2012年3月19日月曜日

有理Cherednik代数

From Double Hecke algebra to analysishttp://arxiv.org/abs/math/9806097v2

Representations of rational Cherednik algebras
http://arxiv.org/abs/math/0504600v2
Hecke代数の階層として、
0次元:Weyl群 <-> 有限Hecke代数
1次元:nilpotent part <-> affine Hecke代数
2次元:包絡環 <-> double affine Hecke代数
と思える。
幾何学的実現は、finite,affine Hecke代数については、
Chriss-GinzburgによるWeyl群の群環のSteinberg多様体上の同変K群による表現
曲線のHall代数またはLusztigによる構成
があったが、DAHAについて、幾何学的実現があるか?
という問題意識がある。
DAHAの前に、それが退化した形で有理Cherednik代数
を見るのが自然のようだ。

量子群の場合結晶基底の概念があったが、
有理Cherednik代数の場合はどうか?
という疑問がおこる。
そのために、まず表現論を見る必要がある。

有理Cherednik代数の表現論は、
highest weight categoryとして捉えられる部分がある。
すなわち、
多項式環を二つ用意して、それぞれに群を作用させたものを、
一方の多項式環を微分作用素と見なすのが有理Cherednik代数であるから、
Verma加群に対応するもの、
有限列をもつこと、
既約表現の具体的な構成、
sl2-tripleの構成
がある。

Lecture notes on Cherednik algebras
http://arxiv.org/abs/1001.0432v4
の3章では、
PBW型の基底の表示と
表現論の証明の概説があり、
3.14で群が巡回群の場合の例がある。
4章では、行列積分と多項式表現から定まるsymmetric formのdeterminant因子での値を結びつけている。
有理Cherednik代数の中心の値に関する漸化式として示している。
これから、ガンマ関数の一般論を援用して、
The Macdonald-Mehta integralを示している。
(行列積分とCohomological Hall代数との関係、それと有理Cherednik代数の関係
と、このあたりの代数系のつながりが、Shiffmann-Vasserotの話と絡めて気になるところだ。)

共形場理論では、KZ方程式により、
Braid群の作用を考えることができたが、
有理Cherednik代数の場合も、discriminant divisorで局所化することにより、
Euler作用が0の加群からBraid群に関する局所系に対応させる
KZ-functorを考えることができる。

Microlocalization of rational Cherednik algebras
http://arxiv.org/abs/0705.1245v2
F-actionの概念が導入されている。
有理Cherednik代数とそのspherical subalgebraが
森田同値となることを利用して、
spherical subalgebraの量子化を行う。

Representation theory of the rational Cherednik algebras of type Z/lZ via microlocal analysis
http://arxiv.org/abs/1003.3407v2
巡回群の場合の有理Cherednik代数の表現論を、超局所解析を用いて
アーベル圏として同値な圏に移している。

2012年3月14日水曜日

Persistent homology

Topology and Data
http://comptop.stanford.edu/u/preprints/topologyAndData.pdf
では、点群に対して、単体的複体を構成し、
persistent cyclesを計算している。
これは、離散的な集合から非アルキメデス的なデータを作る操作と見なすことができないだろうか?

Measuring Shape with Topology
http://arxiv.org/abs/1011.2258
では、フラクタル的な図形に対して、
persistencyを計算している。

カントール集合のような完全不連結集合に対して、
persistencyを計算すると、
cycleの生死の状況はtree構造になり、カントール集合を境界とする非アルキメデス距離空間の構造が復元される。

Euler Calculus with Applications to Signals and Sensing
http://arxiv.org/abs/1202.0275v1
整数値可構関数に対して、Euler数を計算している。
層と関数の対応を(Grothendieckの辞書はない状況だが)用いている。
Fourier-Sato変換やBessel変換といった超局所解析のおもちゃ版として、
馴染み易い。

* クラスタリングの拡張としてのpersistent homology
機械学習におけるクラスタリングは連結集合を数えていた。
persistent homologyは高次の特徴を捉えるもの。
(関連して多様体学習や計算代数統計といったキーワードがある。
趣味で学ぶほどには興味はわかないが、
プログラマとしての一般教養として知っておきたいところである。子会社勤務のIT土方としては、業務に直接の関係はないのが辛いところだ。)

