2012年6月24日日曜日

クラスター

* Seiberg-Witten曲線
Seiberg-Witten integrable systemshttp://arxiv.org/abs/alg-geom/9705010v1

Geometry and physics of localization sums
http://www.math.columbia.edu/~thaddeus/seattle/okounkov.pdf

Donaldson-Thomas theoryは、
target space内の空間をイデアル層で数え上げるもの。
そのために、コホモロジー類(degree)、genus, Euler数をパラメータとするHilbert schemeを用いる。
target spaceがtoric Calabi-Yau 3foldの場合、
virtual fundamental classは0次元。
toricの場合、トーラス作用がHilbert schemeにあり、
局所化による計算が可能になり、DTの母関数はトーラス作用の孤立不動点の和になる。
トーラス作用の不動点は、凸多面体の頂点に対応する。
結晶溶解モデルにより統計力学の考え方に則って、

エネルギー=-化学ポテンシャル*体積+const*面積
として平衡状態のパラメータの条件を見ると、
化学ポテンシャルとDTのgenus依存性が対応し、
凸多面体の辺の長さとDTのdegree依存性が対応する。
熱力学的極限は、
化学ポテンシャルが0になる極限、すなわち、DTのgenus依存部分が0の場合。

この場合、
離散的な凸多面体の極限であるlimit shapeが現れるが、
これは、Ronkin関数を用いて記述される(実)代数曲線となり、
mirror curveである。
すなわち、Seiberg-Witten曲線となる。



行列模型とストークス現象
http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~tada/matrix/pdfs/Irie.pdf

行列模型においてlargeN極限とは、
離散的に定義された三角形分割による離散曲面に対する経路積分の、
meshの目の細かさに対する連続極限に対応する。
すなわち、弦の摂動展開。
行列模型のスペクトル曲線は、lageN極限における固有値の分布の情報を持っているので、
摂動的物理量はスペクトル曲線の情報から計算できる。
この場合、スペクトル曲線=Seiberg-Witten曲線。

一方、
非摂動的に化学ポテンシャルを入れた場合の分配関数は、
Seiberg-Witten曲線の情報だけでは定まらない。

Seiberg-Witten曲線は熱力学的極限、
あるいは、半古典近似であるから、
WKB法によるシュレーディンガー方程式の解の近似と
関係があることが想像される。

* WKB法
特異摂動の代数解析学
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sugaku1947/45/4/45_4_299/_pdf

1次元シュレディンガー方程式を、ポテンシャルQ(x)で用いて表した時に、
Q(x)^{1/2}をSeiberg-Witten曲線と見なしたい。
それが(1.4)の漸化式。
解のBorel変換を波動方程式の解と見る
(1.9)は、陪特性曲線に沿って特異性が伝搬する、
ということを示しているが、
これはEynardのスペクトル曲線における(y,x)の積分、あるいはSeiberg-Witten微分の積分
の一つの解釈になる。

Stokes曲線を変わり点を頂点とする2部グラフとみなすと、
Q(x)がFuchs型の微分方程式として与えられる場合には、
モノドロミー表現は2部グラフに対する組み合わせ的操作によって記述できる。

- 一番簡単な場合はAiry関数の場合で、これはQ(x)=xの場合に相当する。
- Random matrix側でのRiemann-Hilbert問題の解法との関係は?
- Q(x)のアメーバとStokes曲線の関係は?
- モノドロミー保存変形の場合に許される操作は?
- Stokes曲線とtrain tracksとの関係は?
といった疑問が生じる。


* 1点で分岐している場合NOTES ON PSI CLASSES
http://www.mat.uab.es/~kock/GW/notes/psi-notes.pdf
Invariants of spectral curves and intersection theory of moduli spaces of complex curves
http://arxiv.org/abs/1110.2949v1

* モノドロミー保存変形とHitchin Hamiltonian
Quantized moduli spaces of flat connections, Liouville theory, and integrable models
http://online.itp.ucsb.edu/online/integral11/teschner/pdf/Teschner_Integral11_KITP.pdf

Quantization of the Hitchin moduli spaces, Liouville theory, and the geometric Langlands correspondence I
http://arxiv.org/abs/1005.2846v4

G=SL(2)の場合に、
a) Fuchs型の微分方程式のモノドロミー保存変形
b) Liouville theory
c) Hitchin系(の量子化)
に対応がある。

