ/Γ:Mumford curve coresponding to Γ
はP1のmetric d(x,y)からinduceされるmetric d(x,y)を持つ。
ri = d(Φ, γ_i(Φ))とすると、
これはspecial fibreの逆像がB(0,1)にどのように入るかを示す量であり、
0< ri <1となる。

例として[1]8.3-8.8におけるself-similar binary treeをとる。
[3]Figure7.におけるtreeのうち、a,bが正の方向を向いているものを取り出したものが、
対応する。
0< ri <1(i=1,2)より、[1]Th8.7の仮定は満たされている。
C(x,y)はMumford curveのmetricの逆を取ることに対応する。

* Dirichlet form
P1において、Berkovich空間として、
Laplacianが定義され、それに基づいて、Dirichlet formが定義できる。
(ただし、[2]におけるCPAもしくはBVDと関数空間はかなり狭く設定しておく。)
Laplacianは方向微分に対応しているから、d(x,y)=c(x,y)^(-1)と解釈して、
Tが正の方向のみを取り出していることに注意すると、
[1]p.3 Ε_w(f,f)の式が対応する。
また[1]におけるresistance metric R*はBerkovich空間としてのmetric dに対応し、
g_*(x,y)は、
[2](1.6.5) fundamental potential kernel relative to zに(第2,3項の補正がつくが)
対応する。
ここで、後者が3項からなるのは、P1におけるrational functionのdegreeが0でなければならないため、
Δ(f) = δ_y - δ_zと湧き出しと吸い込みを定式化に必要としているためである。
(Mumford curveXにおいては、automorphic functionがテータ関数を用いて具体的に構成できるために、直接g(y) = g_*(x,y)を構成できる、と思う)

* [1]におけるmeasure νの構成について
Λ_Γ+の位相の開基が、
Tの辺eに対してV(e)={eを通って極限に行く点}
により定まるため、積分は[3](7.33)と同様にして定義される。

2009年12月22日火曜日

乗法モノイド

* Witt環
個人的にWitt環について解りやすい説明は、
ChaiのCartier-Dieudonne theoryのnoteで、
その中では、
universal Witt vectorsのなすgroupはGmのformal completionにおけるformal curves全体、
という視点で説明がされている。
w(1-aT)+w(1-bT)=w((1-aT)(1-bT))
w(1-aT)*w(1-bT)=w(1-a*bT)
を満たすような環構造を求めると、(少々複雑な)積の定義式が出てきて、
p-partをみると、よく知られたWitt環の定義式となる。

* adele class group
QのBost-Connes systemは、Q/Zをmonoid Nで割る、という形で導出される。
adeleの言葉に直すと、adele環を(Q-{0})*unitで割る、という形になる。
idele群を割ればclass groupが出てくるが、adele環を割っているので、
幾何的にはnon-Hausdorfな状況となる。
嫌な点は0であって、これが特異点となっている。

* 乗法モノイド
Characteristic one, entropy and the absolute point
(http://arxiv.org/abs/0911.3537)
では、乗法モノイドを用いて、Mo-schemeを定義している。
また一元体上のWitt環をmax plus代数を用いて定義している。

* tropical幾何
tropical幾何を一元体上のWitt環の上の幾何、とみなすことにより、
有限グラフの幾何をspecial fibreとして、
tropical curveを一元体上のgeneric fibreと解釈できるはず。
ここで、Crystalline的な話ができると面白い。
また、cantor集合を一元体上の幾何に埋め込んで解釈できれば面白い。

2009年12月7日月曜日

振り返りその3

来年に向けて行って行きたい作業

* 志村曲線
Mumford曲線の具体例として、志村曲線がある。
志村曲線の利点は、
- 離散群が具体的にわかる
- ヘッケ環の作用がある
- 極限集合がわかりやすい
- 粗moduli空間としての解釈がある

そこで、
1. Consani-MarcolliのSpectral triplesとして、志村曲線を適用して具体例を見てみる
2. special fiberの双対グラフ構造からBakerの手法で定まるラプラシアンと、Berkovich解析空間としての志村曲線に対して、カントール集合で用いられた手法が適用可能かどうか見てみる
3. Bost-Connes系のGL(2)の場合の拡張として、志村曲線の場合のBost-Connes系の計算を見てみる
という方向で進めて行きたい。

志村曲線の上に、ランダムウォークとラプラシアンが定まり、それがヘッケ環の固有値と関係してくれると非常に嬉しい。
また、志村曲線の上のQFTが、その上のランダムウォークを用いて定式化できるようであれば、
なお嬉しい。

* Berkovich空間
- Berkovich空間は、標語的には、
stable objectにはnorm
semi-stable objectにはsemi-norm
が付加され、semi-normsの同値類の中にはmultiplicativeなものが入る。
そのため、空間を捉えるには、
bounded multiplicative semi-normsの全体を持ってくればよい、
というものだった。
完全不連結な空間から局所弧状連結なハウスドルフ空間を作る、
という点で、
スキームだけではなく、
カントール集合やそのほかのフラクタル集合に対して、
それをdenseに含む空間を構成できないだろうか?

- Berkovich空間における積分
GL(2)におけるp進上半平面では、ポアソン積分とヒルベルト変換の類似があり、
Morita dualityやBreil dualityによる超関数の記述が可能だった。
ところが、Berkovich空間における積分は、ちょっと厄介である。
原因の一つは、semi-normの値域が超越的な元を含みえて、次元が不連続に変動する。
この辺りの現象をBerkovichの本によって理解してみたい。

* p進微分方程式
CFTででてくる微分方程式や、イジング模型の等モノドロミー変形
などをp進で考えたい。
そのために、p進での微分方程式を理解する必要がある。
とくに、モノドロミーについて感覚をつかみたい。

振り返りその2

理解が足りていない部分

* 共形場理論
- GawedzkiのLectures on Conformal Field Theoryの内容を理解できていない
-- Feynman-Kacの公式に定式化
-- 摂動
- Renormalization Group flow
-- とくにtoy modelとしてConnes-Krimerの方法が適用できる部分があるかどうか

* SLE
- 離散リーマン面
- 有限要素法によるラプラシアンの固有値の計算方法と誤差評価
- CLE

* C*環
- Cuntz環、AF環の具体例

* 非可換幾何
- K群、特性類の概念把握
- local index formura

* Berkovich空間
- not goodなanalytic spaceの例

振り返り

今年勉強した内容を振り返る。

項目としては、以下の通り。

* 共形場理論
- bc系
- ボゾン-フェルミオン対応
- KNTYによるリーマン面上のフェルミオン場の幾何学的構成
- Virasoro代数の表現とミニマル模型

* 可積分系
- 佐藤グラスマン多様体
- Kricheverマップ
- KP階層
- Mumfordによる超楕円曲線のヤコビアン多様体の構成
- 戸田模型とGriffithsによる代数幾何的取り扱い
- Eynard-Orintin

- DubrovinのFrobenius構造
- Riemann-Hilbert対応
- 特殊な場合のSchlessinger方程式におけるテータ関数を用いた具体的な解の表示

* SLE
- Friedrichの総説
- 普遍タイヒミュラー空間から佐藤グラスマン多様体への写像
- univalent関数とWitt代数の関係

* Bost-Connes系
- Qの場合にアデールクラス群としてのBost-Connes系の理解
- Qの場合のKMS-state

* グラフ
- グラフから定義されるCuntz-Krieger環とそのK群
- グラフの伊原ゼータ関数の定義

* Berkovich空間
- bounded multipricative semi-normによる空間の構成
- 有理整数環Zに対するBerkovich空間
- 射影直線およびp進上半平面の木構造によるreduction
- Bakerによるmetrized graphにおけるラプラシアンの定義
- Mumford curveにおけるSpectral tripleの構成
- カントール集合と木の対応

* p進
- Witt環のfunctorとしての定義とCartier duality
- p進周期環 B_dR
- Tate curveの周期

2009年11月11日水曜日

eigencurve

Berkovichの「Spectral theory and Analytic geometry over non-Archimedian fields」
には、p-adicな世界でのFredholm theoryと作用素のperturbation
についての記述があった。

http://math.berkeley.edu/~coleman/eigen/coleman-mazur.pdf
にFredholm作用素とそのスペクトル曲線を利用して、
Galois表現とその変形をGL2上に実現している。
ここでスペクトル曲線に対応するリーマン面もどきは、
種数無限大で連結成分の個数も大きなものがでてくるようだ。

もともと、
フックス群に関する重み2の保型形式はリーマン面の変形と関係していたから、
保型形式の族に対応してrigid analytic空間の変形が関係しそうなものだが、
この辺りはきちんと定式化されているのだろうか?

