2010年11月30日火曜日

カンファレンス復習

http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/schedule.html
における興味深かった講義内容。

*p-adic Hodge theory
http://www.math.u-psud.fr/~fargues/Courbe.pdf
に記述されている、generalized Riemann sphereを用いた、
weakly admissible representationがadmissibleであることの証明。

射影直線の連接層のなす導来圏には、t構造として、クロネッカー代数の表現が入る。
それを少し複雑にして、Harder-Narasimhan filtrationとして、
各有理数に対して、rankとdegreeが対応するベクトル束が存在するような
"曲線"を構築している。
この場合、Witt vectorが自然に絡んできて、基礎体について、仮定が必要になる。

* Analytic spaces over F_1
http://www.diffusion.ens.fr/index.php?res=conf&idconf=2843#
の講義の内容を前提としての話。
F1代数の上で、スキーム論と解析空間論を平行に話をしていた。
代数的な話は、Spec,Zariski Specを定義し、
アファイン空間を定義していた。
局所化や、貼り合わせの話はよく掴めなかった。
解析的な話は、rational domainやWeierstrass domainを定義して、
解析空間の定義をしていた。

* The arithmetic curve, Witt vectors and zeta
http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/slidesnagoyacolloq.pdf
BCシステムとWitt環の関係を述べている。
アデールクラスをmonoidとして、幾何学的にとらえて、
跡公式を通してゼータ関数と関係づけようという話。
(http://www.alainconnes.org/docs/HyperJ.pdf)
Witt環を無限素点上でも定義できるようにしようとすると、
フロベニウス作用素を拡大解釈する必要があるが、
hyper fieldおよびsemi fieldを考えることで、
拡張ができる、ということが示されている。
(http://www.alainconnes.org/docs/henri65.pdf)

* Foliated spaces
(http://math.mit.edu/~kedlaya/conference2010/slidesnagoyafoliation.pdf)
アデールクラスに値をとる射影直線をF1上に定義しようとして、
そのために非可換幾何の枠組みを使用している。
同値類とleavesを対応させているため、
葉層構造上の不変測度の存在を測るGodbillon-Vey類が重要。

* 感想
上記、p進表現もアデールクラスも、射影直線に話を帰着させて計算を行っている点が興味深い。