2010年5月24日月曜日

Wiener空間とHitchinハミルトニアン

Geometry of Differential Space
(http://projecteuclid.org/DPubS?service=UI&version=1.0&verb=Display&handle=euclid.aop/1176996973)
では、
S^n(n^(1/2)):半径n^(1/2)のn次元球面、
でn->∞とすると、Wiener空間と同一視できる、
という記述があった。

ThetaⅡ(Mumford)
もしくは、
Spectral curves, algebraically completely integrable Hamiltonian systems, and moduli of bundles
(http://arxiv4.library.cornell.edu/abs/alg-geom/9507017)
の3.3,3.4,4.3において、
n:有限の段階では、
TS^nをハミルトニアンが与えられたシンプレクティック空間
とみていた。
そこでは、周期スペクトルを与えるごとに、補助スペクトルが定まって、スペクトル曲線が決まり、
そのJacobian-Θ因子がflowとして与えられる。

n->∞として、MTの状況とすると、これは、Wiener空間の接空間にハミルトニアンが与えられた状況と思える。
そこで、抽象Wiener空間上のハミルトニアンを、直交基底に対して、
収束条件をつけた無限和で与えたとき、
有限の話がどこまで拡張できるか?
という問題意識がある。

2010年5月17日月曜日

2+1

Nag-Sullivanには、
unramified coveringの射影極限をとることで
Cantor集合をfiberに持つRiemann面、
という記述があった。

(正当化されない)思考実験をしてみると、

S^1のp冪被覆によって、Z_{p}をfiberにもつS^1ができるが、
これを(fiber側を何らかの形で二つくっつけて)P_1(Q_p)をfiberに持つ、P_1(R)とみなす。
これを、∂H(Qp)をfiberに持つ、∂Hとみなすと、
ある3次元位相空間Yが存在して、∂Yがfiberを∂H(Qp)にもつ∂H上の空間、になる、
と思いたい。
Yが∞-adicとp-adicをつなぐ空間になっている、とみなす。
∞-adicをbaseとみると、fiberはp冪被覆であって、
p-adicからみると、fiberは実多様体になっている。

以上の妄想からはなにもでてきそうにないが、
2+1=3次元というものが、pと∞の間の2点相関関数というべきものを計算するときに必要そうだ、
という気がしてくる。

no wandering theorem

no wandering theoremは、
- 広義一様収束についての完備性
- 適当な部分集合について、擬等角写像からの全射がある
- 与えられた性質を満たす擬等角写像の空間は有限次元
を示して、
wandering domainを持つとすると、無限次元の集合が作られて矛盾、
という論法を取る。

擬等角写像に対応するnon archimedianのオブジェクトが、
special fibreを固定した変形、すなわちガロア表現の変形、と解釈すると、
Benedettoのnon archimedianの場合のno wandering diskに関する定理
(ex. The Arithmetic of Dynamical Systems(Silverman) Th5.55)
を見通しよくできないだろうか?

2010年5月16日日曜日

Liouville方程式

Cauchy-Riemann方程式を変形した、
w=zの共役として、φ(z,w)に関する方程式、
exp(φ)=∂_{z}∂_{w}φ
をLiouville方程式と呼ぶ、と、共形場理論(山田)7.8に記述があった。
一般解は、
正則関数f(z)と反正則関数g~(w)を用いて、
exp(φ)=2*f'(z)*g~'(w)/((1-f(z)g~(w))^2)
と記述されるが、
これはg(w)=1/g~(w)として書き直すと、
exp(φ)=2*f'(z)*g'(w)/((f(z)-g(w))^2)
となるので、
(f,g)をconformal weldingにもつT(1)の点において定義された、
K3(z,w) (TT0406408v1 p19)と思える。

φ(z)=φ(z,w)(wはzの共役)からMiura変換により、
u(z) = 1/2φ'(z)^2-φ''(z)
とすると、u(z)=-S(f)であり、正則関数となる。共形場理論(7.168)

τ=f(z)を座標系として、|dτ|^2をRiemann計量としたいが、
exp(φ)|dz|^2とのずれが与えられている、と解釈すればよいのだろうか?

このLiouville方程式をA1型のルート系に付随する戸田格子模型、とみなして、
Cartan部分代数に値を持つ多項式関数上にPoisson代数の構造をいれて、
そのIntegrals of motionを計算しているのが、
Integrals of Motion and Quantum Groups
(http://arxiv.org/abs/hep-th/9310022)
で、結果はVirasoro代数が出てくる。

Q:CFTを摂動により変形した際、保存量が無限個存在したまま変形をすることが可能なのだろうか?
くりこみ群の構造とT(1)における作用素と何らかの対応がつくか?

2010年5月12日水曜日

theta関数

theta関数は、
1. 周期
周期行列を分散に持つガウス分布の、A-トーラスへのPushForward
2. ボゾン
自己双対位相アーベル群のLatticeを固定して、Heisenberg群のユニタリ表現
3. フェルミオン
admissible basisを固定して、グラスマン多様体上の双対Determinant束の大域切断
の見方ができる。

* MTでは、1の見方で、Hill's surfaceのtheta関数を定めている。
- 周期ポテンシャル<->周期スペクトル+補助スペクトル
周期ポテンシャルは周期1の周期関数qを用いた極限点型の自己共役作用素、
L=-(d/dx^2)+qの端点(-∞,∞)に対するスペクトルで、
Lax形式で定義されるKdV-flowで不変である。
一方、補助スペクトルは端点0,1でのDirichlet条件に対するスペクトルで、
これらはKdV-flowで不変でない。
周期スペクトルは基本解の周期1に対するモノドロミー行列の判別式Δの解であり、
周期スペクトルを与えるとΔが定まる。
補助スペクトルを与えると基本解のうちの一方の1での値が定まる。
- 正準共役変数
周期的戸田格子では、非線形格子力学(戸田)の5章にあるように、
Floquet指数を用いると、これらは、
補助スペクトルに対する正準共役になる。
Q:これはMTでは書かれていないが成り立つのか?
- KdV-flow
周期ポテンシャルは、周期スペクトルを指定すると、KdV-flowにより、transitiveに移る。
これは、ヤコビアン多様体の実トーラスに一致する。
ヤコビアン多様体を定義するためにLattice構造は周期ポテンシャルを用いて収束条件により規定される。
- 周期ポテンシャルの微分条件
微分方程式と固有値展開(小谷)定理4.15(Marchenko-Ostrovsky)では、
周期ポテンシャルの微分可能性と周期スペクトルの和の収束条件の対応、
が記述されていた。(この定理がどこで証明されているのか記載がないので、ずっと気になっている。)
SWProp2.8では、real analytic loopが主な対象である旨の記述がある。
Q:finite gapでない場合の周期ポテンシャルの軌道が張る閉空間はどのようなloopに対応するのか?


* NSによる、H=H^1/2をシンプレクティック空間とみなす方針では、
MTのポアソン構造から定数部分をはずしているが、これは自然。
HはHeisenberg群に拡張される。
Hの基底{z^k}を用いて値の積によりformalには環の構造を入れることができる。
Q:真空期待値をとることでCFTでは収束の議論を無視できるが、今の場合はSchwarzの不等式により収束が言えるか?
Q:2の方針でtheta関数を定義するためには、HにおけるLattice構造として、何をとればよいのか?


* TTによる、周期写像の埋め込みでは、
3による定義ができることを示している。
Q:SWの§9のtheta関数とτ関数の対応の証明の議論がどこまで適用可能か?

MT:McKean-troubowitz
NS:Nag-Sullivan
SW:Segal-Wilson
TT:Teo-Takhtajan