2009年4月26日日曜日

epsilon factor

p-adic Lie groupGを与えたときに対応するp-adic L-functionは
Algebraic $p$-Adic $L$-Functions in Non-Commutative Iwasawa Theory
http://projecteuclid.org/DPubS?service=UI&version=1.0&verb=Display&handle=euclid.prims/1234361155
で定義されている。
このp-adic L-functionはGがrank oneのときcanonicalにEuler characteristic classとなる。
(Th4.1)

一方、
Sheaves with connection on abelian varieties
http://arxiv.org/abs/alg-geom/9602023
でKrichiever mapをFourier-Mukai変換と解釈して、D-moduleのsettingで解釈しようという試みがある。
$\epsilon$-factors for Gauss-Manin determinants
http://arxiv.org/abs/math/0111277
でepsilon-factorをdeRham settingで定義し、
Topological $\epsilon$-factors
http://arxiv.org/abs/math/0610055
でbetti settingで定義し、
Riemann面の場合の説明が
http://www.math.uchicago.edu/~mitya/langlands/dt.pdf
で与えられている。
deRhamとbettiの場合の関係(period)は
$\epsilon$-Factors for the Period Determinants of Curves
http://arxiv.org/abs/0903.2674
で与えられている。

epsilon factorはramifiedなlocal systemもしくはirregular singurarityをもつD-module
を測っていて、Tate's thesisではアデール群上の積分としてdualityを記述して自然に定義された。
LaumonはFourier変換をsheafの上で定義することによりgeometricな定義を与えた。
p-adic L-functionはもともとはGalois群のone parameter群に対応するEuler類として解釈されたのだけれど、
epsilon factorと上記のp-adic L-functionとが、
何らかの形で結びついてくれれば、面白い。


deRham settingの理解のために以下を読むつもり。
Local Fourier transforms and rigidity for D-modules
http://arxiv.org/abs/math/0312343

2009年4月14日火曜日

境界付リーマン面

SLEについてみてみようとすると、境界付リーマン面とBoundaryCFTが必要になってくるみたいだ。
代数幾何、複素幾何の手法では、BoundaryCFTはかなり扱いづらいように見える。

Schottky doubleを考えても結局貼り合わせの実曲線をどう扱うかが解らないし、
貼り合わせの近くで局所的に虚軸方向のみの関数をうまく扱うquasi-modular的なものも、
そのままではよくわからない。

境界がどんどん小さくなっていって一点につぶれた場合は、real-S1 blow-upとでも思って、log構造をいれたリーマン面を考えればよいだろうけど、それだけでは足りないだろう。

とりあえず三角形分割して、それに付随する代数構造があるようだ。
2次元Ising模型を格子の極限をとるときにfermionを結ぶgraphを考えると自由エネルギーが計算されるが、
Okounkovのアメーバの方法に類似して、境界付リーマン面上のfermionの場合にcluster algbraが使えないだろうか?
Cluster algebras and triangulated surfaces. Part I: Cluster complexes
http://arxiv.org/abs/math/0608367

2009年4月13日月曜日

具体的なτ関数

Sigma Function as A Tau Function
http://arxiv.org/abs/0904.0846
に(n,s)曲線の場合の具体的なτ関数の計算が載っていた。

一方
Invariants of algebraic curves and topological expansion
http://arxiv.org/abs/math-ph/0702045
には、
「We thus have a notion of a τ function associated to an algebraic curve. Suchnotion has already been encountered in the litterature [9], and it is not clear whetherour definition coincides with other existing definitions. What can be understood sofar, is that we are defining a sort of quantum deformation of a classical τ -functionwhose spectral curve is E.」
とあるので、比較してみたいところだ。

explicit reciprocity law

もともと、ヤコビアンの類似を局所体上に構築しようというのが岩澤理論だったから、
formal curveのAJ-mapの類似は、higher local field上のKummer-mapとexp-mapになる。

ということは、reciprocity lawということになる。

Reciprocity laws à la Iwasawa-Wiles
http://arxiv.org/abs/0810.0229
にLubin-Tateの場合と、Drinfeld-moduleの場合での具体的な計算が載っていた。

k((z))*を拡張しようとするとき、これをK1とみるかGL(1)とみるかで方向性が変わってくるが、
ことreciprocity lawに関する限り、まずはHigher-K群とみるのが妥当らしい。
では、Higher-K群について、Sato-Grassmannの場合のように、
commensurabilityを定義して、何かをパラメトライズしている空間と思えるか?
というのが疑問となる。
まずはK2(k((z)))に自然なfiltrationが入るか?ということからになるだろうか?

