2012年1月21日土曜日

うば玉のやみのくらきに

アカルサハ、ホロビノ姿デアロウカ。人モ家モ、暗イウチハマダ滅亡セヌ。
(太宰治 右大臣実朝)
本日、勤務先の親会社が特設注意市場銘柄に指定されました。

13/2 ways to count curves
http://arxiv.org/abs/1111.1552v1
hereditary algebraのalmost split sequenceは、
1次元の代数曲線の連接層の導来圏でstabilityを変える操作に対応していた。
3次元のCalabi-Yau多様体のうえで、curveとその上の点の組み合わせに対応するobjectをとると、stabilityの変更の記述ができる。
それが、Stable pairsという定義になる。
ここでは、3d Calabi-Yau多様体におけるcurvesの数え上げのために、
Gromov-Witten不変量
BPS不変量
Donaldson-Thomas不変量
Stable Pairs
を並べて、相互の関係についてまとめられている。
不変量は、
ambient spaceの変形に対してある程度不変であることが要請される。

CURVES ON K3 SURFACES AND MODULAR FORMS
http://arxiv.org/abs/1001.2719v3
特殊な3d Toric Calabi-Yau多様体について
同変の意味でのGromov-Witten不変量とStable Pairsの対応を示し、
それから任意の3d Toric Calabi-Yauに対して、
localizationとdegenerationのcompatibilityから
同変の意味でのGromov-Witten不変量とStable Pairsの対応を導く。(Theorem21)
K3曲面の退化族に対して、それと1次元複素平面との直積をとったCalabi-Yau多様体をみる。
退化族に対するvirtual classの性質(Theorem16)から、3d Toric Calabi-Yau多様体になっているfiberをとり、
そこで、GW/Stable Pairsの対応を見る。
これから、さらに手順を踏んでK3曲面のprimitive classに関するGW/Stable Pairs対応が得られる。
descendent potential functionはSL(2,Z)に関する準保型形式として記述できる。

2012年1月19日木曜日

スペクトル曲線と行列積分

Random Matrices and topological strings
http://www.blau.itp.unibe.ch/Eynard.pdf

topological stringの分配関数を行列積分で記述する。
ただし、ターゲットの空間はtoric 3d calabi-yau。
この場合、toric fanから2次元の組み合わせ的構造(topological vertex)
が生成され、それから一定手順で分配関数が計算できる。
分配関数を行列積分で記述するには、
ファンデルモンドの行列式、
留数公式、ガンマ関数、Cauchyの行列公式、ラプラス変換を使用する。

分配関数のlog、すなわち自由エネルギーはtopological expansionを持ち、
それを具体的に計算するための漸化式は、
loop equations(Schwinger-Dyson)で定まる。

さらに、loop equationからspectral curveが定まるが、
これは、実は、mirror curveでもある。
すなわち、元のtoric 3d Calabi-Yauのミラーは、
mirror cuveで退化する構造を持ち、
mirror curveから、分配関数の高次の項は一意的に定まる。

A matrix model for the topological string I: Deriving the matrix model
http://arxiv.org/abs/1003.1737v2

toric Calabi-Yau 3-foldに対して、行列模型を構成している。

A matrix model for the topological string II: The spectral curve and mirror geometry

http://arxiv.org/abs/1007.2194v1
spectral curveを構成し、これがmirror curveであることを示している。

Two Dimensional Kodaira-Spencer Theory and Three Dimensional Chern-Simons Gravity
http://arxiv.org/abs/0711.1932v1

loop equationsからBergmann kernelなどがでてくる様子を、Riemann面の場合に導出している。

Topological recursion and mirror curveshttp://arxiv.org/abs/1105.2052v1
GW invariantsの定数項についてもrecurtion formulaから導出ができることを示している。

Matrix models for $β$-ensembles from Nekrasov partition functions
http://arxiv.org/abs/0912.5476v2
Figure1にあるように、
Seiberg-Witten
Topological strings
Liouville theory
Matrix models
に対応がつくことが予想されている。

2012年1月13日金曜日

DT invariants

From affine manifolds to complex manifolds: instanton corrections from tropical disks
http://www-math.mit.edu/~auroux/frg/mit08-notes/M.%20Gross%20-%20Slides%20-%20From%20affine%20manifolds%20to%20complex%20manifolds.pdfでは、
整affine構造を持つ実多様体に対して、
tangent bundleとcotangent bundleをaffine構造、flat coordinatesから決まる格子で割ることにより、
互いにdualなtorus fibrationを作っている。
その例として、コンパクトトーラスがある。
すると、ログ構造を持った多様体についてみたくなる。
特異点を許す場合で特異点を除いた部分に整affine構造が入っているとき、
これに近いコンパクト複素多様体を構成する、
ということが主題。
(rigid analytic K3についての構成が
Affine structures and non-archimedean analytic spaces
http://arxiv.org/abs/math/0406564v1
で述べられている。
その6.7K3 surfaces and ZPL-actions on S^{2}
では、複素射影直線を底空間とする、楕円K3曲面に対して可積分系の族を構成しているが、
そこから後はconjecturesの連続。)
特異点周りの挙動を記述するために、rigid analyticな話からさらに簡略化して、
tropicalな部分を見よう、ということで、
tropical vertexがでてくる。
dualityをdiscrete Legendre transformの形で記述できる。

toy exampleとして、
lattice polytopeを与えてそのthickeningを構成している。
次元を一つ上げてNewton polygonを作り、normal fanを張り合わせて、
変形空間としてアファイン直線上の族でspecial fiberがtoric varietyの貼り合わせであるものを構成できる。