2009年10月20日火曜日

繰りこみ群とガロア群

2点を一つの辺で結んだグラフCを考える。
Cをdual graphとするspecial fiberをもつMumford curveを考え、その定義体をkとする。
kはすべての1の冪根を含むとしておく。
kの分岐拡大とCのsubdivisionが対応するので、
Cを区間と見てその上の反射ランダムウォークに関する繰りこみ群と、
kの素元に関する冪をとったアーベル拡大とが対応する、と思える。

同様に考えると、
genusがgのグラフCに対して、それをdual graphとするspecial fiberをもつsemistable curve
に関して、
定義体kの分岐拡大とC上のランダムウォークに関する繰りこみ群を関係付けることができないだろうか?

また、
Mumford curveXについてXのn-infinitesimal value-point X(O_k/m^n)
をとって、対応するfinite graphの列C_nを考えると、
これは有限グラフの拡大列となっている。
XのKodaira-Spencer mapを代数的に見ると、Eichlerの記述からΓに関する群コホモロジー
と対応がつくと思われるが、
逆に有限グラフについて、変形理論ができるような有限グラフの拡大はどのようなものになるだろうか?
有限グラフの圏については、Consani-MarcolliのSpectral triples from Mumford curveにおけるdirected graphの定式化が見やすい。
この圏において、グラフの変形を特徴付けることができるだろうか?

さらに、
special fiberにおける退化という枠組みを、Connes-Krimer代数の観点でみると、
上記のグラフ上のランダムウォークとrough pathを関係付けることができないだろうか?

Period mappings and differential equations. From $\bf C$ to $\bf C_p$
http://arxiv.org/abs/math/0203194
template fundamental groupという概念が参考になるだろうか?
--
Tempered fundamental group and metric graph of a Mumford curve
http://arxiv.org/abs/0811.3169
単に有限グラフというだけではなくて、その上のmetricの情報込みで、
数論的に定義される基本群の情報から回復できる、ということが書いてあった。

Grotherdieckのdessins d'enfants は数体上定義された代数曲線が、
その数論的基本群から回復できる、というものであり、
そこでは、2部グラフが利用されていた。
ex. http://math.arizona.edu/~swc/aws/05/05Notes.html

また、
Universal periods of hyperelliptic curves and their applications
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~kyodo/kokyuroku/contents/pdf/1002-9.pdf
をみると、Tate-curve上などで、p進解析的テータ関数を用いて、タウ関数を記述しているので、
共形場理論における共形次元1/2の場合の相関関数の記述ができると期待したくなる。
すなわち、
Geometric realization of conformal field theory on Riemann surfaces
http://www.springerlink.com/content/p143873t3734u772/
における、Ward恒等式がp進解析的にも意味を持つのではないか?と勘繰りたくなる。

そして、
1. dessins d'enfantsにより定まる2部グラフの列
2. 1の2部グラフから定まるisoradial-graphの収束先によって指定される共形場理論
3. 1のdessins d'enfantsの元となる数体上の曲線をp進で考えてのMumford curve(totally degenerateが必要だが)
4. 3のMumford curveから定まる有限グラフの列上のランダムウォーク
が互いに関連しあっている、
と想定される。(どう関連するのか記述できないので数学になっていないが。)

--

2009年10月16日金曜日

Berkovich空間とグラフのC*環

Mumford curveにまつわるC*環については、
Spectral triples from Mumford curves
http://arxiv.org/abs/math/0210435
Noncommutative geometry on trees and buildings
http://arxiv.org/abs/math/0604114

がある。
Spectral tripleの中ででてくる空間は、Berkovich空間として解釈できないだろうか?
というのが疑問。
--
ディラック作用素は、infinitesimalなグラフの拡大から生じるフィルター付空間において、
固有値を指定することで与えられている。
special fiberにおけるディラック作用素は、元のグラフのラプラシアンから誘導されるディラック作用素と、どう関係してくるのだろうか?
--

Modular Index Invariants of Mumford Curves
http://arxiv.org/abs/0905.3157
では、テータ関数とグラフの重みの関係が記述されている。
複素関数としてのテータ関数は、いわば熱核だから、
グラフ->テータ関数->熱核
という形で理解できるのだろうか?

--
この論文中では、Mumford curve上のテータ関数は離散群Γの作用を持つ正則関数、
となっている。そのため、素朴な形では熱核とは結びつかない。
代数的テータ関数と熱核を結び付けるには、どう見るのがよいのだろうか?
--

On the K-theory of graph C*-algebras
http://arxiv.org/abs/math/0606582
有限グラフについて、Cuntz-Krieger環のK群が決定されている。
これと有限グラフのヤコビアン多様体の関係を見てみたいところだ。
C*環のK群を代数的K群の0次と1次が周期的に並んでいるもの、と理解すると、
K1は類体論からアーベル拡大に関する記述を含んでいるはず。

--
この論文においては、有限グラフのうちの辺を一つ選んで退化させる、
という方法でK群を計算している。
--

Cuntz-Krieger algebras and wavelets on fractals
http://arxiv.org/abs/0908.0596
有限とは限らないグラフに対応するCuntz-Krieger環について、
カントール集合などと対応付けている。

Witt環W(R)はp進展開を記述するが、それと、上記のカントール集合とは、
素朴に実数上のp進展開の素元を変形させたときに出てくるずれをみている、
と捉えられるだろう。
そう考えると、Fontaineのp-adic period ringはカントール集合をgrにもつfilter付けされた空間と対応するのだろうか?

2009年10月8日木曜日

有限グラフとリーマン面

Riemann-Roch and Abel-Jacobi theory on a finite graph
http://arxiv.org/abs/math/0608360
Specialization of linear systems from curves to graphs
http://arxiv.org/abs/math/0701075

metrized graphにも、
リーマンロッホの定理やヤコビアン多様体が定義できて、しかるべき性質を持つらしい。

そうすると、気になるのは、リーマン面のヤコビアン多様体が佐藤グラスマンに埋め込めたように、
metrized graphのヤコビアン多様体が埋め込める離散佐藤グラスマンがあるのではないか?
とかんぐりたくなる。

そのためには、
metrized graphをスペクトル曲線(?)にもつ可積分系、
あるいは広田の双線形法に対応する留数定理
といったものが必要になる。

Discrete Riemann Surfaces andDiscrete Integrable Systems
http://www.newton.ac.uk/programmes/DIS/seminars/042914001.pdf
にリーマン面の中にcycleとしてfinite graphを埋め込む様子が描かれていた。

- finite graphのラプラシアンとIhara zeta関数の関係
- Riemann-Rochの定理ででているオイラー数とラプラシアンの固有関数の次元との関係
- finite graphのクラスター展開におけるアーセル関数の表示とラプラシアンの関係
- finite graphの上のブラウン運動を用いて、finite graphの上の可積分系を作れないか?
- 一つの辺が長さ0に退化していくとき、混合構造のようなものは存在するか?
といった辺りが、疑問点となる。

さらに、応用として、
- スペクトラルクラスタリング
http://nlp.dse.ibaraki.ac.jp/~shinnou/zemi2008/Rclustering/r-motegi-0624.pdf
といったあたりと関係付けることはできないだろうか?

