2017年1月27日金曜日

2017 Symplectic resolution

変形量子化

[G]では、

  • 変形関手の定義、可換環の量子化の定義(Def1.3)、1パラメータ量子化の定義(Def1.4)
  • Poisson代数の定義(Def1.5)、量子化とPoisson構造の変形の関係(Th1.10)の説明

  • 正則な場合の量子化とPoisson構造の変形の関係(Th2.2)

  • semi-positive varieryの定義(Def3.2)
  • semi-positive varietyの性質(§3.2)
  • Symplectic resolutionの定義(Def4.1)、running hypottheses
  • universal Poisson deformationの存在とcohomologyのpurity(Th4.2)
  • 量子化の存在(Th4.3)、代数性(Th4.4)

を説明している。
Th4.2の証明には、 標数pにおけるtilting generatorの存在(Th4.8)、Beilinson typeのdiagonal resolutionが使用されている。

標数pでの量子化

[K]では、tilting generatorの存在を標数pの議論によって示している。

  • Beauvilleの意味でのSymplectic singularityの定義(Def1.1)
  • Symplectic resolutionの定義(Def1.2)
  • Symplectic resolutionがきつい条件である予想(Conj1.3)
  • Poisson varietyのquantization(Def2.2)
  • Symplectic resolutionの場合のcanonical quantizationの存在(Th2.3)
  • localにはDarboux型の定理がある(Prop2.4)
  • Poisson algebraとquantized algebra(Def2.6)
  • quantized algebraでh-完備かつno h-torsion、と、quantizationの同値(hによる補間)
  • smooth symplectic varietyのquantizationとsymplectic corrdinate torsorsの同型類が対応する(Prop2.8)
  • Frobenius-constant quantization(Def3.1)
  • 標数pではProp2.4は成り立たない。原因はhigher de Rham cohomologyが消えないため(Rem3.4)
  • restricted quantized algebra、restricted Poisson algebra(h=0)(Def3.7)
  • restricted Poisson structureを持つための条件(Prop3.10)
  • good quantization base(Def3.11)
  • good quantization baseが与えられた時、cohomologyが消えるという条件のもと、smooth symplectic varietyのB-quantizationの同型類が記述できる(Th3.16)
  • 標数0の体上のSymplectic resolutionはetale localにtilting generatorを持つ(Th4.2)

3次元 N=4 ゲージ理論

[N2]では、Symplectic resolutionの場合に、
Higgs枝、Coulomb枝について、数学的な定義を与えている。
量子化されたCoulomb枝は、formal diskへのトーラス作用を用いて同変Borel-Moore homology群上に定義される。

疑問

数論において、古典的な保型形式のHecke環は、moduli空間におけるconvolution積によって定まる可換環だった。Taylor-WilesのR=Tの議論は、convolution積によって定まる環が、Galois表現の普遍変形環と同型である、というものだった。
Galois表現の変形とCoulomb枝に自然な解釈をつけることが出来るだろうか?

Written with StackEdit.

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お久しぶりです。忙しかったのと、ワタスに理解できそうなトピックがなかったせいで、
ご無沙汰してました。「2016年初頭で元に戻りました。」と書いてあるのも、ようやく気付きました。

さて、機械学習などには詳しいんでしたっけ? 流行ってるらしいですが、ワタスはさっぱりで、、、、

aka さんのコメント...

お久しぶりです。
最近時間の流れが早くて、理解が進まないうちに年を取っていくばかりです。

機械学習はたしなむ程度、といったところです。
単純なフレームワークの利用はできますが、
理論的な考察になってくると腰を落ち着けて考えることは出来ません。

匿名 さんのコメント...


ちょっと今は時間がないので長く書けないのですが、しばらく前にDiffusion map なる単語を偶然目にしてね。

http://anomaly.hatenablog.com/entry/2015/03/29/211528
https://en.wikipedia.org/wiki/Diffusion_map

あなたなら何かご存知かもしれないと思ったわけです。

aka さんのコメント...

匿名さんには釈迦に説法ですが、
機械学習の一分野に次元削減があります。
高次元のデータから以下に特徴を抜き出して見やすくするか、
ということで、
線形代数の範囲内では、
主成分分析があります。
また、データを複数のクラスに分けてわかりやすくする、という用途で、
クラスタリング、という処理があり、
kmeans法とか、スペクトラルクラスタリング、
といったものがあります。

それで、高次元のデータで、ユークリッド空間的にはうまく処理できないものの例として、
スイスロール、という形があります。
e.g. http://blog.albert2005.co.jp/2014/12/11/%E9%AB%98%E6%AC%A1%E5%85%83%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%8C%96%E3%81%AE%E6%89%8B%E6%B3%95%E3%82%92swiss-roll%E3%82%92%E4%BE%8B%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%82%88/#more-289

このスイスロールのような、はめ込まれた多様体上のデータを、元の多様体を知らずに推定できれば、
データ記述の情報量が圧縮できる、ということから、
多様体学習、というものが提言されています。

Diffusion mapは初耳でしたが、
考え方としては、スペクトラルクラスタリングを多様体学習に応用したもの、
と捉えることが出来るようです。

と、ここまで書いてwikipediaを見たら、説明ありましたね。折角書いたので、残しておきます。

匿名 さんのコメント...

どうもありがとうございました。やっぱり、それなりにご存知のようですね。
一方のワタスは「釈迦に説法」どころか、何も知りません。

なんで、こんなことを言い出したかというと、この人:

The Diffusion Geometry of Fibre Bundles, Tingran Gao
https://arxiv.org/abs/1602.02330

なんか文献表を見ると、「おっ」と思うものが並んでるわけです。ワタスにとって。
例えば, IW本。それで気になってるんです。

でも読んでみたら、彼の計算では私が想像しているような理論は使ってなかった、、、、
普通の解析的な計算に終始していました。


おまけ
https://sites.google.com/site/kashiwara2017/




aka さんのコメント...

なるほど。

おまけ、出席者がすごい顔ぶれですが、
Programがなにも書かれていないような。。。
平日なので多分行けないと思います。