2015年3月18日水曜日

測地線


局所化

[圏]において、 
- 位相空間Tから開集合と包含関係からなる圏 Open(T) が構成できる 
- 逆に圏 Open(T)から位相空間Tが射の系の極小性により、点を回復することで復元できる 
T=R2の時、Squr(T)Rect(T)Para(T)Open(T)と正方形、長方形、平行四辺形からなる部分圏が定義できる 
ということが説明されている。 
[Quasicon]においては、 
- Riemann面Xに2次微分が与えられると局所的に座標を導入することができるが、双曲的Riemann面の場合は、Squr(X)Rect(X)Para(X)の圏同値は、(複素共役すなわちFrobenius作用素の作用を除いて)正則構造、擬正則構造の同値類に対応する 
ということが説明されている。
局所化は、素朴には、距離の遠い物を無視して近傍の情報のみを抽出する、という操作になる。 
[Quasicon]における局所化は、
  1. 上半平面の開集合に対応する局所化 
    • H-domain、すなわちH X'Xという図式の定義
    • LocΠ(X)というH-domainによる対象と射の追加
    • 射がmonomorphismであることとopen immersionであることの対応(lem1.6,lem1.7)
    • 圏同値とRiemann面の同値との対応(Th1.12)
  2. 2次微分により定まる正方形、長方形、平行四辺形に対応する局所化 
    • (開)Riemann面YY¯¯¯上の2次微分ϕに対して、noncritical locusYnonとその普遍被覆面YnonYnonを定義(Def2.1)
    • ϕにより定まるnatural parameterにより正方形、長方形、平行四辺形を定義(Def2.1)
    • LocPΠ(X,ϕ)というΠ-covering(complete object)に平行四辺形(parallelogram object)からなる対象と射の追加
    • terminal objectの存在、complete, parallelogram objectの特徴付け(Prop2.2)
    • 圏同値とRiemann面+2次微分の同値との対応(Th2.3) 
      により行われる。
[Quasicon]の内容は、
  • Aut-holomorphic構造によるreconstruction theorem
  • AngloidによるFrobenioidの定義、Kummer対応
として議論に用いられる。 
一方で、[Quasicon]のTable1,Table2に出てくるp進体上の構成は、
  • [SemiAnbd]におけるspecial fiberの復元
  • absolute anabelian geometryによるreconstruction theorem
  • Tempered Frobenioidの定義、Kummer対応 
    として議論に用いられる。

測地線

2次微分の与えられたRiemann面においては、natural parameterにより、測地線とC=S1R>0の作用が定まる。 
特にStokes曲線による分割と曲線のなす角度を定めることが出来る。 
これらのデータからFukaya圏が構成でき、period mapとstability都の間に関係が付く。

開Riemann面上の2次微分から定まるA

そこで自然な疑問が出てくる。
  • p進体上で、測地線に対応するものは何か?
  • p進微分方程式、2次微分の議論でWKB法、cluster代数に対応するものを構成できるか?すなわち、数論的基本群上にflip,popの作用が持ち上がるか?
  • p進Teichmuller空間の議論ではregulalized Frobenius作用素に対する不変性、整構造がmetric structureに対応していた。適切な同一視をすれば、そこから組み合わせ的な圏の構造を抽出できるか?
  • 対応してFukaya圏の類似物を構成できるか? 
    係数は体とは限らないかもしれない。
  • A2型の特異点の半普遍変形として楕円曲線のmoduliがでてくるが、楕円曲線の等分点を結ぶという意味での測地線をp進体上で適切に定義できるか?その際にordinalynessは必要な条件か?
Written with StackEdit.