--
ZETA FUNCTIONS OF WEIGHTED GRAPHS AND COVERING GRAPHS
http://www.newton.ac.uk/preprints/NI07064.pdf
にはfinte graphのcoveringの話が出ていた。
基本文献として、
M. Kotani and T. Sunada, Zeta functions of nite graphs, J. Math. Sci. Univ. Tokyo, 7 (2000), 7-25.
http://journal.ms.u-tokyo.ac.jp/pdf/jms070102.pdf
を読む必要がありそうだ。

2009年9月25日金曜日

イジング模型について

ホロノミック量子場(神保)
を読んで興味深いと思った記述に、

a) 2章 Onsagerの公式 free energyがMahler measureとして出てきて、背後に楕円曲線がいる
b) 4.1 massiveな場合のDirac方程式の局所解を、フェルミオンのモノドロミー条件を課することで、計算することができて、変形Bessel関数で記述できる

がある。
a)については、共形場における複素構造が、局所的に直交する座標に対応するから、
2部グラフ(dimer)が自然に出てきて、dimerの場合、Mahler measureが自然に出てくる。
Dimers and Amoebae
(http://arxiv.org/abs/math-ph/0311005)

離散的な場合には、
The critical Z-invariant Ising model via dimers: the periodic case
(http://arxiv.org/abs/0812.3848)
に計算があった。

b)については、
Discrete Riemann Surfaces and the Ising model
(http://arxiv.org/abs/0909.3600)
で離散的な場合の計算もされていた。

一つのメルヘン

数体に対して、
Deningerの意味での葉層構造付三次元多様体(M,F,σ)
が対応するとする。

Mの余接バンドルに標準的なシンプレクティック多様体とみなして、
A模型を考える。
そのミラーであるB模型には、葉層構造がdualで受け継がれるだろうから、
スペクトル曲線Σを考えることができるだろう。

したがって、数体Kに対して、スペクトル曲線Σ(K)を対応させることができるだろう。
このΣ(K)から、free energyなどの普遍量をEynard-Orintinの方法で計算すると、
Kのゼータ関数の情報を含んでいないだろうか?
というのが、中秋のメルヘン。

三次元多様体として、単純にS3をとって、その余接バンドルのfree energyについて、
Chern-Simons Theory and Topological Strings
(http://arxiv.org/abs/hep-th/0406005)
の(203)をみると、
polylogがでてくるので、
うまくすれば、
ratinal integerについては、S3を適当に加工することで対応する三次元多様体がえられるのではないだろうか?
そこで、
Bost-Connes代数のtorsionに対応するEisenstein級数、
が普遍量で出てきて、代数を生成する、
という形になれば嬉しい。

2009年9月15日火曜日

Berkovich空間とラプラシアン

http://math.arizona.edu/~swc/aws/07/speakers/index.html
をみると、
Berkovich空間においてもポテンシャルやラプラシアンの概念が定義される。
path connectedな空間であるから、ここでブラウン運動を考えたくなる。
genus0の場合空間はfinite R-treeのlimitだから、それほど素性の悪いものではないだろう。

複素+p-adicの調和解析から、
adelicのなかの対角線成分として離散調和解析の性質を抜き出せるのではないだろうか?
という単純な動機。

一方、
Rigid geometryは、Grothendieck位相をいれて、点と開集合を調整していた。
rough pathは、一次のpathを制限し2次のpathを膨らませることによってえられるが、
代数的に抽象化できないものだろうか?
まずは、formal arc+formal Heisenberg groupのような形で
infinitesimalに定式化できないかみてみたい。

2009年9月11日金曜日

Connes-Kreimer Hopf代数

QFTについて、
自由場とその摂動との関係を見るうえで、
ファインマンダイアグラムによる展開が必要になる。
その際に、Hopf代数の構造が入って代数的な取り扱いが可能になる。
まずはBPHZ手続きについて理解する必要がある。

rough pathとの関係のレビュー
Abstract integration, Combinatorics of Trees and Differential Equations
http://arxiv.org/abs/0809.1821

MHSとの関係
Mixed Hodge Structures and Renormalization in Physics
http://arxiv.org/abs/0804.4399

Algebro-geometric Feynman rules
http://arxiv.org/abs/0811.2514

変形量子化とGaloisTeihimuller群との関係の予想
Operads and Motives in Deformation Quantization
http://arxiv.org/abs/math/9904055

計算論的な解釈
Renormalization and computation I: motivation and background
http://arxiv.org/abs/0904.4921
Renormalization and Computation II: Time Cut-off and the Halting Problem
http://arxiv.org/abs/0908.3430

2009年9月4日金曜日

タイヒミュラー空間についてのまとめ

1. ベルトラミ係数μに対して、擬等角写像を対応付ける
  複素平面上で(ess.supで条件をつけた)ベルトラミ係数μに対して、
0,1,∞をfixするリーマン球面の同相写像で複素平面上擬等角写像になるものが、
一意的に定まる。μに対する標準擬等角写像と呼ぶ。

2. リーマン面の正則2次微分からベルトラミ係数を対応付ける
3. リーマン面間の擬等角写像に対して、ホモトピー類を考える
4. 与えられたホモトピー類の中で、高さ関数を定めて、2->1により正則2次微分から対応付けられた
擬等角写像が高さ関数の最小値を与えることを示す
5. 正則2次微分の空間にノルムを入れて4によるホモトピー類の集合に位相を入れる

これでできる位相空間がリーマン面Rのタイヒミュラー空間T(R)。
とくにリーマン面を固定しないで、標準擬等角写像のホモトピー類のなす位相空間を
普遍タイヒミュラー空間T(1)と定義する。

T(1)について、
Weil-Peterson計量および(Segal-Wilson型)佐藤グラスマンへの埋め込みについて記述しているのが、
Weil-Petersson metric on the universal Teichmuller space I: Curvature properties and Chern forms
http://arxiv.org/abs/math/0312172
Weil-Petersson metric on the universal Teichmuller space II. Kahler potential and period mapping
http://arxiv.org/abs/math/0406408

2009年8月30日日曜日

SLEとCLE

SLEについて、現行のformulationをみると、

- 等角写像を擬等角写像に変えてみる
という点が思い当たる。
Cauchy-Riemann方程式が成り立つ、ということと質量が0が対応するから、
擬等角写像を考えるということは、質量が正の場合に迂回する、ということに対応するだろう。
また、擬等角写像によりHausdorff次元は変化するので、
SLEのパラメータκに対応するものも、擬等角写像を許すと一定ではない。

また、
- 連続性が真に必要になる部分はどこか?
という問題意識がある。
これについては、
DISCRETE COMPLEX ANALYSIS ON ISORADIAL GRAPHS
http://arxiv.org/abs/0810.2188
がある。

いずれにせよ、
SLEそのままのformulationではCFTを再構築する上で制限が在りすぎる。
- 共形次元が任意に取れない。したがって、minimal modelですら相関関数を計算できない
という点がもっとも気になる点で、
共形次元の計算はマルチンゲール性を満たすSLE測度ということでなされるので、
単連結領域内の一つの曲線、というモデルだけでは足りない。

Conformal loop ensembles and the stress-energy tensor. I. Fundamental notions of CLE
http://arxiv.org/abs/0903.0372
Conformal loop ensembles and the stress-energy tensor. II. Construction of the stress-energy tensor
http://arxiv.org/abs/0908.1511
において、
minimal modelを含めたlocal fieldを構築しようとしている。

--
三角格子において、気になるのは、
http://www.unige.ch/~smirnov/papers/percras-j.pdf
のlemma1。
ここで、120度の角をなす方向微分の値が等しいことから正則性を導く議論があるが、
もし、非ユークリッド幾何における双曲三角形で格子を作っても同様の議論が成り立つだろうか?
成り立つのであれば、双曲6角形、すなわち3重連結領域における細分を考えることができる。

2009年8月18日火曜日

calogero-sutherland系

量子可積分系入門(白石)
のなかで、
シューア多項式、ジャック多項式、マクドナルド多項式
といった直交多項式系が定義され、
calogero-sutherland系のハミルトニアン、Virasoro代数の特異ベクトル
等と関係付けられていた。

シューア多項式がchern類のような代数的K群に値をとる多項式として幾何学的に解釈されえるから、
ジャック多項式なども似たような解釈がないものだろうか?
とみてみると、
Quantum cohomology of the Hilbert scheme of points in the plane
http://arxiv.org/abs/math/0411210
The quantum differential equation of the Hilbert scheme of points in the plane
http://arxiv.org/abs/0906.3587
でヒルベルトスキームを用いて解釈ができる、との記述があった。
http://physics.berkeley.edu/events/mm/Slides/Okounkov.pdf
にスライド。