特異点がある場合には、polytopeの辺上に特異点があるとして、
monodromyにあわせてglueingを変える。
ただし、自己同型を追加する必要がある。

ここで最後に追加される部分が、
Motivic Donaldson-Thomas invariants: summary of results
http://arxiv.org/abs/0910.4315v2
にあるDT invariantsの計算と関係しているようだ。
(元の、Borcherdsの無限積を持つ保型形式との関係は、
7.4Donaldson 4d theory, Borcherds automorphic forms
に、少し触れられている。)

Vetex operator algebraはCFT,すなわち2次元の話で、
DTはゲージ理論、4次元の話なので、
両者を関係づける背景はAGT予想ということになるのだろうか?
その中で、テータ積分はどこにでてくるのか?
ミラー対称性をみるための3次元カラビヤウで楕円曲線との直積を取った部分の情報が、
落ちてくるのだろうか?

2012年1月8日日曜日

無限積を持つ保型形式とテータ積分

Enriques surfaces and root systems
http://www.kurims.kyoto-u.ac.jp/~mukai/paper/Kinosaki_proc3.pdf

エンリケス曲面はTorelli型の定理が成り立つので、
偏極Hodge構造で同型類が定まる。

エンリケス曲面でE7の対称性を持つもののモヂュライと
Siegel3-foldとの幾何的対応が、
genus2の曲線->curveのJacobianで定まるアーベル曲面->対合を取ってblow-upによる楕円K3曲面->対合を取ってE7-Enriques曲面
で定まる。
モジュライに適当なレベル構造が入ったとして、保型形式を具体的に作る方法として、
ひとつはBorcherdsによるΦ関数がある。
これは、analytic torsionと見なせる。

On the value of Borcherds Φ-function
http://www.fields.utoronto.ca/programs/scientific/11-12/CalabiYau/Yoshikawa.pdf
Singularities and Analytic Torsion
http://www.las.osakafu-u.ac.jp/~kazuko/kyoto2011/PDF/Yoshikawa.pdf

* theta liftingにより無限積を持つ保型形式を作る
Infinite products in number theory and geometry
http://arxiv.org/abs/math/0404427v1

Chow群に値を取るHeegner divisorのgenerating functionを定義して、
それが、Eisenstein seriesとなることを説明している。
主要な手法は、theta積分で、この部分を、どのように解釈すればいいのかがよくわからない。
表現論的には、Howeのdual reductive pairの話になる。

Picard groups of Siegel modular threefolds and theta lifting
https://www.math.lsu.edu/~hoffman/tex/toronto/siegelthetalift.pdf
では、Siegel threefoldのPicard群の生成元をLefshetz classとtheta liftingからくる部分に分けて、
後者に対応する因子が、Humbert surfacesとなることを主張している。


* theta lifting
Introduction to theta liftings
http://www.math.mcgill.ca/goren/Montreal-Toronto/Getz.pdf

* geometric theta lifting
Moduli of metaplectic bundles on curves and Theta-sheaves
http://arxiv.org/abs/math/0405021v5

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テータ積分がでてくるところを理解するためのキーワードとして、
BPS状態、壁越え、
があるようだ。
(
BPS states and algebras from quivers
http://arxiv.org/abs/hep-th/0006189v3
では、“correspondence product.”
という概念があって、それはほとんどRingel-Hall algebraと書かれている。とりあえず、そのまま受け入れてみる。

Quiver varieties, affine Lie algebras, algebras of BPS states, and semicanonical basis
http://arxiv.org/abs/math-ph/0206012v1
では、クライン型特異点を持つ2次元orbifoldの連接層の安定性の話とBPS状態をみていて、root系の言葉で記述している。

BPS states, crystals and matrices
http://arxiv.org/abs/1106.4873v1
では、トーリックCalabi-Yauの場合に、
行列積分の中にテータ関数をいれてユニタリ群上でテータ関数を積分している。(5.2)
これは、フェルミオンの期待値を計算することに相当する。

BruinierのLNM1780の設定では、
1次元上半平面*格子のGrassmann多様体の上の関数を核関数
として、テータ積分を作っていたが、Grassmannのほうは、
壁越えのおこる空間で、BPS状態がHeegner divisorに対応するのだろう。
一方で、アーベル曲面のmoduliとしては、Heegner divisorは自己同型が能う限り大きくなる部分であるから、
多分、BPS状態のcoherent性と見て納得がいくのだろう。
ただ、Heegner divisorが算術的Chow群の元と見ても整合的なのは、数論性がさらに深い意味を持つということなのだろう。

色々な概念が絡み合っているようだが、
どこに重点を置いて整理、理解すればよいだろうか?
)