2009年6月30日火曜日

exercise

Karatzas-Shreveの3.31 Exerciseに
伊藤積分の反復積分としてエルミート多項式を用いた表現があった。

ランダム行列ではポテンシャルを選んで分配関数をエルミート多項式で表すこともできた。

Gaussian分布からブラウン運動が作られていて、
エルミート多項式が現れるのは自然だが、
また、伊藤の公式からかなり強い制限がでてくるが、
他の直交多項式が現れるような確率過程の反復積分はないのだろうか?

2009年6月29日月曜日

virasoro algebraの作用

On action of the Virasoro algebra on the space of univalent functions
http://arxiv.org/abs/0704.2149
に具体的にvirasoro代数がどう正則関数に作用するか、の記述がまとまっていた。

Diffeomorphisms of the circle and Brownian motions on an infinite-dimensional symplectic group
http://arxiv.org/abs/0802.1955
Malliavinのsp(∞)上のブラウン運動の解説。

Heat kernel analysis on infinite-dimensional groups
http://www.math.uconn.edu/~gordina/tuebingen-paper.pdf
に無限次元空間にたいして熱核をどう定めるか、歴史とまとめがあった。

2次元の場合時間変更を許してブラウン運動の性質を保つ関数は
正則もしくは反正則に限る。
では、時間変更を許してブラウン運動の性質を保つ写像、
は一般にどんな性質を持つだろうか?

また、
knotの空間に対して、ブラウン運動や熱核を定めて、
それを割ることが可能だろうか?

2009年6月19日金曜日

ブラウン運動について

ブラウン運動とはどのように理解すればよいのだろうか?

ブラウン運動を、まず、
点という幾何学的対象がある幾何学的空間に埋め込まれているときの1パラメータに伴う確率的振る舞い、
と理解し、BM(pt, X)とでも書いてみる。
ptは自己同型群は自明で、変形の自由度を持たない。
したがって、1パラメータによって記述できる自由度は、X内の移動のみ、
ということになる。
そうして、おおらかに、
BM: 幾何学的対象2つ組の圏->確率的対象の圏
という関手とみなしてしまおう。(2つの圏が定かでない以上数学ではなくて妄想だが)

そうすると、次に調べるべきは、
BM(pt/G, X): 群Gを自己同型群に持つ1点のブラウン運動
ということになるだろう。
この場合、1パラメータによって記述できる自由度は、X内の移動と自己同型Gとなる。
Gが有限群とすると、1/Gで重みをつけて、酔歩することになる、と予想される。(この意味も定かでない)

BM(S1, X)と幾何学的対象として円周をとるとどうなるだろうか?
この場合、S1は自己同型を位相的、微分多様体、ユークリッド幾何としての合同のみ、
といろいろな場合を考えることができ、それに応じて、1パラメータによって記述できる自由度も変わる。
Diff(S1)/S1をとってみると、無限小変形として、Virasoro代数(中心拡大前)が出てくる。
1パラメータで記述できる自由度はVirasoro代数とX内の移動、ということになる。
1パラメータでの軌跡を閉弦の運動と見ると、これは2次元のcyrindarになり、S1が分裂しない限りは穴あきにはならない。

さらに、楕円曲線Eをとって、
BM(E,X)とするとどうなるだろうか?
ここでE、Xを複素多様体と制限すると、これは、
BM(pt, (Moduli(Ellitic curve)に自己同型を考慮したstack)*X)
といいかえられるのだろうか?
つまり、
ある構造を持った幾何学的対象のブラウン運動は、そのモジュライ空間におけるptのブラウン運動と等価になるのだろうか?
という疑問がわく。
これはそのままでは当然ナンセンスで、
1. モジュライ空間をとる、すなわち何らかの意味で割り算をする、ということがブラウン運動と両立しなければならない
2. モジュライ空間の距離がもともとのブラウン運動の空間移動と両立しなければならない
という必要条件がでてくる。

以上はBMのinputについての話だった。
では、BMのoutputである確率的対象はどういったことになるのだろうか?
これについては、とりあえず、余白がないので書けない、と後回しにすることにして、
Karatzas&Shreveのブラウン運動の章を理解することからはじめることにする。先は長そうだ。

とりあえず、題名に惹かれて、
WIENER SOCCER AND ITS GENERALIZATION
http://www.emis.de/journals/EJP-ECP/EcpVol3/paper1.pdf