2009年8月8日土曜日

サマースクール予習(SLE)

[1] Stochastic geometry of critical curves, Schramm-Loewner evolutions, and conformal field theory(http://arxiv1.library.cornell.edu/abs/math-ph/0607046v2)
[2] The Global Geometry of Stochastic Lœwner Evolutions(http://arxiv.org/abs/0906.5328)
[3] Loewner equations, Hirota equations and reductions of universal Whitham hierarchy(http://arxiv.org/abs/0808.1444)

興味の対象はSLEが可積分系と関わる部分。
[2]ではまだRiemann面上のKrichever mapときちんと対応付けられてはいないようだが、
univalent関数との関係が気になる。
[3]においては、遅いパラメータによって変調を可視化するWhithamの手法とLoewner方程式とを関連付けていた。[2]と[3]とがどう対応するのか理解したい。

2009年8月5日水曜日

サマースクール予習(量子確率論とグラフのスペクトル解析)

[1]量子確率論とグラフのスペクトル解析(http://www.math.is.tohoku.ac.jp/~obata/presentation/Hokudai-200902.pdf)

- 個人的にグラフとして興味があるのは、群が作用するグラフ。
ex. 鏡映群が作用する空間からグラフを作って、そのグラフに関する代数と空間の乱歩を対応付ける。
Bruhat-Tits building(http://arxiv.org/abs/0903.1245)
- 状態、として、グラフの構造を反映したいい関数が現れるか?代数に作用する代数があるか?
ex. 保型形式、ヘッケ環
- 乱歩は離散的には群の積とみなせる。そこから自然に非可換代数とpathが対応し、経路積分のtoy modelが作られる。
Noncommutative geometry and path integrals(http://arxiv.org/abs/math/0612411)
とくに一次元方向の乱歩に限ってみる。
まずは有限体上の経路積分を定式化して、Z^と対応付けたい。
次に局所類体論を局所体上の経路積分として捉えたい。Formal groupおよびその等分点の自然な解釈ができるはず。
Tate's thesisではadele上のFourier変換によりゼータ関数の関数等式を出していた。
非可換幾何におけるFourier変換により何が出てくるのだろう?

2009年7月28日火曜日

サマースクール予習(Tsallis統計)

[1]エントロピーの公理的定式化から複雑系の理論へ(http://www.ne.jp/asahi/hiroki/suyari/0810suyari_IT_invited.pdf
[2]非平衡系の統計力学(藤坂) 4章
[3]銀河の分布を表す統計力学(http://www.nara-wu.ac.jp/initiative-MPI/images/Nakamichi%20.pdf)

統計力学は"more is different"の世界を記述するための道具。
しかし、宇宙のように重力で支配される階層構造はBoltzmann統計でうまく記述できない。
それをcurve fittingしてみるとTsallis統計がでてくる、とのこと。
TsallisエントロピーはShannonエントロピーを導出する際の加法性についての条件を変更して得られるエントロピー。

- Shannonエントロピーは符号化やKLダイバージェンスで現れてくる。Tsallisエントロピーが適用可能なデータとはどのようなものになるのか?

2009年7月27日月曜日

サマースクール予習(情報幾何)

[1] 情報理論の基礎(村田) 3章、6章
[2] 情報幾何の方法(甘利長岡) 1-3章
[3] パターン認識と機械学習(ビショップ)邦訳版 9章、10章

α-接続の概念が直感的に役に立つのは、
EMアルゴリズムにおけるEステップとMステップの意味が、
α=1,-1に対応するα-ダイバージェンスによる射影と捉えられる、
という点。([1])
ただし、(混合ガウス分布における)パラメータと潜在変数の違い、
を幾何的にはっきりさせないと意味がないので、
あくまでKLダイバージェンスを理解しやすくするため、と捉えておく。

[2]の7.1において線形計画法と完全可積分系との関係が言及されていた。
行列のQR分解においては、いったんJacobi行列に変形して、
有限非周期Toda格子として軌道の極限を見ることで対角化する、
という考え方が利用されているが、そこには情報幾何はあらわには現れない。

- 双対接続におけるポテンシャルで計算してみようという気になるものが果たしてあるのか?
- フロベニウス多様体のflat座標に関して、α接続を考えると何かご利益はあるか?
という辺りが気になっているところである。

---
ヘッセ多様体はリーマン計量がポテンシャルの座標の2回微分で書かれているものだった。
フロベニウス多様体はスーパーポテンシャルをある変数で微分したものがヘッセ多様体の意味でのポテンシャルになっている。
では、α接続と多様体の上の計量について、何か関係がつくだろうか?
まずはフロベニウス多様体における計量の族を見る必要がある。
Flat pencils of metrics and Frobenius manifolds
http://arxiv.org/abs/math/9803106

2009年7月25日土曜日

Witt環と1元体

Cyclotomy and analytic geometry over F_1
http://arxiv.org/abs/0809.1564
に1元体についてのサーベイとWitt環についての考察があった。

Witt環は環Rから新たな環W(R)を作るもので、
標数pのものを標数0に持ち上げるためによく使用される。
http://www.claymath.org/programs/summer_school/2009/witt.pdf

とくにF,Vを用いてformal Groupを記述するCartier-Diudonne theoryをみると、
Sato-GrassmannにおけるΓの記述になる。
Notes on Cartier-Dieudonne Theory
http://www.math.upenn.edu/~chai/course_notes/cartier_12_2004.pdf

そこで標数pでp->1としたときにどうなるか?
という疑問は自然なのだが、
Frobenius写像はp->1のときに微分写像に行くと思えるから、
微分環を考えることになるはず。

一方上のサーベイでは、operadとの関係(あるいは点付リーマン面のmoduli)
との関係が記述されていた。

operadにおける、対称群の作用と結合に対する整合性は、
気分的にKolmogorovの確率測度の拡張定理を想起させる。

とすると、思いっきり言葉の連想だけだけど、
http://www.claymath.org/programs/summer_school/2009/prelimnotes.pdf
に丁寧に解説されているFontaineのperiod Ring(BdR,Bcris,Bstなど)を、
Wiener空間的なものと思えないだろうか?
(φ,Γ)-moduleはp->1のとき、(微分,F1の持ち上げ)-moduleになって、
p進Hodge的なものと古典的なHodge分解とを、Wiener空間を経由して結ぶ、
ということができれば、楽しい。

--
Witt環を用いてbosonizationをSpec(Z)上で記述しているのは、
New bosonization and conformal field theory over ${\bf Z}$
http://projecteuclid.org/DPubS?service=UI&version=1.0&verb=Display&handle=euclid.cmp/1104178249

2009年7月17日金曜日

KdVと逆散乱法

Strum-Liouville型の作用素に対して、
スペクトル測度からポテンシャルを決定する逆散乱法は、
KdV方程式を解くために利用された。

1. ポテンシャルが十分遠方で0という仮定の下で、異なるポテンシャルに対応する微分方程式の解をつなぐ積分作用素Kを見つける
2. Kを求めるために別の対称作用素Fを見つける。KとFはGelfand-Levitan方程式により対応する
3. スペクトル測度から実際にFを計算する式を見つける
4. FからKを計算し、Kからポテンシャルを計算する
という手順だった。(非線形波動とソリトン 10章)

ポテンシャルが無反射の場合、Fは簡単な式になり、ポテンシャルは有限次元の行列の行列式を2階微分したものになる。

これらを確率論的に表現したのが、

確率解析のKdV方程式への応用について
http://www2.math.kyushu-u.ac.jp/~taniguch/paper/903_kdv_orikiken_ln.pdf
にあった。
しかし、この場合はポテンシャルが遠方で0という制限がきつく、
たとえば周期ポテンシャルは枠組みの外になる。

スペクトル曲線は周期ポテンシャルの場合に出てくるから、それらを込みにした対応をつける必要が生じる。

Spectral theory of re‡ectionless potentials and relatedtopics
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~kotani/specsymp2008v2.pdf
には、
ランダムポテンシャルの場合について、佐藤グラスマンにおけるflowを作っている。

おおらかに、
周期ポテンシャル<->スペクトル曲線<->flowは曲線のJacobian
だから、
ランダムポテンシャル<->flowは曲線のJacobianたちをふらつき、無限次元軌道で補間される
という対応になる。
具体的にどのようにflowが計算されるのか、もう少し見てみる必要がある。

