2012年6月19日火曜日

クリスタリン

* 標数0でのalgebraic de Rham cohomology
Basics of Algebraic de Rham Cohomology
http://www.math.harvard.edu/~jay/writings/derham.pdf
で、Grothendieckによる代数的なde Rham cohomologyと解析的de Rham cohomologyのisomorphism
が説明されている。
properでない場合は広中の特異点解消定理によりsmooth proper schemeに埋め込んで議論をする。
埋め込み方によらず、complementで任意位数の極を持つ微分形式が定義でき、
GAGAが使用できる点がポイント。

ON THE DE RHAM COHOMOLOGY OF ALGEBRAIC VARIETIES
http://www.math.brown.edu/~wgillam/dR.pdf
のExample1に、
局所環に対応するde Rham complexとその点での形式環に対応するde Rham complex
の比較に言及されている。

ON THE DE RHAM COHOMOLOGY OF ALGEBRAIC VARIETIES
http://archive.numdam.org/ARCHIVE/PMIHES/PMIHES_1975__45_/PMIHES_1975__45__5_0/PMIHES_1975__45__5_0.pdf
section7でAmbient spaceの方を元のschemeに沿って完備化し、normal bundleを取る、という形で定式化を行っている。

Comparison theorems between algebraic and analytic De Rham cohomology (with emphasis on the p-adic case)
http://www.emis.de/journals/JTNB/2004-2/pages335-355.pdf
Grothendieckの同型対応を、定数層から係数を代数的ベクトル束とした場合、
問題になるのは、微分、すなわち接続の特異性(分岐)で、
これが穏やかでないと、単純な同型対応はできない。

devissageにより、射影直線上の分岐被覆について成り立てば全体で成り立つ、
という議論に帰着できる場合がある。
ただし、複素数の場合とp進の場合で、収束の状況が異なり、
微分方程式が解けるためにパラメータがLiouville数でない、など制限がつく場合がある。

* inifinitesimal site
http://www.math.harvard.edu/~gaitsgde/grad_2009/SeminarNotes/Nov17-19%28Crystals%29.pdf
標数0の場合、crystalはinifinitesimal site上のtoposとして定義される。
可微分多様体の場合には、jetという概念があり、
関数のテーラー展開の提示の項のみを取り出す操作ができた。
これを代数的に行うと、infinitesimal siteとなり、
そのsite上での層の圏がinfinitesimal toposとなる。

Cohomology of the Infinitesimal site
http://archive.numdam.org/ARCHIVE/ASENS/ASENS_1975_4_8_3/ASENS_1975_4_8_3_295_0/ASENS_1975_4_8_3_295_0.pdf
Th4.6でinifinitesimal site上のcohomologyを計算している。
また、標数pの場合にinifinitesimal site上のcohomologyはetale cohomologyとなり、
crystalline cohomologyのstable partとなることを示している。

* divided power
DIFFERENTIAL EQUATIONS IN DIVIDED POWER ALGEBRAS, RECURRENCE RELATIONS AND FORMAL GROUPS
http://www.maths.gla.ac.uk/~ajb/dvi-ps/recde.pdf
Hopf代数の観点から見ると、divided powerは解り易い。
(dualはLie代数のenvelopping algebraになるが、q-deformのような話はあるのだろうか?)

* 標数pでsmooth schemeの場合
Notes on Crystalline cohomology
http://www.mabli.org/mabli/files/BerthelotOgus-Crystalline.pdf
標数pの体上で代数多様体のde-Rham cohomologyを計算しようとすると、
係数の問題が生じる。
係数が標数pのままであればよいが、標数0の係数上で複体を計算する場合、
p冪方向にも変形が生じるので、その分を考慮に入れる必要がある。
そのため、infinitesimal siteではいわゆるunit root方向しか補足できず、
toposの条件にdivided powerを入れて、位相を強くする。
それがcrystalになる。
crystalは具体的には接続が定義されたmoduleの列。

* 標数pの場合
Crystalline cohomology and de Rham cohomologyhttp://arxiv.org/abs/1110.5001v1

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

Info: ホップ代数とマルコフ連鎖のコンボ。始めてかしらん? 私は両方ともよくしらないんですが、少なくとも著者は信用のある人らしいす。両方とも詳しいaka氏にとってはいかに?

Hopf algebras and Markov chains: Two examples and a theory, Persi Diaconis, Amy Pang, Arun Ram

http://front.math.ucdavis.edu/1206.3620

匿名 さんのコメント...

Info2:

Summer School 数理物理 2012
題目: 結び目の数理と物理

http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~yasuyuki/mp2012.htm

aka さんのコメント...

>Hopf algebras and Markov chains: Two examples and a theory
情報ありがとうございます。
面白そうな論文ですね。
Macdonald多項式と絡めて理解したいです。

>Summer School 数理物理 2012
こちらは登録済みです。
クラスター代数に興味を持っているので、
非常に楽しみにしています。