2009年6月17日水曜日

crossing probability

Cardy's formula on the triangularlattice, the easy way
http://www.umpa.ens-lyon.fr/~vbeffara/files/Proceedings-Toronto.pdf
をみると、
Smirnovの議論は、
三角形分割をした際の確率の対称性から正則性を導出している。
(Propositon1の証明は省かれていて、そこではパーコレーションの性質を使っているようだ。)

いったん正則性が出てしまうと、crossing probabilityは境界上の4点のうち、3点を与えられた点に移す写像のあとで計算すればよい。
すなわち、crossing probabilityはCFTでの4点相関関数の計算ということになるが、
そうなるとCFTからは{0,1,∞,λ}に点を移して2階の微分方程式がでてくる。

Using the Schramm-Loewner evolution to explain certain non-local observables in the 2d critical Ising model
http://arxiv.org/abs/0905.2430
4点相関関数に対応するものをSLEから導出している。

- Zagierの計算でmodular formが出てきたのはどうしてだろう?
- A2対称性は正則性の導出に利用されているが、アファインA2の対称性はどこかで使われるのか?
- Riemann surfaceを三角形分割してSmirnovの議論をすると何かいえるのか?
と、まだもやもやはたくさん残ったまま。

2009年6月15日月曜日

affine Weyl群による総和

熱核をaffine Weyl群の作用で総和したものをChern-Simon Theoryと結び付けていた。
ここでは、非衝突のN点の運動をU(N)の固有値の運動と見ている。
さらにYang-Mills theoryと結び付けていた。
Brownian Motion, Chern-Simons Theory, and 2d Yang-Mills
http://arxiv.org/abs/hep-th/0406093

もう少し詳しく以下の論文にまとめられている。
Chern-Simons Theory, 2d Yang-Mills, and Lie Algebra Wanderers
http://arxiv.org/abs/hep-th/0412110

モーメント問題と熱核のゼータ関数を結びつける論文があった。
Heat kernel-zeta function relationship coming from the classical moment problem
http://arxiv.org/abs/math-ph/0112050

すると、ランダム行列とどう関係するのか?という疑問がわくが、
Chern-Simons theory, exactly solvable models and free fermions at finite temperature
http://arxiv.org/abs/0808.1079
にいくつか関係する項目がまとめられていた。

2009年6月14日日曜日

リーマン面について復習

リーマン面の一意化とラプラシアンについて書いてある論文。
Kronecker's 1st limit formulaを
ラプラシアンを生成作用素とする半群を考えるとなにかでてくるか?
という観点でみてみる。
Holomorphic factorization of determinants of laplacians on Riemann surfaces and a higher genus generalization of Kronecker's first limit formula
http://arxiv.org/abs/math/0410294

prime formなど、テータ関数を用いて定義される概念がどこまで代数化されるか、
KNTYと比較してみたい論文。
Quantum Field Theories on Algebraic Curves and A. Weil Reciprocity Law
http://arxiv.org/abs/0812.0169

上半平面の熱核については解説があった。

リーマン面のスペクトル幾何
http://www.math.titech.ac.jp/~shiga/file/Spectral.pdf

2009年6月12日金曜日

A2型とpercolation

たとえば「パンルヴェ方程式(野海正俊)」の2.3アフィンワイル群の章を見てみると、
A2型は、平面の正三角形による敷き詰めに対する、鏡映になる。
A1型がブラウン運動がある区間に存在するときの確率だったから、
同様に考えると、正三角形内のブラウン運動の境界に辿り着く確率が関係してくる、
と想像される。
これはまさにパーコレーションの世界なので、それらしいものが落ちていないか見ていると、
以下の論文があった。

New percolation crossing formulas and second-order modular forms
http://arxiv.org/abs/0905.1727

Crossing Probabilities and Modular Forms
http://arxiv.org/abs/math-ph/0209023

A2型のaffine Weyl群の場合の確率は、
Exit problems associated with affine reflection groups
http://arxiv.org/abs/0707.2009
の(10)で与えられているが、
これだけ見ていると味も素っ気もない。