* タイヒミュラー空間
Moduli spaces of local systems and higher Teichmuller theory
http://arxiv.org/abs/math/0311149v4
上記のa),b),c)の対応を一般の簡約群Gで定義するためには、
タイヒミュラー空間が定義される必要がある。
そのため、positeive representationの概念を定義し、
そのmoduliを定義する。

* クラスター代数
http://www.math.tohoku.ac.jp/~kuroki/LaTeX/201205Nagao/








2012年6月19日火曜日

クリスタリン

* 標数0でのalgebraic de Rham cohomology
Basics of Algebraic de Rham Cohomology
http://www.math.harvard.edu/~jay/writings/derham.pdf
で、Grothendieckによる代数的なde Rham cohomologyと解析的de Rham cohomologyのisomorphism
が説明されている。
properでない場合は広中の特異点解消定理によりsmooth proper schemeに埋め込んで議論をする。
埋め込み方によらず、complementで任意位数の極を持つ微分形式が定義でき、
GAGAが使用できる点がポイント。

ON THE DE RHAM COHOMOLOGY OF ALGEBRAIC VARIETIES
http://www.math.brown.edu/~wgillam/dR.pdf
のExample1に、
局所環に対応するde Rham complexとその点での形式環に対応するde Rham complex
の比較に言及されている。

ON THE DE RHAM COHOMOLOGY OF ALGEBRAIC VARIETIES
http://archive.numdam.org/ARCHIVE/PMIHES/PMIHES_1975__45_/PMIHES_1975__45__5_0/PMIHES_1975__45__5_0.pdf
section7でAmbient spaceの方を元のschemeに沿って完備化し、normal bundleを取る、という形で定式化を行っている。

Comparison theorems between algebraic and analytic De Rham cohomology (with emphasis on the p-adic case)
http://www.emis.de/journals/JTNB/2004-2/pages335-355.pdf
Grothendieckの同型対応を、定数層から係数を代数的ベクトル束とした場合、
問題になるのは、微分、すなわち接続の特異性(分岐)で、
これが穏やかでないと、単純な同型対応はできない。

devissageにより、射影直線上の分岐被覆について成り立てば全体で成り立つ、
という議論に帰着できる場合がある。
ただし、複素数の場合とp進の場合で、収束の状況が異なり、
微分方程式が解けるためにパラメータがLiouville数でない、など制限がつく場合がある。

* inifinitesimal site
http://www.math.harvard.edu/~gaitsgde/grad_2009/SeminarNotes/Nov17-19%28Crystals%29.pdf
標数0の場合、crystalはinifinitesimal site上のtoposとして定義される。
可微分多様体の場合には、jetという概念があり、
関数のテーラー展開の提示の項のみを取り出す操作ができた。
これを代数的に行うと、infinitesimal siteとなり、
そのsite上での層の圏がinfinitesimal toposとなる。

Cohomology of the Infinitesimal site
http://archive.numdam.org/ARCHIVE/ASENS/ASENS_1975_4_8_3/ASENS_1975_4_8_3_295_0/ASENS_1975_4_8_3_295_0.pdf
Th4.6でinifinitesimal site上のcohomologyを計算している。
また、標数pの場合にinifinitesimal site上のcohomologyはetale cohomologyとなり、
crystalline cohomologyのstable partとなることを示している。

* divided power
DIFFERENTIAL EQUATIONS IN DIVIDED POWER ALGEBRAS, RECURRENCE RELATIONS AND FORMAL GROUPS
http://www.maths.gla.ac.uk/~ajb/dvi-ps/recde.pdf
Hopf代数の観点から見ると、divided powerは解り易い。
(dualはLie代数のenvelopping algebraになるが、q-deformのような話はあるのだろうか?)

* 標数pでsmooth schemeの場合
Notes on Crystalline cohomology
http://www.mabli.org/mabli/files/BerthelotOgus-Crystalline.pdf
標数pの体上で代数多様体のde-Rham cohomologyを計算しようとすると、
係数の問題が生じる。
係数が標数pのままであればよいが、標数0の係数上で複体を計算する場合、
p冪方向にも変形が生じるので、その分を考慮に入れる必要がある。
そのため、infinitesimal siteではいわゆるunit root方向しか補足できず、
toposの条件にdivided powerを入れて、位相を強くする。
それがcrystalになる。
crystalは具体的には接続が定義されたmoduleの列。

* 標数pの場合
Crystalline cohomology and de Rham cohomologyhttp://arxiv.org/abs/1110.5001v1