Frobenius多様体とRiemann-Hilbert問題
[S]のまとめ
- Riemann-Hilbert問題は、射影直線の場合、与えられたの表現に対応するモノドロミー表現を持つ、の各点で高々対数的極のみを持つ微分方程式を与えよ、という問題。(Appendix A)
- 微分方程式の形は、となり、matrixを求める問題となる。
- Birkhoff問題は、polar partの標準形を与えよ、という問題で、Weilによるベクトル束のadele実現を用いてdouble cosetの標準形を与える、という観点から、射影直線上のベクトル束の分類に対応する。(A2.1, A2.2)
- 座標を固定するとが原点でtype1, 無限遠点でtype0の極を持つmeromorphic connectionのBirkhoff normal form。(2.1.1)
対応するconnection matrixは、
holomorphicなベクトル束に対して層、meromorphicなベクトル束に対して層およびlatticeの概念がある。
- 上のベクトル束は離散的な情報のみで定まる。そのため、自明束はパラメータに対するhypersurfaceを除いてrigidityを持つ。(Th1.1.1)
- よって、meromorphicにはtrivializationを取ることが出来る
- flat holomorphic connection、flat meromorphic connectionの概念がある。
- discD上のmeromorphic connectionに対して、residue、1-formが定まり、flatnessから定まる関係式を満たす。
- 上のTh1.1.1の条件でのflat meromorphic bundleの標準形(lem1.3.3)
- metricの条件を付加した場合(1.4)
- から定まるデータ(1.5.1-1.5.4)
- relation(1.5.5)
- metricの条件を付加した場合(1.5.6)
- 逆に1.5.5のデータからが定まる。(1.5.7)
- local Fourier 変換により、Riemann-Hilbert問題とBirkhoff normal formが等価となる。(Prop1.6.2)
- Riemann-Hilbert-Birkhoff問題は、rigidity(Prop2.2.1)と標準形を持つ。(Cor2.2.4)
universal deformation(Th3.1.1)
Saitoh structure without metric
に対して、(Def4.1.1)- とすると、relation1.5.5を満たす(4.1.1)
- flat coordinates が定まる。(4.1.5)
- Saitoh structureのによりに対してmultiplicationが定義され、flatnessとsymmetricからcommutative,assosiativeがでる(4.1.2)
- はのclosed analytic varietyで、良い条件の場合はLagrangian。(4.1.7,4.1.9)
- さらに、、の形となる。(4.1.8)
- canonical coordinates(4.1.10)
- discriminants(4.1.11)
- Saitoh structure with metric(Def4.1.12)
- Frobenius manifold(Def4.2.1)
Saitoh structure with metricとFrobenius manifoldの等価性(Prop4.2.2)
infinitesimal period mapping(4.3)1.5.5の状況で、の構造をの構造にうつすために写像を定義する。
が同型の時、をprimitive sectionと呼ぶ。(Def4.3.2)- Frobenius manifoldの特徴づけ(Th4.3.6)
- simply connected massive Frobenius manifoldとuniversal isomonodromic deformationに付随するFrobenius manifoldの対応(Th5.1.2)
疑問
- 複素数体上では射影直線上のベクトル束のrigidityを用いてisomonodromy変形とFrobenius多様体の議論ができた。
- p進体上では射影直線に対応するのは、Fargues-Fontaine曲線となるはず。
- FF曲線上のベクトル束は離散データのみで定まるが、変形に対するrigidity、その上のflat connectionについて、Frobenius多様体の議論と並行する性質が存在するか?
- その場合、Frobenius作用を込みにした(p進の意味での)Frobenius構造が必要になるはずで、Frobenius-Frobenius多様体をFargues-Fontaine曲線を用いて定義できるか?という話になる。
- 前提として、Riemann-Hilbert問題、Simpson対応をp進で議論できるか?という点がクリアにならなければならない。
Painleve方程式との関係
- [D] Painleve’ transcendents and two-dimensional topological field theory
- [ILT] Isomonodromic tau-functions from Liouville conformal blocks
- [KMS] Flat structure on the space of isomonodromic deformations
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