"Integrable Systems"にあるSegalのIntegrable systems and inverse scatteringでは、
散乱行列をLoopとみなしていて、restricted Grassmannからポテンシャルへの写像を作っていた。
この辺りの対応を見たい。

2009年7月8日水曜日

ブラウン運動についてもう少し

http://www.math.kyoto-u.ac.jp/probability/sympo/PSS03abstract.pdf

リーマン多様体上のブラウン運動を接枠バンドル上のそれから射影して構成する方法がのっていた。
ユークリッド空間に埋め込んで具体的に作れるというのは解り易い。

リーマン多様体についてブラウン運動が定義できると、
多様体の幾何学的性質からブラウン運動にどのような制限がつくか?
という疑問がわく。
- 接続によって水平持ち上げがあるが、ブラウン運動の持ち上げもある。基本群とブラウン運動の振る舞いについてなにか関係がつくか?基本群の作用で和をとって落とした確率過程はブラウン運動になるか?
- 完備でない多様体Xについて、(Y,Z) YはXのコンパクト化、Z=Y\Xとして、(Y,Z)のブラウン運動の挙動からXのブラウン運動の挙動について何かいえるか?
- もしXが複素多様体で、Zを正規交差にとって、Hodge理論が使用できる状況であれば、精密な挙動がいえるか?
- 曲率の評価とブラウン運動の挙動に関係が在る。そうすると、リーマン多様体が特異点を持つように変形していったときにブラウン運動はどう振舞うのだろうか?

さらに、確率過程としてパラメータはR+をとっていたが、
これを1つの元から生成されるモノイドとみると、
錘に対してブラウン運動が定義できるのではないか?
という疑問がわく。
KP階層では自然に多時間となっていたので、多時間に対して両立するブラウン運動とはどのようなものになるだろうか?
ボゾンに対するフォック空間上のブラウン運動を
ボゾン-フェルミオン対応でフェルミオンのフォック空間上のブラウン運動に移して、
確率的なタウ関数を考えることができるだろうか?

2009年6月30日火曜日

exercise

Karatzas-Shreveの3.31 Exerciseに
伊藤積分の反復積分としてエルミート多項式を用いた表現があった。

ランダム行列ではポテンシャルを選んで分配関数をエルミート多項式で表すこともできた。

Gaussian分布からブラウン運動が作られていて、
エルミート多項式が現れるのは自然だが、
また、伊藤の公式からかなり強い制限がでてくるが、
他の直交多項式が現れるような確率過程の反復積分はないのだろうか?

2009年6月29日月曜日

virasoro algebraの作用

On action of the Virasoro algebra on the space of univalent functions
http://arxiv.org/abs/0704.2149
に具体的にvirasoro代数がどう正則関数に作用するか、の記述がまとまっていた。

Diffeomorphisms of the circle and Brownian motions on an infinite-dimensional symplectic group
http://arxiv.org/abs/0802.1955
Malliavinのsp(∞)上のブラウン運動の解説。

Heat kernel analysis on infinite-dimensional groups
http://www.math.uconn.edu/~gordina/tuebingen-paper.pdf
に無限次元空間にたいして熱核をどう定めるか、歴史とまとめがあった。

2次元の場合時間変更を許してブラウン運動の性質を保つ関数は
正則もしくは反正則に限る。
では、時間変更を許してブラウン運動の性質を保つ写像、
は一般にどんな性質を持つだろうか?

また、
knotの空間に対して、ブラウン運動や熱核を定めて、
それを割ることが可能だろうか?

2009年6月19日金曜日

ブラウン運動について

ブラウン運動とはどのように理解すればよいのだろうか?

ブラウン運動を、まず、
点という幾何学的対象がある幾何学的空間に埋め込まれているときの1パラメータに伴う確率的振る舞い、
と理解し、BM(pt, X)とでも書いてみる。
ptは自己同型群は自明で、変形の自由度を持たない。
したがって、1パラメータによって記述できる自由度は、X内の移動のみ、
ということになる。
そうして、おおらかに、
BM: 幾何学的対象2つ組の圏->確率的対象の圏
という関手とみなしてしまおう。(2つの圏が定かでない以上数学ではなくて妄想だが)

そうすると、次に調べるべきは、
BM(pt/G, X): 群Gを自己同型群に持つ1点のブラウン運動
ということになるだろう。
この場合、1パラメータによって記述できる自由度は、X内の移動と自己同型Gとなる。
Gが有限群とすると、1/Gで重みをつけて、酔歩することになる、と予想される。(この意味も定かでない)

BM(S1, X)と幾何学的対象として円周をとるとどうなるだろうか?
この場合、S1は自己同型を位相的、微分多様体、ユークリッド幾何としての合同のみ、
といろいろな場合を考えることができ、それに応じて、1パラメータによって記述できる自由度も変わる。
Diff(S1)/S1をとってみると、無限小変形として、Virasoro代数(中心拡大前)が出てくる。
1パラメータで記述できる自由度はVirasoro代数とX内の移動、ということになる。
1パラメータでの軌跡を閉弦の運動と見ると、これは2次元のcyrindarになり、S1が分裂しない限りは穴あきにはならない。

さらに、楕円曲線Eをとって、
BM(E,X)とするとどうなるだろうか?
ここでE、Xを複素多様体と制限すると、これは、
BM(pt, (Moduli(Ellitic curve)に自己同型を考慮したstack)*X)
といいかえられるのだろうか?
つまり、
ある構造を持った幾何学的対象のブラウン運動は、そのモジュライ空間におけるptのブラウン運動と等価になるのだろうか?
という疑問がわく。
これはそのままでは当然ナンセンスで、
1. モジュライ空間をとる、すなわち何らかの意味で割り算をする、ということがブラウン運動と両立しなければならない
2. モジュライ空間の距離がもともとのブラウン運動の空間移動と両立しなければならない
という必要条件がでてくる。

以上はBMのinputについての話だった。
では、BMのoutputである確率的対象はどういったことになるのだろうか?
これについては、とりあえず、余白がないので書けない、と後回しにすることにして、
Karatzas&Shreveのブラウン運動の章を理解することからはじめることにする。先は長そうだ。

とりあえず、題名に惹かれて、
WIENER SOCCER AND ITS GENERALIZATION
http://www.emis.de/journals/EJP-ECP/EcpVol3/paper1.pdf

2009年6月17日水曜日

crossing probability

Cardy's formula on the triangularlattice, the easy way
http://www.umpa.ens-lyon.fr/~vbeffara/files/Proceedings-Toronto.pdf
をみると、
Smirnovの議論は、
三角形分割をした際の確率の対称性から正則性を導出している。
(Propositon1の証明は省かれていて、そこではパーコレーションの性質を使っているようだ。)

いったん正則性が出てしまうと、crossing probabilityは境界上の4点のうち、3点を与えられた点に移す写像のあとで計算すればよい。
すなわち、crossing probabilityはCFTでの4点相関関数の計算ということになるが、
そうなるとCFTからは{0,1,∞,λ}に点を移して2階の微分方程式がでてくる。

Using the Schramm-Loewner evolution to explain certain non-local observables in the 2d critical Ising model
http://arxiv.org/abs/0905.2430
4点相関関数に対応するものをSLEから導出している。

- Zagierの計算でmodular formが出てきたのはどうしてだろう?
- A2対称性は正則性の導出に利用されているが、アファインA2の対称性はどこかで使われるのか?
- Riemann surfaceを三角形分割してSmirnovの議論をすると何かいえるのか?
と、まだもやもやはたくさん残ったまま。

2009年6月15日月曜日

affine Weyl群による総和

熱核をaffine Weyl群の作用で総和したものをChern-Simon Theoryと結び付けていた。
ここでは、非衝突のN点の運動をU(N)の固有値の運動と見ている。
さらにYang-Mills theoryと結び付けていた。
Brownian Motion, Chern-Simons Theory, and 2d Yang-Mills
http://arxiv.org/abs/hep-th/0406093

もう少し詳しく以下の論文にまとめられている。
Chern-Simons Theory, 2d Yang-Mills, and Lie Algebra Wanderers
http://arxiv.org/abs/hep-th/0412110