2012年3月4日日曜日

Jack多項式

Alday-Gaiotto-Tachikawa 予想とその発展
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~sokened/sokendenshi/vol11/lectureAGTfinalDenshi.pdf
- Gaiotto による M5-ブレイン構成
NSブレーンとD4ブレーンによる図式
弱結合はパンツ分解がグラフに退化している状況に対応する。
また、
質量がない場合は、特異有理曲線の場合で、曲線の変形が質量パラメータに対応する。
すなわち、ハイパー多重項のパラメータはSeiberg-Witten微分の2次の極の係数に対応する。
これをリーマン面の2次微分とリボングラフの対応から理解すると解り易い。

- ストレステンソルと量子 Seiberg-Witten 微分
ストレステンソルを入れた時のWard-Takahashiの恒等式とSW微分の質量変形の解釈の類似。
- Dijkgraaf-Vafa β-アンサンブル
- Zorichのflat surfaceとGross Siebertのtropicalの話
リボングラフの話と2次微分の関係を、退化を込めて記述する。
そのために、分岐を許した被覆をとる。

- 幾何学的転移
行列模型のラージ N 極限における振る舞いはスペクトル曲線として、古典的な曲線に量子補正が加わったものと
解釈できる。


Generalized matrix models and AGT correspondence at all genera
http://arxiv.org/abs/1011.5417v2

Quantum Hitchin Systems via beta-deformed Matrix Models
http://arxiv.org/abs/1104.4016v2

* Calogero-Sutherland
A lecture on the Calogero-Sutherland models
http://arxiv.org/abs/hep-th/9405104v3
Calogero-Sutherland模型は、
変数¥betaを用いて、調和振動子のハミルトニアンを変形したもの。
¥beta=0のときは、元々の調和振動子で、
¥beta=1のときは、パウリの排他律が成り立つ、すなわちフェルミオンになる。
実際には、円周上の自由電子のモデルになる。
そこで、変数を円周の普遍被覆、すなわち直線上に引き戻すことができる。(2.4)
さらに励起状態/基底状態はJack多項式で表される。
対角化のために、Dunkl作用素が使用される。

Jack polynomials and Hilbert schemes of points on surfaces
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9610021v1
射影直線の直線束の全空間にトーラス作用を入れたもののHilbert schemeをみる。
直線束のdegreeがJack多項式のパラメータに対応する。
Jack多項式のdominant順序はトーラス作用による軌道の順序に言い換えられる。(Prop4.14)


The cohomology rings of Hilbert schemes via Jack polynomials
http://arxiv.org/abs/math/0411255v1
Nakajimaの論文とトーラス作用が異なっているが大筋は一緒。

The elliptic Hall algebra and the equivariant K-theory of the Hilbert scheme of $\mathbb{A}^2$
http://arxiv.org/abs/0905.2555v3

Conformal blocks in Virasoro and W theories: duality and the Calogero-Sutherland model
http://arxiv.org/abs/1110.1101v2

Laumon Spaces and the Calogero-Sutherland Integrable System
http://arxiv.org/abs/0811.4454v2

The elliptic Hall algebra, Cherednick Hecke algebras and Macdonald polynomials
http://arxiv.org/abs/0802.4001v1

Cherednik algebras, W algebras and the equivariant cohomology of the moduli space of instantons on A^2
http://arxiv.org/abs/1202.2756v1

* beta ensembleと概均質ベクトル空間
Eisenstein級数と概均質ベクトル空間のゼータ関数
http://www.math.kobe-u.ac.jp/publications/rlm-2-106.pdf
行列積分をアデール化したいが、
有限素点の場合にポテンシャルとHaar測度を設定して計算するとどうなるか?


代数体上の直交群の非正規玉河数の密度につ いて
http://www2.kobe-u.ac.jp/~mhsaito/agsymkobe07/proceedings/hayasaka-yukie.pdf