τ関数の双線形性はどこからきたかというと、residue formula、すなわちfudamental-classの存在と、
ペアリングからきている。
この路線では、
The higher Hilbert pairing via (phi,G)-modules
http://arxiv.org/abs/0705.4269
がある。

代数曲線の背後にmotifがあって、(quantum) field theoryと関係があるなら、
可積分系の話とp進での表現は結びついてしかるべきで、
とくに有理数体の絶対ガロア群が何らかの形で対称性の作用を及ぼすなら、
局所的には局所体のガロア群も作用するだろう、
と安直に考えてみる。

2009年4月12日日曜日

http://www-math.mit.edu/~kedlaya/18.787/compiled.pdf
p-adic differential equations (version of 7 Jan08)Kiran S. Kedlaya

p進微分方程式の解りやすそうな解説があった。
ぱらぱらと読んでみようかと思う。

気にしている点は、
formal curveのAJ-mapがexpの逆写像により、わかりやすく記述されていたが、
formal curveをガロア表現に置き換えて、expの逆写像を通してp進Lie環への綺麗な写像がないかどうか、
という点。
BA関数がresidue theoremを通してτ関数の自然な比で書けていたような状況が、p進の状況でないだろうか?
また、k((t))がSatoGrassmannを定義するのに必要だったけれど、
これをspecial fibreを固定して拡げたformal curve上で考えることはできないだろうか?

2009年4月11日土曜日

球面の接バンドル

「ヘッセ幾何学(裳華房)」の命題3.2.9に、(c=-4として)
球面S^gの成分が正の開領域に、Hesse構造が入る、
という記述があった。

一方、命題2.2.4に、
(M,D)が平坦多様体、gをRiemann計量とするとき、
gがHesse計量である、ということと
gの引き戻しが(TM,J)に関するKahler計量である、
が同値、という記述があった。

単純に考えると、球面とは、g+1個の点に対する確率を与えるものだから、
実数直線上のg+1個の異なる点に対して、そこにサポートを持つ確率測度を対応させることとする。
もともとはMoserによる可積分系との関連として、
この測度のサポートにスペクトルを持つJacobi行列の集合が球面(の開領域)になる。
一方、
MumfordのTata2には、超楕円曲線のヤコビアンの開集合の被覆の集まりとしてT(S^g)(の複素化)
が記述されていた。

両者の関係はどうなるのだろうか?
(T(S^g),J)は、何になるのだろうか?

特に興味があるのは、gを無限大に飛ばしたときの挙動。

2009年4月9日木曜日

SatoGrassmannのなかの曲線たち

http://arxiv.org/abs/alg-geom/9711022
Equations of the moduli of pointed curves in the infinite Grassmannian

主題は、
K:M∞->Gr(k((z)))
curveからSatoGrassmannianへのKrichiever mapの像を、擬微分作用素による方程式で特徴付ける、
というもの。
記述がとてもわかりやすかった。

1. formal curveのJacobian
formal curve Cに対して、Jacobianはなんだろうか?
J=lim(Cのn次対称積)
をとればよいが、
C=Spf(k[[t]])
として、
J=Spf(k{{x1,x2,...}})
となり、これは論文の記号でΓ-と同型である。

2. Abel-Jacobi map(AJ) + expの逆写像
exp:A->J
は通常ならLie環からJacobian(Lie group)への写像であるが、formal schemeとして、
逆写像を考えれば、Vは可換群のLie環なので単なるformal Affine scheme
よって
expの逆写像をAJに合成すると、
ωj=(t^j)dtたちで張られるCの1-formの積分を取ることになるから
t->(t,t^2/2,t^3/3, ....)
という写像になる。

3. expの具体的な記述
exp:A->Γ-

{a[i]}->exp(Σa[i]*z^(-i))
で与えられるので、
AJはa[i]=t^i/iを代入して、
t->1/(1-t/z)
という式になる。
とても簡単な式だ。

4. Poincare bundle
SatoGrassmannGr(k((z)))上にはdeterminant bundleがいる。
そのdualをΓのGr(k((z)))に対するactionで引き戻して、
Poincare bundleとしている。

5. τ関数、BA関数など
Scheme theoreticに展開されているのでわかりやすい。