2014年11月11日火曜日

サマースクール復習 その6


幾何的に定義される代数

moment mapが使用される状況

[G98]では、積(と余積)をcycleによるcorrespondenceにより定義する、という形で、
  • 単純代数群のWely群の群環
  • universal envelopping algebraのイデアルによる商
が構成されていた。 
[G98]5. Sheaf-theoretic analysis of the convolution algebra 
において、proper map μ:MNからZ:=M×NMにより、 
H(Z)に積が定義される。 
Prop5.1で定数層のpushforwardから 
H(Z)=Ext(μCM,μCM) 
と代数の同型がある。 
そのため、層が偏屈層として解釈できる場合には、decompositionを見ることにより、 
積が詳細に理解できる場合がある。 
Nがstratificationを持つ場合でμがsemi-smallである場合が、そのような場合になる。 
(Th5.4)
Wely群の群環の場合、用いられているのは、 
Springer resolution μ:N~=TBN 
で、Th6.4でμが(strictly)semi-smallであると述べられている。 
この場合、Z=M×NMはSteinberg varietyと呼ばれ、 
xNのGにおけるcentralizerを見ることにより、 
Nのregular semisimple部分から、Weyl群のetaleな作用が得られ(Prop9.3)、 
Prop9.1、Cor9.2によりZによるWeyl群の群環の記述が得られる。 
Th12.7の後のRemarkに同変K群などに拡張した場合の代数の構造が記述されている。

数論の場合

数論においては、l進とp進の場合それぞれに、 
上記のWeyl群のLagrangianによる幾何学的構成の類似が存在する。

l進層の特性サイクル

Weyl群の群環の場合は、Symplectic resolutionがあり、 
そこからSteinvberg varietyを構成した。 
l進層の場合は、Galois拡大が退化している状況を作り出すために、 
blow-upを用いる。(1.3,1.4の議論) 
Weyl群の場合のregular semisimpleな部分に対応するのがetale locusで、 
それをblow-upの部分まで出来る限り拡げ、亜群を構成する。 
これがSteinberg varietyの類似となるが、 
標数pの場合は、命題1.6によりfiberと分岐群が結び付けられ、 
定理1.10により、微分形式と結びつく。 
Weyl群の場合のLie環のroot分解に対応して、slope filtrationがある。 
また、Weyl群の場合は、Fourier変換により、双対性を利用し、 
かつ内積による同一視の議論ができたが、 
l進層の場合は、Radon変換を用いて双対性を利用する。(2.4)
Q: 下付き分岐群と上付き分岐群の対応を、トーラスの座標を固定して、 
secondary polytopeの議論を持ち込めないか? 
Q: Nakajima varietyのような良いmoduli空間を設定して、分岐群に対して代数を定義できないか? 
とくに、変形空間として、量子コホモロジーに対応する概念がほしい。 
(元々Springer resolutionはl進偏屈層の言葉で書かれていた) 
Q: l進層におけるsymplectic resolutionやmoment mapに対応する概念の辞書は存在するか?

Lubin-Tate

p進の場合において、etaleなfiberがconnectedな場合に退化していく代表例は、 
p-divisible groupで、その変形を記述するmoduliとしては、 
elliptic curveのp冪レベル付きのmoduliが代表的な例になる。 
退化している部分は、supersingular partであるが、 
perfectoidの言葉を用いると、inifinite levelでの議論を幾何学的に行うことが出来る(ようだ)。