2009年9月25日金曜日

イジング模型について

ホロノミック量子場(神保)
を読んで興味深いと思った記述に、

a) 2章 Onsagerの公式 free energyがMahler measureとして出てきて、背後に楕円曲線がいる
b) 4.1 massiveな場合のDirac方程式の局所解を、フェルミオンのモノドロミー条件を課することで、計算することができて、変形Bessel関数で記述できる

がある。
a)については、共形場における複素構造が、局所的に直交する座標に対応するから、
2部グラフ(dimer)が自然に出てきて、dimerの場合、Mahler measureが自然に出てくる。
Dimers and Amoebae
(http://arxiv.org/abs/math-ph/0311005)

離散的な場合には、
The critical Z-invariant Ising model via dimers: the periodic case
(http://arxiv.org/abs/0812.3848)
に計算があった。

b)については、
Discrete Riemann Surfaces and the Ising model
(http://arxiv.org/abs/0909.3600)
で離散的な場合の計算もされていた。

一つのメルヘン

数体に対して、
Deningerの意味での葉層構造付三次元多様体(M,F,σ)
が対応するとする。

Mの余接バンドルに標準的なシンプレクティック多様体とみなして、
A模型を考える。
そのミラーであるB模型には、葉層構造がdualで受け継がれるだろうから、
スペクトル曲線Σを考えることができるだろう。

したがって、数体Kに対して、スペクトル曲線Σ(K)を対応させることができるだろう。
このΣ(K)から、free energyなどの普遍量をEynard-Orintinの方法で計算すると、
Kのゼータ関数の情報を含んでいないだろうか?
というのが、中秋のメルヘン。

三次元多様体として、単純にS3をとって、その余接バンドルのfree energyについて、
Chern-Simons Theory and Topological Strings
(http://arxiv.org/abs/hep-th/0406005)
の(203)をみると、
polylogがでてくるので、
うまくすれば、
ratinal integerについては、S3を適当に加工することで対応する三次元多様体がえられるのではないだろうか?
そこで、
Bost-Connes代数のtorsionに対応するEisenstein級数、
が普遍量で出てきて、代数を生成する、
という形になれば嬉しい。

2009年9月15日火曜日

Berkovich空間とラプラシアン

http://math.arizona.edu/~swc/aws/07/speakers/index.html
をみると、
Berkovich空間においてもポテンシャルやラプラシアンの概念が定義される。
path connectedな空間であるから、ここでブラウン運動を考えたくなる。
genus0の場合空間はfinite R-treeのlimitだから、それほど素性の悪いものではないだろう。

複素+p-adicの調和解析から、
adelicのなかの対角線成分として離散調和解析の性質を抜き出せるのではないだろうか?
という単純な動機。

一方、
Rigid geometryは、Grothendieck位相をいれて、点と開集合を調整していた。
rough pathは、一次のpathを制限し2次のpathを膨らませることによってえられるが、
代数的に抽象化できないものだろうか?
まずは、formal arc+formal Heisenberg groupのような形で
infinitesimalに定式化できないかみてみたい。

2009年9月11日金曜日

Connes-Kreimer Hopf代数

QFTについて、
自由場とその摂動との関係を見るうえで、
ファインマンダイアグラムによる展開が必要になる。
その際に、Hopf代数の構造が入って代数的な取り扱いが可能になる。
まずはBPHZ手続きについて理解する必要がある。

rough pathとの関係のレビュー
Abstract integration, Combinatorics of Trees and Differential Equations
http://arxiv.org/abs/0809.1821

MHSとの関係
Mixed Hodge Structures and Renormalization in Physics
http://arxiv.org/abs/0804.4399

Algebro-geometric Feynman rules
http://arxiv.org/abs/0811.2514

変形量子化とGaloisTeihimuller群との関係の予想
Operads and Motives in Deformation Quantization
http://arxiv.org/abs/math/9904055

計算論的な解釈
Renormalization and computation I: motivation and background
http://arxiv.org/abs/0904.4921
Renormalization and Computation II: Time Cut-off and the Halting Problem
http://arxiv.org/abs/0908.3430

2009年9月4日金曜日

タイヒミュラー空間についてのまとめ

1. ベルトラミ係数μに対して、擬等角写像を対応付ける
  複素平面上で(ess.supで条件をつけた)ベルトラミ係数μに対して、
0,1,∞をfixするリーマン球面の同相写像で複素平面上擬等角写像になるものが、
一意的に定まる。μに対する標準擬等角写像と呼ぶ。

2. リーマン面の正則2次微分からベルトラミ係数を対応付ける
3. リーマン面間の擬等角写像に対して、ホモトピー類を考える
4. 与えられたホモトピー類の中で、高さ関数を定めて、2->1により正則2次微分から対応付けられた
擬等角写像が高さ関数の最小値を与えることを示す
5. 正則2次微分の空間にノルムを入れて4によるホモトピー類の集合に位相を入れる

これでできる位相空間がリーマン面Rのタイヒミュラー空間T(R)。
とくにリーマン面を固定しないで、標準擬等角写像のホモトピー類のなす位相空間を
普遍タイヒミュラー空間T(1)と定義する。

T(1)について、
Weil-Peterson計量および(Segal-Wilson型)佐藤グラスマンへの埋め込みについて記述しているのが、
Weil-Petersson metric on the universal Teichmuller space I: Curvature properties and Chern forms
http://arxiv.org/abs/math/0312172
Weil-Petersson metric on the universal Teichmuller space II. Kahler potential and period mapping
http://arxiv.org/abs/math/0406408