モーメント問題と熱核のゼータ関数を結びつける論文があった。
Heat kernel-zeta function relationship coming from the classical moment problem
http://arxiv.org/abs/math-ph/0112050

すると、ランダム行列とどう関係するのか?という疑問がわくが、
Chern-Simons theory, exactly solvable models and free fermions at finite temperature
http://arxiv.org/abs/0808.1079
にいくつか関係する項目がまとめられていた。

2009年6月14日日曜日

リーマン面について復習

リーマン面の一意化とラプラシアンについて書いてある論文。
Kronecker's 1st limit formulaを
ラプラシアンを生成作用素とする半群を考えるとなにかでてくるか?
という観点でみてみる。
Holomorphic factorization of determinants of laplacians on Riemann surfaces and a higher genus generalization of Kronecker's first limit formula
http://arxiv.org/abs/math/0410294

prime formなど、テータ関数を用いて定義される概念がどこまで代数化されるか、
KNTYと比較してみたい論文。
Quantum Field Theories on Algebraic Curves and A. Weil Reciprocity Law
http://arxiv.org/abs/0812.0169

上半平面の熱核については解説があった。

リーマン面のスペクトル幾何
http://www.math.titech.ac.jp/~shiga/file/Spectral.pdf

2009年6月12日金曜日

A2型とpercolation

たとえば「パンルヴェ方程式(野海正俊)」の2.3アフィンワイル群の章を見てみると、
A2型は、平面の正三角形による敷き詰めに対する、鏡映になる。
A1型がブラウン運動がある区間に存在するときの確率だったから、
同様に考えると、正三角形内のブラウン運動の境界に辿り着く確率が関係してくる、
と想像される。
これはまさにパーコレーションの世界なので、それらしいものが落ちていないか見ていると、
以下の論文があった。

New percolation crossing formulas and second-order modular forms
http://arxiv.org/abs/0905.1727

Crossing Probabilities and Modular Forms
http://arxiv.org/abs/math-ph/0209023

A2型のaffine Weyl群の場合の確率は、
Exit problems associated with affine reflection groups
http://arxiv.org/abs/0707.2009
の(10)で与えられているが、
これだけ見ていると味も素っ気もない。

A1型のaffine Weyl群の対称性

ブラウン運動の反射原理から、
1次元ブラウン運動で、0およびhに吸収壁をおいたものは、
A1型のaffine Weyl群の作用を施して推移確率分布が求まる。
W=
r1:x->-x
r2:x->2h-x
という作用について、
p2(t,x,y) := Σw∈W (-1)^|w| * p(t,y|wx)
とすると、
これは、対称性を持つ。とくにx,y->0,t->1とするように分母に
p1(t,x|y):=p(t,y|x) - p(t,y|-x)
として比を取ると、
テータ関数が出てくる。
期待値はメリン変換だから、
(GL2)保型形式のメリン変換がDirichlet級数になるというWeilの定理から、
期待値はDirichlet級数になる。
この場合は、Riemann zeta関数になる。

そんな話が下記の論文の前半に出ていた。
では、もっと他のaffine Weyl群の対称性を持つ推移確率分布について、
その期待値は綺麗な級数表示を持つのだろうか?

Two Bessel Bridges Conditioned Never to Collide, Double Dirichlet Series, and Jacobi Theta Function
http://arxiv.org/abs/0711.1710

2009年6月6日土曜日

realにまつわるエトセトラ

ラグランジュファイバー束でnon Kahlerなものから
複素射影空間への(non holomorphicな)埋め込みが記述されていた。
Theta functions on Kodaira-Thurston manifold
http://arxiv.org/abs/0902.2843

Riemann面のmoduliにreal analyticなlocal coordinateを入れている。
The universal Whitham hierarchy and the geometry of the moduli space of pointed Riemann surfaces
http://arxiv.org/abs/0810.2139

タウ関数とLaplacianのdeterminantの関係を記述している。
Matrix Riemann-Hilbert problems related to branched coverings of $\CP1$
http://arxiv.org/abs/math-ph/0106009

2009年6月4日木曜日

genus2のmoduliとschlesinger方程式

マニンのhamiltonianは、moduliが1次元で楕円曲線が1次元だった。

schlesinger方程式でgenus 2に対応する3(+3固定)点について、
とりあえず、Siegel上半平面にどう写像されるのか、というのが興味となるが、
Singular Z_N curves, Riemann-Hilbert problem and modular solutions of the Schlesinger equation
http://arxiv.org/abs/math-ph/0306050
にパラメータを少なくして3*3のmatrixを使った計算が記載されていた。

2009年6月2日火曜日

schlesinger方程式のτ関数

On solutions of the Schlesinger Equations in Terms of $\Theta$-Functions
http://arxiv.org/abs/math-ph/9810007
にschlesinger方程式のτ関数を超楕円曲線のテータ関数を使ってあらわす式が示されていた。

Deiftがrandom matrixとの関係から(τ関数はないけど)同様の式を導出していた、とも書いてあった。

Frobenius構造、Eynaud-Orintin、といったものとの関係、が明確になればいいのだけれど。

2009年6月1日月曜日

フロベニウス構造

マニンのelliptic pencilは、
射影直線上の3点を固定して1点を動かすmoduli
が楕円曲線の周期と対応付けられるところからきている。
これをn点として、確定特異点を持つ接続を考えると、
自然に等モノドロミー変形、schlesinger方程式がでてくる。

Sabbahの本では、Fourier変換で、shlesinger方程式の1次のpoleを集めて、
0,∞に特異点を持つ接続に変換し、universalなintegrable deformationと関係付けていた。
佐藤グラスマン多様体の点に対応する微分作用素に対して、Fourier変換を考える動機になるだろうか?

n点に対する有理接続から自然にフロベニウス構造が定まるが、
このフロベニウス構造に現れるcubicな構造と、
Cubics, Integrable Systems, and Calabi-Yau Threefolds
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9408004
に現れるcubic構造とはどのように関係してくるのだろうか?

また、
shlesinger方程式のτ関数は、佐藤グラスマンの言葉でのτ関数と、関係するのだろうか?
「ホロノミック量子場」では、
"ここではくわしく述べることはできないが、タウ関数は楕円関数論におけるテータ関数の類似物と考えられる。"
と記述があって、それで終わっている。
n点に対応する超楕円曲線のテータ関数、あるいはそれから作られる関数として、
記述ができるのであれば、τ関数というものが漠然と解った気になれるのだけれど、
両者の関係がわからない。

さらに、n点はもともと実構造で取っていたけれど、
フロベニウス構造からアファイン構造になっているので、
実構造にはヘッセ構造が入って、複素化がフロベニウス構造に対応する、
というようにはならないものだろうか?

2009年5月10日日曜日

周期にまつわる微分方程式

楕円曲線のpencilから微分方程式を導出している
Sixth Painlevé Equation, Universal Elliptic Curve, and Mirror of $\bold{P}^2$
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9605010
(ページの下端が切れているのが辛い)

Painlevé type equations and Hitchin systems
http://arxiv.org/abs/math-ph/9901019

Hitchin hamiltonianから周期の無限小変形を導出しているのは
Donagi-Markman cubic for Hitchin systems
http://arxiv.org/abs/math/0607060

この辺りは佐藤グラスマンでの変形の計算と対応をつけたいところ。

2009年5月6日水曜日

自由フェルミオン場

Hurwitz numbers, matrix models and enumerative geometry
http://arxiv.org/abs/0709.1458
- Eynaud-Orintinの理論の方向性を解説している

Two Dimensional Kodaira-Spencer Theory and Three Dimensional Chern-Simons Gravity
http://arxiv.org/abs/0711.1932
- Eynaud-Orintinの理論の応用

Quantum Curves and D-Modules
http://arxiv.org/abs/0810.4157
- 自由フェルミオン場についてのまとめ
頭のいい人が書くと、佐藤グラスマンやτ関数が、
直観的でわかりやすい形で説明される、
ということに感心した。

Relating Field Theories via Stochastic Quantization
http://arxiv.org/abs/0903.0732
- ランジュバン方程式とかフォッカープランク方程式とかを用いて、
確率方程式と量子場を結び付けようとしている。
SLEはでてきていないので、これとSLEとを結びつけてみるのが面白そう。

2009年5月5日火曜日

Virasoro uniformization

SLEによってどのように複素構造が変形するか、
という問題意識があるのだけれど、
まずは、複素構造の変形を一般論や超越的方法ではなく、
具体的に記述している文献を当たってみる。
Hitchin Systems at Low Genera
http://eprintweb.org/S/authors/All/ga/Gawedzki/25
Hitchinの講義録「integrable systems」には、"it seems impossible to attempt to write them down explicitly. Only geometry remains."
とあるが、genusが低い場合にはなんとかなるみたいだ。
超楕円曲線が特別に扱いやすい、ということの証左なのだろう。
仮にSLEによる曲線の変形が代数的に記述できるとしたら、
超楕円曲線もしくはconicのintersecitonとして式を表して、
その係数にパラメータが入る、という形になるのだろう。

楕円曲線の場合は、
周期のPicard-Fuchs equationがブラウン運動に応じて変化する、ということになるのだろうか?

