2013年12月30日月曜日

サマースクール復習その11


妄想

operは、Hitchin hamiltonianの量子化に使用された。 
一方で、p進Teichmuller空間における(擬似的な)普遍被覆空間の構成に用いられた。 
この量子化とTeichmuller的な議論の類似を拡大解釈したい。
Costelloの繰り込みを用いた低エネルギー有効場の理論は、
  • 繰り込み処方を定めた時の標準持ち上げ
  • 局所繰り込み群flowによる極限もしくは増大度の評価による繰り込み可能性
によって記述される。 
これをΘ-link, log-linkの類似と思いたい。 
標準持ち上げは、安定グラフ毎に重みを定めてpropagationを記述することになるが、 
Dessin d'enfantによる対応と見ると、P1{0,1,}の被覆(Belyi map)が対応するから、 
様々な双曲曲線の作用の整合系によって定まっていると思え、 
これはetale-likeな概念と思うことが出来るだろう。 
一方で、局所繰り込み群flowがFrobenius-likeな概念であって、 
長さの単位を変えることは付値の操作に対応するだろう。
それでは、anabelioidsに対応する概念は場の理論側では何になるのだろうか?

2013年12月13日金曜日

サマースクール復習その10


疑問

2つの状態の異なる理想気体を混合するとエントロピーは増大する。 
三角圏の場合に同様のことを定式化できるのだろうか? 
Dynamical systems and categoriesの2.2には、関手に関する不等式がある。
とりあえず、気体の混合に対応するには、偏屈層の貼り合わせを見るのが適当だろう。 
関連する項目を集めてみる。

How to glue perverse shaves

偏屈層の貼り合わせはvanishing cyclesを用いて記述される。 
How to glue perverse sheaves 
Notes on Beilinson's "How to glue perverse sheaves" 
Vanishing cycles for algebraic D-modules
formal discの場合、連接層はベクトル束と摩天楼層からなり、 Kronecker Quiver内のA1型のQuiverに対応していると思えるだろう。 
一方で偏屈層の場合は、generic fiberとspecial fiberの貼り合わせにモノドロミーの情報が必要となる。

1次元の場合のmicrolocal sheaves

Ribbon Graphs and Mirror Symmetry I 
実直線及びS1上の佐藤超関数は、δ関数とヘビサイド関数が特異台に寄与する。

行列因子化

Clifford環の類似として行列因子化が定義される。 
Compact generators in categories of matrix factorizations

ミラー対称性

2013年12月11日水曜日

サマースクール復習その9


期待値

(GO 2.2.1) 確率論では期待値はある確率測度の元での確率変数の積分。 
確率測度を表に出さずに積分を見ようとすると、 
n次元向き付け可能閉多様体Mの場合、de-Rham cohomologyの最高次数が体積要素で、 
期待値はtop formとのcup積になる。 すなわち、HndR(M)が積分の空間とみなせる。 
これは、coker(Ωn1(M)Ωn(M))であるが、 
ベクトル場によるcontracitonを用いて、kTMΩkMΩnkMと同一視すると、 
coker(TMΩnMΩnM)と書ける。 
de-Rham複体を書き直すと、 
nTMΩnM2TMΩnMTMΩnMΩnM 
となり、多重ベクトル場SymOMTM[1]の作用を持つ。 
(至る所消えない)体積要素μを固定すると、 mμ:kTMΩnkM,XιXμにより、 
BVラプラシアン Δμ=m1μdmμ が定義でき、上記の複体を見ると、 
μに関するBV複体(SymOMTM[1],Δμ)が定義できる。 
M上の関数fに対して、その測度μに対する期待値<f>μは 
H0(SymOMTM[1],Δμ)において、 
[f]BV=<f>μ[1]BV 
という関係をもつ。ただし、[f]BV,[1]BVはf,1のcohomology類(GO lem2.2.2) 
従って、cohomologyが1次元の場合には、測度を表に出さずにcohomology類を表す係数として、期待値が表される。
特にM=Rnμ=expSμLebesgueの場合(compact support係数を取って)、 
BV複体はtwisted de-Rham複体(ΩM,ddS)を書き直したものになる。

BV量子化

derivationからのズレを測る量として、Poisson括弧がある。 
多重ベクトル場に対するPoisson括弧の拡張として、Schouten括弧があり、cohomological degree1のPoisson括弧とみなせる。 commutative dg代数(A,d)に対して、Poisson括弧の情報を付加した(A,d,{,})Pois0代数と呼ぶ。(GO Def2.1.3)
Pois0代数をspecial fiberに持つ代数の変形を量子化とみなしたい。そのために、 
Beilinson-Drinfeld(BD)代数Aq=(A,d,{,})を、R[[]]上flatなgraded commutative algebraで、 
{,}がdegree1のPoisson括弧、dが 
d(ab)=(da)b+(1)|a|a(db)+{a,b} 
を満たすもの、と定義する。(GO Def2.2.5)
Aq=0=AqR[[]]R[[]]/()は定義からPois0代数であり、 
generic fiberA0=AqR[[]]R(())はただのcochain complexである。 
Pois0代数Aをspecial fiberに持つBD代数AqAのBV量子化という。(GO Def2.2.6)
M=Rnμ=expSμLebesgueの場合、 
special fiberがSymOMTM[1],ιdS)で、 
量子化がSymOMTM[1],ιdS+Δ)となるものを考える。
BV量子化の例として、
  • -1 symplecticベクトル空間(GO 2.4.1, 2.4.9, Prop2.4.10)
  • 自由場(GO2.5.3)とformal Hodge theory(GO 2.6 Global observables and formal Hodge theory)
がある。

Feynman diagram

V=K[[x1,,xN,ξ1,,ξN,]],deg(xi)=0,deg(ξi=1,deg()=0 
で定義されるgraded-commutative代数に対して、deg(-1)の微分作用素 
Q=Ni,j=1ai,jxiξjNi=1b(x)xiξiNi=12xiξi 
を定義し、BV代数(V,Q)のhomology類を計算したい。(GJF)
bが0の場合、Wickの補題になる。(GJF Example1, GO lem2.3.2) 
bが0でない場合、Feynman diagramを用いて計算できる。(GJF 3:general case, GO 2.3.3, Prop2.3.6)