A1型のaffine Weyl群の対称性

ブラウン運動の反射原理から、
1次元ブラウン運動で、0およびhに吸収壁をおいたものは、
A1型のaffine Weyl群の作用を施して推移確率分布が求まる。
W=
r1:x->-x
r2:x->2h-x
という作用について、
p2(t,x,y) := Σw∈W (-1)^|w| * p(t,y|wx)
とすると、
これは、対称性を持つ。とくにx,y->0,t->1とするように分母に
p1(t,x|y):=p(t,y|x) - p(t,y|-x)
として比を取ると、
テータ関数が出てくる。
期待値はメリン変換だから、
(GL2)保型形式のメリン変換がDirichlet級数になるというWeilの定理から、
期待値はDirichlet級数になる。
この場合は、Riemann zeta関数になる。

そんな話が下記の論文の前半に出ていた。
では、もっと他のaffine Weyl群の対称性を持つ推移確率分布について、
その期待値は綺麗な級数表示を持つのだろうか?

Two Bessel Bridges Conditioned Never to Collide, Double Dirichlet Series, and Jacobi Theta Function
http://arxiv.org/abs/0711.1710

2009年6月6日土曜日

realにまつわるエトセトラ

ラグランジュファイバー束でnon Kahlerなものから
複素射影空間への(non holomorphicな)埋め込みが記述されていた。
Theta functions on Kodaira-Thurston manifold
http://arxiv.org/abs/0902.2843

Riemann面のmoduliにreal analyticなlocal coordinateを入れている。
The universal Whitham hierarchy and the geometry of the moduli space of pointed Riemann surfaces
http://arxiv.org/abs/0810.2139

タウ関数とLaplacianのdeterminantの関係を記述している。
Matrix Riemann-Hilbert problems related to branched coverings of $\CP1$
http://arxiv.org/abs/math-ph/0106009

2009年6月4日木曜日

genus2のmoduliとschlesinger方程式

マニンのhamiltonianは、moduliが1次元で楕円曲線が1次元だった。

schlesinger方程式でgenus 2に対応する3(+3固定)点について、
とりあえず、Siegel上半平面にどう写像されるのか、というのが興味となるが、
Singular Z_N curves, Riemann-Hilbert problem and modular solutions of the Schlesinger equation
http://arxiv.org/abs/math-ph/0306050
にパラメータを少なくして3*3のmatrixを使った計算が記載されていた。

2009年6月2日火曜日

schlesinger方程式のτ関数

On solutions of the Schlesinger Equations in Terms of $\Theta$-Functions
http://arxiv.org/abs/math-ph/9810007
にschlesinger方程式のτ関数を超楕円曲線のテータ関数を使ってあらわす式が示されていた。

Deiftがrandom matrixとの関係から(τ関数はないけど)同様の式を導出していた、とも書いてあった。

Frobenius構造、Eynaud-Orintin、といったものとの関係、が明確になればいいのだけれど。

2009年6月1日月曜日

フロベニウス構造

マニンのelliptic pencilは、
射影直線上の3点を固定して1点を動かすmoduli
が楕円曲線の周期と対応付けられるところからきている。
これをn点として、確定特異点を持つ接続を考えると、
自然に等モノドロミー変形、schlesinger方程式がでてくる。

Sabbahの本では、Fourier変換で、shlesinger方程式の1次のpoleを集めて、
0,∞に特異点を持つ接続に変換し、universalなintegrable deformationと関係付けていた。
佐藤グラスマン多様体の点に対応する微分作用素に対して、Fourier変換を考える動機になるだろうか?

n点に対する有理接続から自然にフロベニウス構造が定まるが、
このフロベニウス構造に現れるcubicな構造と、
Cubics, Integrable Systems, and Calabi-Yau Threefolds
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9408004
に現れるcubic構造とはどのように関係してくるのだろうか?

また、
shlesinger方程式のτ関数は、佐藤グラスマンの言葉でのτ関数と、関係するのだろうか?
「ホロノミック量子場」では、
"ここではくわしく述べることはできないが、タウ関数は楕円関数論におけるテータ関数の類似物と考えられる。"
と記述があって、それで終わっている。
n点に対応する超楕円曲線のテータ関数、あるいはそれから作られる関数として、
記述ができるのであれば、τ関数というものが漠然と解った気になれるのだけれど、
両者の関係がわからない。

さらに、n点はもともと実構造で取っていたけれど、
フロベニウス構造からアファイン構造になっているので、
実構造にはヘッセ構造が入って、複素化がフロベニウス構造に対応する、
というようにはならないものだろうか?