パラメータの変形が自己同型を引き起こす場合や点の移動を引き起こす場合を考慮に入れるためには、
Virasoro uniformizationをみないといけない。
これに関しては、
Geometric Realization of the Segal--Sugawara Construction
http://arxiv.org/abs/math/0301206
をみることにする。


TQFTの観点から、WZWとCheeger-Simons を理解しようとしているのが、
Locality and Integration in Topological Field Theory
http://arxiv.org/abs/hep-th/9209048
higer categoryを持ち出して抽象化される前の具体論をまずはみてみる。
Higer class field theoryやHigher Langlandsは、higher categoryがでてくるので、
心理的に抵抗感がある。

CFTでは0次元を2次元に入れてみていた。
結び目は1次元を3次元に入れてみている。
CFTがgeometric Langlandsと関係してくるなら、
結び目はどうか?
となるが、それに関しては、
Analogies between Knots and Primes, 3-Manifolds and Number Rings
http://arxiv.org/abs/0904.3399
にまとめがあった。

仮に、
Kontsevichの結び目不変量あるいはファインマン積分のグラフ展開、
と数論的な情報のグラフ展開、が結びつくとすれば、
Harer-Zagierのmoduli orbifoldのオイラー数の公式も、conceptualに理解できるはずで、
数論的にファインマンダイアグラムが定義できる状況、というものがほしくなる。

2009年4月26日日曜日

epsilon factor

p-adic Lie groupGを与えたときに対応するp-adic L-functionは
Algebraic $p$-Adic $L$-Functions in Non-Commutative Iwasawa Theory
http://projecteuclid.org/DPubS?service=UI&version=1.0&verb=Display&handle=euclid.prims/1234361155
で定義されている。
このp-adic L-functionはGがrank oneのときcanonicalにEuler characteristic classとなる。
(Th4.1)

一方、
Sheaves with connection on abelian varieties
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9602023
でKrichiever mapをFourier-Mukai変換と解釈して、D-moduleのsettingで解釈しようという試みがある。
$\epsilon$-factors for Gauss-Manin determinants
http://arxiv.org/abs/math/0111277
でepsilon-factorをdeRham settingで定義し、
Topological $\epsilon$-factors
http://arxiv.org/abs/math/0610055
でbetti settingで定義し、
Riemann面の場合の説明が
http://www.math.uchicago.edu/~mitya/langlands/dt.pdf
で与えられている。
deRhamとbettiの場合の関係(period)は
$\epsilon$-Factors for the Period Determinants of Curves
http://arxiv.org/abs/0903.2674
で与えられている。

epsilon factorはramifiedなlocal systemもしくはirregular singurarityをもつD-module
を測っていて、Tate's thesisではアデール群上の積分としてdualityを記述して自然に定義された。
LaumonはFourier変換をsheafの上で定義することによりgeometricな定義を与えた。
p-adic L-functionはもともとはGalois群のone parameter群に対応するEuler類として解釈されたのだけれど、
epsilon factorと上記のp-adic L-functionとが、
何らかの形で結びついてくれれば、面白い。


deRham settingの理解のために以下を読むつもり。
Local Fourier transforms and rigidity for D-modules
http://arxiv.org/abs/math/0312343

2009年4月14日火曜日

境界付リーマン面

SLEについてみてみようとすると、境界付リーマン面とBoundaryCFTが必要になってくるみたいだ。
代数幾何、複素幾何の手法では、BoundaryCFTはかなり扱いづらいように見える。

Schottky doubleを考えても結局貼り合わせの実曲線をどう扱うかが解らないし、
貼り合わせの近くで局所的に虚軸方向のみの関数をうまく扱うquasi-modular的なものも、
そのままではよくわからない。

境界がどんどん小さくなっていって一点につぶれた場合は、real-S1 blow-upとでも思って、log構造をいれたリーマン面を考えればよいだろうけど、それだけでは足りないだろう。

とりあえず三角形分割して、それに付随する代数構造があるようだ。
2次元Ising模型を格子の極限をとるときにfermionを結ぶgraphを考えると自由エネルギーが計算されるが、
Okounkovのアメーバの方法に類似して、境界付リーマン面上のfermionの場合にcluster algbraが使えないだろうか?
Cluster algebras and triangulated surfaces. Part I: Cluster complexes
http://arxiv.org/abs/math/0608367

2009年4月13日月曜日

具体的なτ関数

Sigma Function as A Tau Function
http://arxiv.org/abs/0904.0846
に(n,s)曲線の場合の具体的なτ関数の計算が載っていた。

一方
Invariants of algebraic curves and topological expansion
http://arxiv.org/abs/math-ph/0702045
には、
「We thus have a notion of a τ function associated to an algebraic curve. Suchnotion has already been encountered in the litterature [9], and it is not clear whetherour definition coincides with other existing definitions. What can be understood sofar, is that we are defining a sort of quantum deformation of a classical τ -functionwhose spectral curve is E.」
とあるので、比較してみたいところだ。

explicit reciprocity law

もともと、ヤコビアンの類似を局所体上に構築しようというのが岩澤理論だったから、
formal curveのAJ-mapの類似は、higher local field上のKummer-mapとexp-mapになる。

ということは、reciprocity lawということになる。

Reciprocity laws à la Iwasawa-Wiles
http://arxiv.org/abs/0810.0229
にLubin-Tateの場合と、Drinfeld-moduleの場合での具体的な計算が載っていた。

k((z))*を拡張しようとするとき、これをK1とみるかGL(1)とみるかで方向性が変わってくるが、
ことreciprocity lawに関する限り、まずはHigher-K群とみるのが妥当らしい。
では、Higher-K群について、Sato-Grassmannの場合のように、
commensurabilityを定義して、何かをパラメトライズしている空間と思えるか?
というのが疑問となる。
まずはK2(k((z)))に自然なfiltrationが入るか?ということからになるだろうか?

τ関数の双線形性はどこからきたかというと、residue formula、すなわちfudamental-classの存在と、
ペアリングからきている。
この路線では、
The higher Hilbert pairing via (phi,G)-modules
http://arxiv.org/abs/0705.4269
がある。

代数曲線の背後にmotifがあって、(quantum) field theoryと関係があるなら、
可積分系の話とp進での表現は結びついてしかるべきで、
とくに有理数体の絶対ガロア群が何らかの形で対称性の作用を及ぼすなら、
局所的には局所体のガロア群も作用するだろう、
と安直に考えてみる。

2009年4月12日日曜日

http://www-math.mit.edu/~kedlaya/18.787/compiled.pdf
p-adic differential equations (version of 7 Jan08)Kiran S. Kedlaya

p進微分方程式の解りやすそうな解説があった。
ぱらぱらと読んでみようかと思う。

気にしている点は、
formal curveのAJ-mapがexpの逆写像により、わかりやすく記述されていたが、
formal curveをガロア表現に置き換えて、expの逆写像を通してp進Lie環への綺麗な写像がないかどうか、
という点。
BA関数がresidue theoremを通してτ関数の自然な比で書けていたような状況が、p進の状況でないだろうか?
また、k((t))がSatoGrassmannを定義するのに必要だったけれど、
これをspecial fibreを固定して拡げたformal curve上で考えることはできないだろうか?

