2011年3月11日金曜日

雑多な話

* Szegö via Jacobi
(http://arxiv.org/abs/math/0604009)
に、Szegoのstrong limit theorem(http://en.wikipedia.org/wiki/Fredholm_determinant)
の証明があった。

* 有限体上の超楕円曲線のFrobenius写像の固有値の分布で、genusに関する極限を取る話
Traces of high powers of the Frobenius class in the hyperelliptic ensemble
(http://arxiv.org/abs/0811.3649)
有限体の位数ではなく、曲線の種数で極限を取る、
という点で、面白い。
これを、数体(標数を固定して局所体で考えれば十分)上のモデルからreductionによって得られるものとしたとき、
dessin d'enfantの系列はどうなるだろうか?

* 代数曲線と非可換代数
Calogero-Moser Spaces over Algebraic Curves
(http://arxiv.org/abs/0809.4521)
射影直線の導来圏はKronecker代数の導来圏と同型だが、
これを逆にみて、代数曲線上の微分作用素のなす代数を
非可換代数上の加群の言葉で書こうという話。

2011年3月8日火曜日

Ribbon graphとRiemann面

* Ribbon Graphとリーマン面の対応
RIBBON GRAPHS, QUADRATIC DIFFERENTIALS ON RIEMANN SURFACES, AND ALGEBRAIC CURVES DEFINED
OVER Q-bar
(http://www.math.ucdavis.edu/~mulase/texfiles/ribbon.pdf)
に、Ribbon graphとRiemann面の対応が紹介されている。

そのもとで、
LECTURES ON THE ASYMPTOTIC EXPANSION OF A HERMITIAN MATRIX INTEGRAL
(http://www.math.ucdavis.edu/~mulase/texfiles/lectures.pdf)
において、行列積分、すなわち、Hermitian matrixのもとでの、
log(E(exp(?)))
の形の式と、Riemann面のモジュライが結びつく。
ここで、E()は上の文脈ではA()と漸近展開の意味であるが、
これを何らかの意味での期待値と見なしたい。

* ラプラス変換とPoincare多項式
TOPOLOGICAL RECURSION FOR THE POINCARE ́ POLYNOMIAL OF THE COMBINATORIAL MODULI SPACE OF CURVES
(http://www.math.ucdavis.edu/~mulase/texfiles/mppoincare2.pdf)
では、上記の行列積分の漸近展開式の各(g,n)に対応する部分について、
Eynard-Orantinの組み合わせ漸化式から漸化式を導出している。

ここで気になってくるのは、
Riemann面をfixしてN点をとったときの、LDPはグリーン関数に基づいた
Rate関数が出てくるが、
複素構造を決めずに、
N点を取ってから、たとえばVoronoi図をとって領域を分割し、
そこからRibbon graphを作って、対応するRiemann面を取る、
という手順にすると、(g,n)をfixしたモジュライの上に確率測度が導出され、
その測度の元でのLDPのRate関数として、上記の行列積分の破片がでてくる、
というようにはならないだろうか?
ということ。
無論、N点をとってRibbon graphの上に長さを定義できるためには、
最初にユークリッド構造を入れておく必要がある。
つまり、universal curve上にGauss-Manin connectionが入って、
connectionと両立する移動のみでモジュライ空間の上をふらつくような、
点過程、
というものが素朴な抽像になる。

Zelditchの論文では、Gaussian random polynomialsを考えていたが、
そこに複素構造の変形までrandomにすることを含めるには、
どのようにすればよいだろうか?