2009年4月11日土曜日

球面の接バンドル

「ヘッセ幾何学(裳華房)」の命題3.2.9に、(c=-4として)
球面S^gの成分が正の開領域に、Hesse構造が入る、
という記述があった。

一方、命題2.2.4に、
(M,D)が平坦多様体、gをRiemann計量とするとき、
gがHesse計量である、ということと
gの引き戻しが(TM,J)に関するKahler計量である、
が同値、という記述があった。

単純に考えると、球面とは、g+1個の点に対する確率を与えるものだから、
実数直線上のg+1個の異なる点に対して、そこにサポートを持つ確率測度を対応させることとする。
もともとはMoserによる可積分系との関連として、
この測度のサポートにスペクトルを持つJacobi行列の集合が球面(の開領域)になる。
一方、
MumfordのTata2には、超楕円曲線のヤコビアンの開集合の被覆の集まりとしてT(S^g)(の複素化)
が記述されていた。

両者の関係はどうなるのだろうか?
(T(S^g),J)は、何になるのだろうか?

特に興味があるのは、gを無限大に飛ばしたときの挙動。

2009年4月9日木曜日

SatoGrassmannのなかの曲線たち

http://arxiv.org/abs/alg-geom/9711022
Equations of the moduli of pointed curves in the infinite Grassmannian

主題は、
K:M∞->Gr(k((z)))
curveからSatoGrassmannianへのKrichiever mapの像を、擬微分作用素による方程式で特徴付ける、
というもの。
記述がとてもわかりやすかった。

1. formal curveのJacobian
formal curve Cに対して、Jacobianはなんだろうか?
J=lim(Cのn次対称積)
をとればよいが、
C=Spf(k[[t]])
として、
J=Spf(k{{x1,x2,...}})
となり、これは論文の記号でΓ-と同型である。

2. Abel-Jacobi map(AJ) + expの逆写像
exp:A->J
は通常ならLie環からJacobian(Lie group)への写像であるが、formal schemeとして、
逆写像を考えれば、Vは可換群のLie環なので単なるformal Affine scheme
よって
expの逆写像をAJに合成すると、
ωj=(t^j)dtたちで張られるCの1-formの積分を取ることになるから
t->(t,t^2/2,t^3/3, ....)
という写像になる。

3. expの具体的な記述
exp:A->Γ-

{a[i]}->exp(Σa[i]*z^(-i))
で与えられるので、
AJはa[i]=t^i/iを代入して、
t->1/(1-t/z)
という式になる。
とても簡単な式だ。

4. Poincare bundle
SatoGrassmannGr(k((z)))上にはdeterminant bundleがいる。
そのdualをΓのGr(k((z)))に対するactionで引き戻して、
Poincare bundleとしている。

5. τ関数、BA関数など
Scheme theoreticに展開されているのでわかりやすい。

2009年3月9日月曜日

RMT,CFT,SLE

2次元イジング模型をめぐっては、
RMTとCFTが自然に関係し、CFTとSLEが自然に関係する。
ではRMTとSLEはどう関係するのか?
と疑問が生じるが、
それはGibbs測度を見ることになる。

RMTからVirasoro代数の表現を構成し、
fermionとscreening operatorを定義できる。
測度に付随する直交多項式を基底としてとって、
レゾルベントとカレントを関連付けることができる。
分配関数はKP階層のτ関数の性質を持ち、
佐藤グラスマンと関係付けられる。
一方、boson-fermion対応によりカレントをbosonで表現すると、
fermionの符号の反転から分岐点での様子が得られ、超楕円曲線と関連がつく。
自由エネルギーはlargeNの場合に、摂動展開を持つ。


Ising (Conformal) Fields and Cluster Area Measures
http://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0812/0812.4030v1.pdf

Conformal Field Theory Techniquesin Random Matrix models
http://arxiv.org/PS_cache/hep-th/pdf/9907/9907060v1.pdf

ALGEBRAIC THEORY OF THE KP EQUATIONS
http://www.math.ucdavis.edu/~mulase/texfiles/algebraictheo.pdf

free fermionとchiral algebraの関係については
W-SYMMETRY OF THE AD`ELIC GRASSMANNIAN
http://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0807/0807.4992v1.pdf

2009年2月25日水曜日

pとn

素数pについて、そのアルキメデス付値でのノルムを測る、ということはなんなのだろう?

たとえば、行列積分を考えて、n次行列での値を計算してn->∞ということを考えるとき、
p>nならば何かのコホモロジーが消える、(東屋代数がsplitするとか)
という条件(気相と液相の分離のアナロジーとしておく)がうまいこと見つけられれば、
Spec(Z)上に相転移の曲線ができて、その曲線の記述がすなわちpとpのノルムの関係、
ということになる。

ほとんどトートロジーで何も言ってはいないけど、
各素数pに対して、行列積分のようなものを構成してそれを持ち上げる、ということができないだろうか?
複素数上では、KP階層を考えるということが対応する話のように思える。


http://arxiv.org/PS_cache/arxiv/pdf/0812/0812.3920v1.pdf
AN INTRODUCTION TO MOTIVIC ZETA FUNCTIONS OFMOTIVES.
にmotivic zeta functionについてのサマリーが載っていた。
ここで、ゼータを環にとるように持ち上げている。

http://arxiv.org/PS_cache/math/pdf/0604/0604445v1.pdf
NONCOMMUTATIVE COUNTERPARTS OF THE SPRINGERRESOLUTION
に標数pでのD加群とcrystal basisについて説明が載っていた。

2009年1月22日木曜日

Bost-Connes

http://matrix.cmi.ua.ac.be/index.php/the-bost-connes-coset-space.html
にBost-Connesについての解りやすい説明があった。

2009年1月13日火曜日

今年の別の目標

養老孟司の「形を読む」
山梨正明の「認知文法論」
を参照して、
人間の認識の仕方、
画像の認識と言語の認識について知識を蓄える。

図と地<->2値化
カテゴリ<->クラスタリング
認知ベクトル<->?
といった対応を作ってみる。

情報幾何について局所理論を「情報幾何の方法」を読むことで学び、あわせて統計について理解を深める。
ノンパラメトリック推定について面白いことがないか探してみる。

すこしずつすこしずつ

今年の目標は、
まず
1. c=1/2で定まるフリーフェルミオン場の共形場理論の例としての理解
2. フリーフェルミオン場の2次元イジング模型の連続極限としての理解
3. 幾何学的Langlands理論の視点からフリーフェルミオン場を理解する
4. Connesの繰りこみ群に関するTannaka圏の対応を具体的にフリーフェルミオン場について実行してみる
として具体例を理解したい。

知識としては、
- 変形量子化とmotiveの対応(Connes理論とKontsevichの論文)
- 非可換幾何におけるFourie-Mukai変換(Ben-Zviのcologero系についての論文)
- Maninのcohomological field theoryとDubrovinのFrobenius多様体についての説明(Mirror symmetry and Algebraic Geometry ch8.)を読む
- 可解模型の具体例をBaxterの本で知る
を蓄えたい。

知りたいことは、
- 繰りこみという理論の変形に関する対称性としてGalois群を捉える視点の妥当性
- KapranovがつとにHall代数を曲線の導来圏から作る手順を論文に書いていた。ここででてきたのがいわば上三角代数に対応するもので、Riemann-Hilbert問題と絡んでくると思われる。導来圏をふくらませてRiemann-Hibert問題を解き、Universal-envelopping代数に相当するものを作成する手順を導くこと。(ここでA-∞圏などがでてくると嬉しい)

2009年1月9日金曜日

新年初夢想

y^2=ζ(s)=Π(s-γ[k])
というリーマンζ関数に関係する無限種数の超楕円曲線を考えてみたい。
関数等式から対称性を持つ超楕円曲線だが、
対応するテータ関数もしくはペー関数はどんな形にかけるだろうか?

γ[k]のノルムで順序を入れて、種数が増えていく超楕円曲線の列を考え、曲線のモジュライにおけるおける点列とみなす。
何かいえないかなぁ?
ランダム行列と関係付けてEynard-Orantinの超楕円曲線と関連があれば面白いのに。